噛めば噛むほど~『するめ映画館』
するめ映画観

 「まぁ、基本的に映画は一人で観るものだから」 by 吉本由美

 スタイリストでありライターである吉本由美氏をホステスに、ゲストとの対談、
鼎談
で語り尽くす、古今東西の「するめ映画」。この「するめ映画」とは、噛め
ば噛むほど(個人的に)味の出る映画
のこと。大作、名作、ヒット作は「お呼び
じゃない」
んだそうです。ゲストがそれぞれの思い入れある「私のするめ映画」
を紹介する第一部と、「するめ映画連続上映」と称し、ノワール、ミュージカル
などのテーマ別に映画を語る第二部から成る。

 和田誠、村上春樹、リリー・フランキーなどなど、ゲストが凄い面子です。特
に、和田誠と村上春樹の映画オタクぶりが凄まじい。春樹さんがシネフィル
あることは存じていましたが、ここまでとは思わなかった。春樹さんが語るのは
私が全く知らない映画がほとんどで、まさに「あなたの知らない世界」という感じ。
春樹さんと和田さんの頭の中には、IMDBがそのまま入ってるんじゃないかと思
えるほどです。

 この本の一番面白いところは、吉本さんの春樹さんに対する「タメ口、(やや)
上から目線、突っ込み」
ぶり。吉本さんは春樹さんと同世代で、都築響一さんと
三人で「東京するめクラブ」という不定期ユニットを結成している仲。そのせいか、
世界的文豪に対して、いいの、この物言い?と感じるところが多々あり、かなり
笑える。

 そして、読んでいてやっぱり「私のするめ映画」を考えてしまうのは映画好き
の性
ですかね。う~ん、オールタイムベストとはまた違う、観れば観るほど味の
出る映画・・・。アキ・カウリスマキ『浮き雲』なんかどうでしょう? 名作なんだ
けどね。

 ( 『するめ映画館』 吉本由美・著/文藝春秋・2010)
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[2010/12/21 00:00] | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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