蔑視と嫌悪の法則~『女ぎらい ニッポンのミソジニー』
女ぎらい

 ミソジニー「女性嫌悪」 「女ぎらい」 「女性蔑視」 と訳される。性別二元
の元では、この言葉から逃れられるものはいない、と著者は言う。

 東大大学院教授にして、日本一過激(?)なフェミニストの論客、社会学者・
上野千鶴子
氏の最新作。「非モテ」から児童性虐待、皇室、春画、東電OL
で、縦横無尽に語り尽くす、現代社会の核心。難解な言葉を用いることなく、
立て板に水、の潔い語り口。フェミニズム論やジェンダー論、社会学に疎い私
のような読者にも、非常に分かり易く、すとん、と腑に落ちる一冊だった。「女
でなくてよかった~」
、と思ったことのある男性、「女に生まれて損した~」、と
思ったことのある女性、佐野洋子さんのシズコさんした女性は必読
著者は「あとがき」において、本書を「不愉快な本」だとおっしゃるけれど、決
して「読んで気分が悪くなる」ような本ではありません。

 吉行淳之介からイ・ビョンホンまで、俎上にのせられた有名人は数知れず。
とにかく盛りだくさんな本ではあるけれど、一番インパクトが強いのはやはり、
ホモソーシャル(性的でない男同士の絆)、ホモフォビア(同性愛嫌悪)、ミソ
ジニー
について論じた項。「男であること」、「男になること」、そして女を「女に
する」こと
。これらの果てない乖離に目眩を覚えながらも、著者の「揺るぎな
さ」
に身震いしてしまう。やっぱり必読の一冊です。

 ( 『女ぎらい ニッポンのミソジニー』 上野千鶴子・著/紀伊国屋書店・2010)
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[2010/12/13 08:55] | 読書 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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コメント
真紅さま こんにちは♪
わーい!上野千鶴子先生の本だわっ。
私も千鶴子先生が出す本はなんでも「気になる気になる」状態になります。(他には小倉千加子先生もいます(^^ゞ)。かねてから吉行淳之介については「誰かコイツについて一発言ってやってくれ~」と思っていて、それというのも新潮社から出ている『男が惚れる男 吉行淳之介伝』という本を読んで以来、吉行淳之介が大大嫌いになったので(←本当に男に都合がいい生き方だけをした奴でして:笑)、千鶴子先生が吉行をまな板にのせてくださるのでしたらぶつ切りでも千切りでもしちゃってくださいという思いでした。「読んで気分が悪くなるような本ではありません」と真紅さんが言ってくださって嬉しいですe-419
すみません。このようなコメントで(^_^;)。
続きまして、もう一冊のところにもおじゃまいたします。
[2010/12/13 21:07] URL | メグ #OSjUVFqk [ 編集 ]
メグさん、こんばんは。コメントありがつございます。
上野千鶴子さんの本、私はまだ2冊くらいしか読んでないんですよ。
話題になった『おひとりさま~』も未読です。
でも、上野先生ってお綺麗ですよね。。ショートがお似合いで。
吉行淳之介って私はほとんど読んだことないのですが。。かなり批判されておりましたよ。
読み易いようで、内容を咀嚼するのに時間がかかった本でした。
でもオススメですよ、ホントに。
[2010/12/13 23:00] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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