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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅   ★劇場鑑賞した映画はインスタにアップしています@ruby_red66

人は変わることができる~『ゴッズ・オウン・カントリー』#7

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 ★ 全面的にネタバレしています ★

 これは監督フランシス・リーのフェティシズムだと思うのだけれど、この映画は手のクローズアップが多用されている。ジョニーの大きくて、少し汚れていたりする手。牛の背を撫で、煙草を吸い、干し草を握りしめる手。ジョシュ・オコナーのキャスティングには、この手が大きな意味を持ったのではないかと想像する。ジョニーが完全に恋に堕ちる瞬間も、その 「手」 がきっかけの名場面だ。

 物語の始まりと終わりで、主人公ジョニーは別人のように変化するが、ゲオルゲと出会い、共に酪農仕事をする中で、ジョニーが決定的に変わる瞬間がある。母のいない子羊に、ゲオルゲがジャケットを着せ、「里子」 に出すシーン(初見時、このシーンは結構な衝撃だった)。母のいないジョニーは、この子羊に自分を重ねていたのかもしれない。ここで彼は、劇中初めての笑顔を見せるのだ。食事のテーブルを整え、感情的になるジョニーをいさめ、無言のまま仕事をする背中を見せるゲオルゲは、母性と父性を同時に持ち合わせた、包容力の塊のような人物。そしてベッドでの作法までジョニーに教え導くのだから、どれだけ有能な人材だよ、と思う。ジョニーでなくとも惚れるしかないではないか。

 この映画は 「ヨークシャーのブロークバック・マウンテン」 とか 「英国版ブロークバック・マウンテン」 とか、「ハッピーエンドのブロークバック・マウンテン」 などと呼ばれている。何回観ても飽きないのは、映像やストーリー、演技の素晴らしさはもちろん、ハッピー・エンディングであることが大きいと思う。脚本も書いているフランシス・リーは 「ゲイが悲しい思いをする物語は、もう観たくなかった」 とどこかで語っていた。確かに、私たちは今までどれほど、ゲイの主人公たちが置かれた悲惨な状況に涙してきただろう? 周囲の無理解、拒絶、暴力、そして 「死」。個人的にはとても大切な映画だけれど、『ブロークバック・マウンテン』 のDVDを取り出して観ようという気持ちにはなかなかなれない。あの映画の悲劇は、ヒース・レジャーの夭折という悲し過ぎる現実とリンクしてしまい、いまだに向き合うことが難しい。

 自らを取り巻くままならない状況にいら立ち、何もかもを諦めて心を閉ざしていた主人公が、もしかしたら自分は 「幸せ」 になれるのかもしれない、そう望んでもいいのかもしれない、と思い始める。その思いは厳格だった父と祖母を変え、自らも大きく変わってゆく姿は感動的で、何度観ても涙が流れる。もちろん、それは簡単な道ではない。主人公は(結果的に)幸運すぎると思う方もいるかもしれない。しかし、それでもいいじゃないか。21世紀なのだ。もう、幸せになってもいいよ。少しの勇気を出して。堂々と。

 この映画を必要としている人は、きっとたくさんいると思う。東京と大阪だけじゃなくて、日本のいくつもの片隅に、本当にたくさんいると思う。一人でも多くの人に、この希望に満ちた力強い映画が届いてほしいと願う。「人は変わることができる」。監督の故郷・ヨークシャーへの愛に溢れたエンドロールも含め、是非その目と心に刻んでほしい。

テーマ : ★おすすめ映画★
ジャンル : 映画

2018-09-20 : GOD’S OWN COUNTRY : コメント : 0 :
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最上のわざ

 
 この世の最上のわざは何?
 楽しい心で年をとり、
 働きたいけれども休み、
 しゃべりたいけれども黙り、
 失望しそうなときに希望し、
 従順に、平静に、おのれの十字架をになう。

 若者が元気いっぱいで神の道を歩むのを見ても、ねたまず、
 人のために働くよりも、
 謙虚に人の世話になり、
 弱って、もはや人のために役だたずとも、
 親切で柔和であること。

 老いの重荷は神の賜物。
 古びた心に、これで最後のみがきをかける。
 まことのふるさとへ行くために。


=================================

 この詩は映画 ツナグ で樹木希林さんが朗読されていたものです。
エンドロールに流れた主題歌 『ありがとう』 とともに、忘れられない言葉です。
聞きながら涙が止まらなかった。

 希林さん、もう 「まことのふるさと」 へは着かれましたか?

 偉大なる女優、樹木希林さんのご冥福をお祈りします。

キキキリン

テーマ : 俳優・女優
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2018-09-17 : 映画雑談 : コメント : 0 :
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のむコレ2018@シネマート新宿/心斎橋 フライヤー~『ゴッズ・オウン・カントリー』#6

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 土曜日、仕事終わりにシネマートに走って行ってフライヤー貰って来ました!

 心斎橋では一回限りの上映だそうで・・・。チケット取れるかな〜って心配するアタシにカウンターのお兄さんは どんな人気作品でも、発売直後に売り切れることはないですよ〜 って。ホンマ? ホンマに? 瞬殺やったらどーしてくれるん? と思いつつ。

 しかしこの 日本で観られるのは、これで最後! って文字が悲し過ぎる・・・。
 
 どうして 一般公開もDVD発売もない とされているんだろう? それはあくまで 予定 ではないの? 今後、大逆転のウルトラCで全国公開されたりしないのかな? う~ん、配給の仕組みがわからないけど、諦め切れないな〜。

 とにかく死ぬ気でチケット取らねば!

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2018-09-16 : GOD’S OWN COUNTRY : コメント : 0 : トラックバック : 0
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祝☆劇場公開決定!~『ゴッズ・オウン・カントリー』#5

公開決定1

 映画 『ゴッズ・オウン・カントリー』 が11月に劇場公開されます!!(拍手!!) 

 新宿/心斎橋のシネマートで開催される 「のむコレ2018」 にて上映されることが正式発表されました! 詳細は下記サイトをご覧下さい。

 公式サイト
 映画.com作品ページ

 この映画、何度も書いていますが本当に素晴らしい作品です。新人監督の小さな映画なので、オスカーなど大きな映画賞には無縁です。しかしそれは単にプロモーションの問題であり、インディペンデント映画祭では数々受賞、Rottentomatoes など批評サイトでも高く評価されています。日本で配給がつかなかったのが謎で、本当に残念で歯がゆくてたまらないのですが、なんと有志の方が 「 『ゴッズ・オウン・カントリー』 上映委員会」 を立ち上げ、権利を買い付けてくださって上映に至ったそうです。感動ですね・・・。委員会の方々には、本当に感謝しかありません。ありがとうございます。

 東京と大阪だけ、というのが個人的には心苦しいのですが、是非足を運んでいただけたらと思います。・・・って関係者みたいな発言ですが(笑)。詳しい上映スケジュールなどは今週末以降に発表になるようです。約1ヶ月の開催期間中に何度か上映されると信じたいですね。野村さん、どうかよろしくお願いします!!

 私の今年のベストワンは多分この作品になると思います。と言うか、生涯ベストワンかもしれません。

公開決定2

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2018-09-11 : GOD’S OWN COUNTRY : コメント : 0 :
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『静かなる叫び』

静かなる叫び

 1989年12月6日、カナダ・モントリオール理工大学で起きた女子学生銃殺事件。モノクロームの映像で、事件の当事者たちを描く。衝撃的な史実に基づいた物語。監督・脚本はドゥニ・ヴィルヌーヴ。2009年の作品。

 この映画を観て、初めてこの事件のことを知った。あまりにも悲惨な事件で、犯人が許せなくて、頭がおかしくなりそうだった。

 私は女だけれど、フェミニズムという言葉が好きではない。マイオールタイムベストの一作 マッドマックス 怒りのデス・ロード はフェミニズムの映画と言われていたが、私自身は感想にフェミニズムという言葉は使いたくなかった。だから敢えて 「ヒューマニズム」 と書いた。どうして好きではないのか、うまく説明はできないのだけれど・・・。この映画の犯人のように、フェミニズム自体に反対していたり、嫌悪しているわけではない。むしろ自分はフェミニストだと思っている。何だか矛盾しているようだけど。

 この世界で女であること。それは 「産む性」 を担うということ。

 男の子なら愛を教え、女の子なら世界に羽ばたけと教える

 人間が、ただ人間としてフラットに、差別することもされることもなく公平に生きていける世界ならいいのに。男であろうと、女であろうと。そういう世界になれた時、「フェミニズム」 という言葉は消えてなくなっているのかもしれない。

テーマ : DVDで見た映画
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2018-09-09 : DVD/WOWOW : コメント : 2 : トラックバック : 1
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Keanu and River

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テーマ : 俳優・男優
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2018-09-04 : YOU GUYS ARE KILLING ME : コメント : 2 :
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『婚約者の友人』

婚約者の友人

 1919年、ドイツの田舎町。戦争で婚約者フランツを亡くしたアンナ(パウラ・ベーア)は、墓地でフランス人青年アドリアン(ピエール・ニネ)と出逢う。フランスが好きだったフランツは生前パリに留学しており、アドリアンはそこでフランツと知り合ったと言う。失意の中にいたアンナは、そんなアドリアンに心を開いてゆくのだったが・・・。

 監督・脚本はフランソワ・オゾン。私は彼の良き鑑賞者ではない。映画館で観た彼の作品は 『17歳』 だけ。というのも、そもそも彼の作品はミニシアター系と呼ばれ、関西では茶屋町の某劇場で公開されることが多い。個人的にあの劇場、苦手なのです・・・。おっと、それはまた別の話。今上映中の 『2重螺旋の恋人』 も、観逃し案件。多分。

 だからついついオゾン作品は自宅鑑賞となるのだが、 「あー、これは映画館で観たかった!」 と思うことが多い。この作品も例に漏れず。映像、ストーリーテリング、コスチュームやプロダクションデザイン、全てが間違いなく一級品。唸りました。

 オゾンにしては珍しく政治的なメッセージが込められている本作は、「嘘」 がテーマなのかなと思った。アンナの嘘、アドリアンの嘘。邦題もある意味嘘であるし、原題の 「FRANTZ」、亡くなったフランツも結果的に嘘をついている。けれど人は嘘なしには生きられない。何故なら、嘘は時に、真実よりも人を救うから。

 アンナはその嘘ゆえに傷つき、今は居場所をなくしたように映る。しかし生きてさえいれば、また新しい嘘から人生をやり直すこともできるはず。自分は死ではなく、生を選ぶ。ラストシーンの彼女の瞳には、光が宿って見えた。

    ( 『婚約者の友人』 監督・脚本:フランソワ・オゾン/
                              主演:パウラ・ベーア、ピエール・ニネ/2016・仏、独)

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2018-09-02 : DVD/WOWOW : コメント : 6 : トラックバック : 4
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We had the stars, you and I. ~『君の名前で僕を呼んで』#11

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 9月21日、いよいよ  『君の名前で僕を呼んで』  日本版DVD&BDが発売される。私は我慢出来ずにUS版を買ってしまったので、さほど飢餓感はなかったのだけれど・・・。各社の様々な特典を見比べて、やはりポストカードセットが欲しくなり予約してしまった。セリフや内容はもう頭に入っているけれど、コメンタリーに字幕が入るのがうれしい。レンタルも始まるのならば、劇場で観逃した方にも是非観ていただきたいと思う。

 大好きな映画ではあるけれど、観る度にイヤ〜な気分になるシーンがある。エリオが、遊びに来たマルシアと庭の小さなプールで遊ぶシーン。「そこはエリオとオリヴァーの、ふたりのプールなのに!」  と思ってしまうのだ。

 エリオの中では、マルシアと付き合うのもオリヴァーと愛し合うのも同時進行で何の屈託もなく、彼曰く 「パン屋と肉屋は競合しない」 のだそうである(原作より)。エリオ、上手いこと言うわ〜。座布団一枚! とか冗談を言っている場合ではないが、若さってそういうものなのかな? しかし映画では、明らかにエリオはオリヴァーへの当てつけでマルシアと付き合っているように見えるし、自分から電話しておいてマルシアの声もわからない(何て失礼なヤツだ)。オリヴァーからの電話は、別れて何ヶ月経ってもすぐにそれとわかるのに。

 ルカ・グァダニーノ監督と原作者のアンドレ・アシマンは、「真剣に」 続編を構想していると聞く。映画は原作の途中までしか描かれておらず、エリオがどうしようもない心の痛みを噛みしめるように終わり、ハッピー・エンドではない。あのラストシーンは映画史クラスの名場面と言われていて、もちろんそれを否定はしない。しかし、この物語で重要なのは、エリオがその後どう生きたか、にあるのではないかと私は思っている。生涯一度の夏が終わり、父パールマン教授から贈られた言葉を、どう解釈し生きたのか。20年後の髭もじゃのエリオ。私の想像の中で、その姿はケイシー・アフレックなのであるが(インターステラー?)。もちろん、キャストはアーミーとティミー以外考えられないけれど・・・。何年後でもいい、続編を観たい。ずっとずっと待っています。

 人生でたった一度、たった一つの星を見つけた二人は、肉体的に離れることはあっても、精神的に別れることはできない。エリオは、いやオリヴァーも、互いへの思いを胸に生涯を送るはず。この二人の関係を、「ソウルメイト」 という手垢のついた言葉で表現したくはない。それはどれほど稀有で、貴い関係であることか。この世界のどこかで、その人が生きている。その人を想う事ができる。その事実だけで、自分が生きている理由になる。そう考えると、この物語はバッドエンドになりようがないのだ。

テーマ : ★おすすめ映画★
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2018-08-29 : CALL ME BY YOUR NAME : コメント : 4 :
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サム・フラクリン考 ←(訂正)サム・クラフリン考

※ ご指摘をいただきました、訂正します。サム・クラフリンファンの方、ごめんなさい!! ※

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 時折サム・フラクリンクラフリンについて考えている。最近考えているのはほぼ、ジョシュ・オコナーのことなのだが。

 初めて彼を観たのは 『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』。しかしほとんど印象がない(そしてあの映画自体、内容が全く記憶にない)。はっきりと 「カッコええ〜!」 と意識したのはリリー・コリンズ主演の 『あと1センチの恋』。キタの単館案件だったので自宅鑑賞だったけれど、これは大好きな映画。「ネクスト・ヒュー・グラント来たな!」 と、ちょっと興奮したのを覚えている。

 『世界一キライなあなたに』 『人生はシネマティック!』 は劇場鑑賞し、最近ジョシュとの共演作でもある 『ライオット・クラブ』 を観た。

サム・フラクリン2

サム・フラクリン3

 美形にありがちな神経質そうな顔立ちゆえ、気難しくプライド高く、屈折した役柄がハマる。エイサ・バターフィールドくんらと共演した戦争映画(日本では未公開)での演技をジョシュが絶賛ツイートしていたし、演技力も確かだとは思うのだけれど、親しみやすさが薄いのが玉に瑕。それ故に大ブレイクには至らないのかな、と思ったり。オスカーや三大映画祭に絡むような作品に出られたら、知名度もアップするのかな。既婚者で、一児の父でもあるらしい彼。待機作はたくさんありそうなので、一作でも多く劇場公開されますように。

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テーマ : 俳優・男優
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2018-08-27 : 映画雑談 : コメント : 4 :
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泣いて笑って~『モヒカン故郷に帰る』

モヒカン故郷1

 モヒカン頭のバンドマン・永吉(松田龍平)は、同棲中の恋人・由佳(前田敦子)の妊娠をきっかけに、7年ぶりに帰省する。彼の故郷は瀬戸内海に浮かぶ島。酒屋を営む両親(柄本明、もたいまさこ)と、弟の浩二(千葉雄大)が暮らしている。

 前田あっさん、結婚おめでとう☆記念に鑑賞。あ~、これどうして劇場鑑賞しなかったんだろう・・・大好きな沖田修一監督作なのに! 滅茶苦茶面白かった。笑って笑って、ホロリと泣けて。若手から古参まで、芸達者なキャストが最高だった。監督お得意の長回しも健在。ゆる~くてオフビートな笑いと、エモさが共存しているところはさすがです。あ、沖田監督といえば、最新作 『モリのいる場所』 も観なかったのだった・・・すみません。

 しかし、あっちゃんが前髪クネ男と結婚するとはねぇ。お似合いだとは思うけど、ビックリ。ちなみにクドカンは以前、勝地涼のことを 「バカンサム」 と呼んでいました(笑)。そして、今は龍平がフリーですよ奥さん!(違) 瀬戸内の風景と、カープと永ちゃん愛に溢れたTシャツ映画。そしてブラバン映画でもある。夏休みに、自宅でぼーっと観るのに最適でした。映画版 『チア☆ダン』 の、デブキャラの子も出てますよ♪

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( 『モヒカン故郷に帰る』 監督・脚本:沖田修一/2016・日本/
                 主演:松田龍平、前田敦子、千葉雄大、柄本明、もたいまさこ)

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2018-08-19 : DVD/WOWOW : コメント : 4 : トラックバック : 1
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「好きな(映画)監督は?」

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  「映画好き?」 週一ペースでランチに行くお店で、オーナーシェフのNさんに声をかけられた。かばんに入れっ放しだったフライヤーを読んでいたので  「はい! 映画館で観るのが大好き」 と即答。するとすかさず 「好きな監督は?」 と彼が尋ねる。

 少し面喰った。映画が好きだと言うと 「どんな映画観るんですか?」 とか 「今面白い映画やってます?」 と社交辞令的に言われることはあっても、好きな映画監督を訊かれたことは記憶にない。ほとんど反射的に、頭に浮かんだ名前を口に出す。「クリストファー・ノーラン」 え?

 待って、アタシってクリストファー・ノーランが一番好きな映画監督なん? そうやったっけ? え、え、でも他に誰? などと一瞬パニックに陥っていると、Nさんが言う。「Christopher Nolan? オーケー。ワタシ、Jim Jarmusch.」 え? 恥ずかしながら聴き取れない(Nさんはアメリカンなのだ)。「?」 という顔をしていると、彼は更に言う。「PATERSON.」 ああ、パターソン、ジム・ジャームッシュね! ...ちょっと、何この敗北感(笑)。

 Nさんは日本人の奥様と二人でお店を切り盛りされていて、2歳のお子さんがいる。だからなかなか映画を観に行けない。しかしパターソンはどうしても行きたくて、ベビーシッターをお願いしたのだそう。そうかそうか、子どもが小さいうちはなかなか映画館に行けないよね、とシミジミ相槌を打ちながら、頭の中では 「一番好きな映画監督って、誰だろう?」 と考えていた。王家衛? うむ。 ケン・ローチ? イ・チャンドン? ちょっとマニアックかな。宮崎駿? そうかも。リンクレイター? ジャン=マルク・ヴァレ? ドゥニ・ヴィルヌーヴ? 好きだけど一番じゃない。ミシェル・ゴンドリー? うーん、キリが無い!

 『カメラを止めるな!』 の上田慎一郎監督が 「映画オールタイムベスト10+α」 をスマホのメモにしているのを見た。+αがめちゃめちゃ多くて、ああ、普通の映画好き青年やなぁ、と好感した。私もリストしておこう! と思ったりして。次、誰かに訊かれた時のためにね(笑)。

テーマ : 映画監督
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2018-08-16 : 映画雑談 : コメント : 2 :
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残暑お見舞い申し上げます

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 I LOVE YOU GUYS.

テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

2018-08-12 : YOU GUYS ARE KILLING ME : コメント : 0 :
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「ママ~、あれ何?」

 先週の土曜日。朝一の回で 『カメラを止めるな!』 を観て、昼からは仕事で(大阪市内だけれど)出張へ。面白い映画を観た満足感で、暑いわりに足取りは軽かった。仕事は18時半過ぎまでかかり、ビルを出てもうすぐ駅、というところで気がついた。「iphoneがない!」  ギャーーーー!!

 慌てて戻るも、ビルはシャッターが閉まり無人状態。あべので開催される 『マカロニほうれん荘展』 の初日に駆けつけるつもりだったので、気が焦っていたのだろう。片づけをバタバタして、確認するのを怠ってしまった。もう、展覧会どころじゃない。グッズを爆買いする気満々だったのに、一気にしぼんだ。何より、今日帰るかも? とLINEしてきた息子に連絡しないと、、、。公衆電話を探して10円玉を入れると、背後から子どもの声がした。

 「ママ~、あれ何? 何してるの?」 「電話よ。お話するの」

 ガーーーーン。今の子は家電の掛け方がわからない、と聞いたことはあるけど、公衆電話なんかもっと知らないんだろうなぁ。実際、私も公衆電話から掛けるなんて何年ぶり? 記憶にない。でも、こういうときやっぱり必要よね、公衆電話。

 結局、真っ直ぐ帰宅した私が最初にしたのは、先代のiphoneの充電。LINEはダメだけど、電話帳は生きていたので何本か電話をした(iphone忘れてきた会社の人とか、すみません)。家電からの着信に、相手は一様に驚いて 「命の次に大事なスマホ忘れたん?」 とからかわれる。そして、Twitterとインスタにログイン。あ~、やっと落ち着いた。もう、iphoneなしの生活には戻れないなぁ。バックアップ取っとかないとね。紙で。反省。

 週明け、朝一に受け取りに行ってiphoneは無事に戻った。でも疲れたよ~。。月曜からグッタリでした。以後気をつけます。

テーマ : こんな事がありました!
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2018-08-10 : 徒然 : コメント : 4 :
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『羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季』~God's Own Country#4

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 映画 『ゴッズ・オウン・カントリー』 の副読本として最高! という評判を聞きつけ、これは読まねば、と思った次の日に文庫版が出る!ラッキー♪とばかりに早速購入。

 私は知らなかったのですが、昨年(2017年)の単行本出版時に日経新聞などで書評が出て、評判になっていたらしいですね。文庫化されるのが早く、早川さん激推しの理由も読めばわかります。とてもとてもとても素晴らしい本でした。

   羊飼いの仕事の掟三カ条
  一. 自分自身ではなく、羊と土地のために働くこと。
  二. 「常に勝つことはできない」 と自覚すること。
  三. ただ黙々と働くこと。


 湖水地方といえば、日本ではまずピーターラビットでしょう。その生みの親、ビアトリクス・ポターも羊飼いだったことを今回初めて知りました。私たちが漠然と憧れる、風光明媚な景観はその土地を成すごく一部分でしかないのです。何百年にも渡って定住する土地への帰属意識と、家系(羊の系統)を守り続ける目的意識について。オックスフォード大を出て(ライオット・クラブのメンバーたちほどではないにしろ)望むならばどんな仕事にでも就けたであろう著者は、羊飼いであることへの迷いや屈託は一切ありません。ほとんど神話の一部のような祖父や先祖たちへの畏怖から、現実の厳しさまで。四季の出来事が語られ、最後の最後に、著者は自身の人生について改めて言及します。感動。

 映画の中で、ジョニーとゲオルゲがしていた仕事がほぼそのまま描写されています。牧羊犬だけは映画に登場しなかったのですが、サックスビー家は本当に小さな規模の農場だからなのかな? と思ったり。ゲオルゲが作った子羊のための 「ジャケット」 や、石垣作り、羊の出産を手助けすること、などなど。改めて、羊飼いって本当に大変な仕事だなと思うと同時に、酔っぱらっても毎日毎日早起きして仕事に出ていたジョニー、結構偉いじゃん、と思ったり。父と息子の確執についても、シビアに語られます。

 人間を 「迷える子羊」 と呼ぶなら、羊たちを導く羊飼いは 「神」 に近い存在なのでしょうか。著者が映画 『ゴッズ・オウン・カントリー』 をご覧になったのか、もしそうならどんな感想を持ったのか。とても興味があります。

( 『羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季』 ジェイムズ・リーバンクス:著、 濱野大道:訳
                                     早川書房/ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

テーマ : 海外小説・翻訳本
ジャンル : 小説・文学

2018-08-08 : GOD’S OWN COUNTRY : コメント : 0 : トラックバック : 0
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これぞアメリカ映画!~『ストリート・オブ・ファイヤー』

ストリート・オブ・ファイヤー




 STREETS OF FIRE

 A ROCK&ROLL FABLE
 ANOTHER TIME ANOTHER PLACE...




 ロックシンガー・エレン(ダイアン・レイン)は故郷での凱旋公演の最中、レイブン(ウィレム・デフォー)率いるギャング団に連れ去られる。街を離れていたエレンの元恋人・トム(マイケル・パレ)が呼び戻され、エレンを救出に向かうが・・・。

 1984年公開作品を、デジタルリマスター版リバイバル上映にて鑑賞。当時も劇場鑑賞したので、30年以上ぶりの再見。この映画は自分の原点だな、と感じた。自分の原点を観た気がした。映画って、時をかける。最高。

 実は私、何を隠そう 『リトル・ロマンス』 以来のダイアン・レインウォッチャーなのです。『アウトサイダー』 『ランブルフィッシュ』 で共演していたマット・ディロンのファンでもあったので、この映画の公開時は 「何でマットが相手役じゃないわけ?!」 と怒っていたと思う(笑)。彼女の出演作全てを観ているわけではないけれど、低迷期を経て 『運命の女』 で大復活したときはうれしかったなぁ。ジョシュ・ブローリンと結婚したときもうれしかった(別れたけど)。最近は、『ジャスティス・リーグ』 でのヘンリー・カヴィルの母親役があまりにも老けこんでいて、「ダイアン・レインをもっと綺麗に撮れ!」 ってザック・スナイダーに説教したかった。小一時間。

 サイドを流すエレンの髪型、聖子ちゃんや明菜、アイドルはみんなやっていた。私の好きな色が赤なのも、この映画のダイアン・レインの衣装の刷り込みかもしれない(ちなみにデザインはジョルジオ・アルマーニだとか)。そして何よりも、このトムとエレンの関係性ですよ! 別れても好きな人、唯一無二の相手だとわかっているのに身を引くこと、でも何かあったらI’ll be there. 命懸け。これ! これですよ!! もう、こういう関係性が至高だと刷り込まれてしまっているところがある。全部、この映画のせいだったんだなぁ、と思う。

 マイケル・パレは久々に観たらトム・ハーディみがあって驚いた。役名もトム・コーディって、そっくり(笑)。でも、今ひとつ突き抜け感がないというか、あの前髪ハラリ具合がナルを捨て切れていないところがある気がする。トムハはそういうとこ、無頓着だからな~。ウィレム・デフォーは変わらない歯並びと、素肌に黒のオーバーオールって出で立ちがインパクトあり過ぎで、見たことのない(そしてあまり見たくない)物体になっていた。強烈キャラ・女兵士マッコイ(エイミー・マディガン)のことは忘却の彼方だったけれど、ラストは結局そうなるか、という感じ。マッコイはこれからもずっと、トムに悪態つき続けるんだろうなぁ。彼と一緒にいるために。

 この映画、ラストのライブシーンだけで一億点つけたいくらいなんだけど、スコアをライ・クーダーが手掛けている、っていうのも初めて知る新鮮な驚き。ライ・クーダーといえばもう、ブエナビスタでパリ・テキサスなのに。今思えばすごく贅沢。せっかくだから、ミュージカル映画として改めてデイミアン・チャゼルあたりがリメイクしませんかね? 彼が撮るならトム役はもちろん、ライアン・ゴズリングで! トムのキャラは 『ドライブ』 仕様でお願いしますね。雨の中のキスシーンは 『君に読む物語』 を思い出したし。あ、エドガー・ライトが撮ってくれてもうれしいな(妄想が止まらない)。

 ある日、どこかで語られるロックンロールの寓話。それは時をかけ、いつの時代にも甦る。B級感満載で洗練とはほど遠いかもしれない映画だけれど、そこがいいのです。私にとっては 「これぞアメリカ映画」 な作品。これは映画館で観られてこその 「追体験」 だった。最高オブ最高。This is IT!!

ストリート・オブ・ファイヤー2

ストリート・オブ・ファイヤー3

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( 『ストリート・オブ・ファイヤー』 監督・共同脚本:ウォルター・ヒル/
             主演:マイケル・パレ、ダイアン・レイン、ウィレム・デフォー/1984・USA)

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

2018-08-05 : 映画 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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1分間の人生~『欲望の翼』

欲望の翼



 

 阿飛正傅

 
 DAYS OF BEING WILD



 1960年、香港。サッカー競技場の売り子スー(張曼玉マギー・チャン)は、コーラを買いに来たヨディ(張國榮レスリー・チャン)に声を掛けられる。「名前は?」

 「1960年4月16日、3時1分前。君は僕といた。この1分間を忘れない」

 2018年7月の終わり、20時40分スタートのレイトショー。平成最後の夏、火星大接近の夜に、この作品をやっとやっと、スクリーンで観ることができた。初めてDVDで観たのは一体何年前だろう? 世紀の大天才・王家衛ウォン・カーウァイの長編第二作。レスリーが亡くなり、マギーが引退状態である以外は、キャストは梁朝偉トニー・レオンはじめ劉嘉玲カリーナ・ラウ、劉徳華アンディ・ラウ、「歌神」張學友ジャッキー・チュンと、今も第一線で活躍する面々。彼らの若き姿に、胸がいっぱいになる。

 キャストだけみると超豪華な青春群像劇なのだが、初めて観たときからそういう印象はない。レスリーの存在感が強烈過ぎるため、「脚のない鳥=ヨディの物語」 として記憶に刷り込まれてしまうのだ。ラテン・ミュージックをかけ、白いランニングとトランクスで踊るヨディ=レスリー。30年近く語り継がれているこの場面、芸術の神に愛された自らのナルシシズムを隠そうともせず、ただ音楽に身を任せる彼に、至高とは何か、天賦の才とは何かを感じずにはいられない。

 今回、この物語はヨディの回想なのだな、と初めて気がついた。冒頭、フィリピンの熱帯雨林が車窓に流れる。ラスト近く、今際の際のヨディにタイドは問いかける。 「1960年4月16日、3時1分前を憶えているか?」 「あの女といた」。あの風景は、あの日からの記憶を 「走馬灯のように」 辿っているヨディの目に映る最後の記憶なのだ。

 そして、同じ男を愛した二人の女、スーとミミ。これまで、結婚に憧れを抱く生真面目なスーに圧倒的に感情移入し、ギャーギャーと喚き散らす自己主張の塊のようなミミには嫌悪感があった。しかし、今回はつくづく、カリーナって美しいと思った。均整のとれたスタイルと、アイラインで強調させた目力、それだけじゃない。強く、逞しい女は美しい。惚れた男をどこまでも追い、国境を超える彼女は、どんな場所でも生き抜いてみせるであろう生命力に溢れていてまぶしい。

 つい先日、トニー・レオンがジェット・トーン(ウォン・カーウァイが設立した映画製作会社)との契約を満了し、関係を解消したというニュースに衝撃を受けたばかり。ラストシーンは少し感傷的な気分で観てしまった。超ロマンチストなウォン・カーウァイは、役者に背中で語らせる。影帝トニーと、この涙の大天才とのコラボレーションをまだまだ観てみたかった。

 字幕翻訳が、今年6月に亡くなった寺尾次郎氏だったことも記録しておきたい。合掌。

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( 『欲望の翼』 監督・脚本:王家衛/1990・香港/
               主演:張國榮、張曼玉、劉嘉玲、劉徳華、張學友、梁朝偉)

テーマ : ★おすすめ映画★
ジャンル : 映画

2018-08-03 : 映画 : コメント : 4 : トラックバック : 1
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テーマ : 映画監督
ジャンル : 映画

2018-07-31 : 映画雑談 : コメント : 0 :
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寡黙な人々~『ゴッズ・オウン・カントリー』#3

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 (過去記事) God's Own Country
          ゴッズ・オウン・カントリー
         ゴッズ・オウン・カントリー』#2

 ついこの間まで北イタリアの沼にいたのですが、気がつくとヨークシャーの丘にいました。ここは(人が少なくて)寂しい場所ですが、とても美しいところですよ。皆さん早く来てください。

 この映画、「セリフが少ないから英語字幕でも無問題」 と何処かで読んで海外版BDの購入を決めたのだけれど、実際に観ると 「セリフが少ない」 と言うよりは 「セリフのないシーンが多い」 という印象。英語(ヨークシャー語?)は全く聴き取れず、字幕はあっても単語がわからない(爆)。“ta” や “lad” は割とすぐにわかったのだけれど、“summat” がわからなかった・・・。最後の最後に 「・・・はっ! これは “some” では??」 と気付いたのだけど、“something” ですね多分。ゲオルゲのしゃべる言葉だけは聴き取れたよ~、ありがとうゲオ。

 そしてセリフだけでなく、登場人物もとても少ない(余計なお世話だが、予算もスタッフもとても少なかったのだろうと思う)。ジョニーとゲオルゲ、ジョニーの父と祖母(あと牛と羊)。父はとても厳しく、一人息子のジョニーに 「どうしてそこまで?」 と思うほどの冷たい視線を向ける。祖母も、確か一度も笑顔を見せない。その代わり、彼女が涙する場面はとても印象的で、胸を打つ。

 あの涙は 「息子に先立たれるかもしれない」 という恐怖や不安が流させたのだろうけれど、それだけじゃない。もう少し、いくつかの成分が含まれていたと思う。田舎での生活、農夫の妻として生きてきた自分の人生、去って行った息子の妻、母のいない孫息子。そして彼が見つけた恋。彼女は毎日毎日アイロンをかけながら、何を思っていたのだろう? 長い間蓋をしてきた様々な思いがあのとき溢れて、感極まったのだろうと思う。

 父も祖母も、ジョニーに対し決して愛情がないわけではない。ジョニーが山から戻ったとき、父は窓辺に置いた椅子に腰かけ居眠りをしていた。息子のことを案じ、ずっと外を見ながらバイクのエンジン音が聴こえるのを待っていたんだな、と思った。片やニコリともせずに、ジョニーに大切な大切なメモの切れ端を渡すおばあちゃん。きっとふたりとも人間関係に不器用で、口下手なんだろうな。そしてその性格は見事に、ジョニーにも受け継がれている。

 ジョニー、いつもはほとんどしゃべらないのに、ゲオルゲに思いを伝えようと、本当に頑張ったね。あれほど必死に、切実に言葉を探して。迷子の子どもみたいで、胸が締め付けられる。ゲオルゲも、きっと君を待っていたんだと思うよ。そうだよね、ゲオ?

テーマ : ★おすすめ映画★
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2018-07-29 : GOD’S OWN COUNTRY : コメント : 0 :
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自由と解放~『ゴッズ・オウン・カントリー』#2

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 (過去記事) God's Own Country
         ゴッズ・オウン・カントリー

 この映画を何日か観ないと落ち着かず、もう何度観ただろう。そして毎回、終盤は 「ジョニー、頑張って!!」 という気持ちになり、涙、涙で観終わる。エンディングに使われたパトリック・ウルフの 「The Days」 が頭を離れない。スローでメロウな曲調と、まるでこの映画のために書き下ろしたような歌詞。本当に素晴らしい作品だと思う。

 日本でも一般公開してほしい。しかしただそう願って、手をこまねいているだけではダメだと思った。一般人でも、SNSで自由に意見表明することができるこの時代。インターネットという窓は、全世界に開かれているのだ! 何か行動しなければ・・・。そこでいくつかの配給会社のHPに 「ご要望」 を送ることにした。

 この映画の凄いところ、全く新しいこの時代の映画だと感心させられるのは、物語のどこにも同性愛に対するフォビアがないこと。主人公のふたり、ジョニーとゲオルゲに同性愛者であることに対する屈託は全くないし、父も祖母も、ジョニーの恋心を極当たり前の感情として受け止めている(アレを発見して、黙ってトイレに流すおばあちゃん・・・さすがに詰まるよ! と思ったが)。私も、この映画をLoveStoryとして、何の違和感も持たずに観ている。主人公ふたりの会話の中には 「結婚」 という言葉も出てきて、同性婚が法的に認められた英国の、2010年代の映画であることを実感する。同時に 「よそ者」 に対する差別はあからさまに描かれ、現代の排他的な世相を表してもいる。

 反抗期の中学生並みに尖りまくっていたジョニー。おばあちゃんが(山へ行くのに)用意してくれた上着と手袋を放り投げる様は、気になる子の前でイキがる小学生のよう。そんな彼が恋をして、その幼さを残したまま柔和な顔つきに変わってゆく過程は、何度観ても感動しかない。頑なにキスを拒んでいたのに、おばあちゃんを追い出してゲオルゲの首に自ら抱きつき、キスをするジョニーはかわい過ぎて愛おしくて泣きたくなる。役者って、本当にすごい! 役の感情を生きて、それを過不足なく表現して、観る者を感動させるのだから。

 返事を下さった配給会社の方々、ありがとうございました。公開されるかどうかはまだわからないけれど、改めてお願いしたい。ゲオルゲがジョニーに見せてあげた、あの丘の上の風景を大きなスクリーンで観たいのです。彼らが聴いた風の歌を、私も聴いてみたいのです。自分が住む母が捨てた土地を、ジョニーはどうしても肯定的に捉える事ができなかったのだと思う。しかしあの朝、そこは美しく祝福された場所であると理解し、彼は自らを解放した。そして改めて、あの土地で生きることを選択したのだと思う。これもひとつの 「自由と解放」 の物語なのだ。

テーマ : 何回も見たくなる映画
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2018-07-28 : GOD’S OWN COUNTRY : コメント : 0 :
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ガンちゃん。。。(物言えば唇寒し)

 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』 (以下GOTG)シリーズの監督・脚本を手掛けていたジェームズ・ガンが、ディズニーから電撃的に解雇された。

 ネットを駆け巡ったこのニュースに、私も呆然。そしてその原因が、彼が10年以上前にTwitterに投稿した 「不適切な」 ツイートと知り、なんとも言えない気分になった。

 正直、私はジェームズ・ガンと 「気が合う」 とすら思っていた。GOTGの一作目、ファーストシーンで流れるのは10ccの 「I’m not in love」。もうそれだけで十分過ぎる。フットルースネタに大笑いし、文句なしに楽しい “awesome” なあの映画が大好きだった。そしてVol.2では、ELOの 「Mr.BlueSky」 に乗ってベイビー・グルートが踊りまくるファーストシークエンスに 「最高! サイコーーー!!」 と叫び出さんばかりだった。Vol.3も脚本は完成したと聞いていたのに・・・。スターロード!! 

 ジェームズ・ガンが監督しないガーディアンズが、今は想像できない。しかし、きっと何事もなかったようにそれは別の監督で撮られ、何事もなかったように公開され、そして結局、何事もなかったように私も観るのだろう。またそれが悲しくもある。

 彼がしたことは許されることではないのだろうし、許すべきではないのかもしれない。彼は自らの過ちを認め、謝罪し、罰(解雇)を受け入れると表明した。潔く、この日が来ることを予期していたかのように。ファンが解雇撤回を求めて署名活動を始めたようだけれど、今は署名する気にはなれない。今はただただ、残念で堪らない。

 結局、良かれ悪しかれ、自分のしたことは必ず自分に返って来る、ということなのだろうか。因果応報。クリプラやゾーイ・サルダナのツイートを読んで、ちょっとだけ泣いてしまった。

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テーマ : 映画監督
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2018-07-24 : 映画雑談 : コメント : 2 :
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