美味しい小説~『スープ・オペラ』

35歳・独身のルイは、還暦間近の叔母・トバちゃんと二人暮らし。ある日トバ
ちゃんが恋に落ち、家を出て行ってしまった・・・。ひとりぼっちになったルイの
もとに、二人の男性が現れる。
映画『スープ・オペラ』の原作小説。阿川佐和子氏の書いたものは、エッセイ
も含めて初めて読んだ。テレビ番組の司会や雑誌対談のホステスとしてはお
馴染みだったけれど、こんなにも面白い小説を書く人だったなんて・・・。映画
の世界観も大好きだったけれど、小説は映画以上に素敵。映画とキャラクター
は少しづつ違ったりもするのだけど、登場人物の一人一人が、活き活きして、
愛おしくて。。早く読みたいんだけど読み終わるのがイヤで、ゆっくりゆっくり、
読み進んだ。最後には、ルイが自分の大切な大切な親友のような気がして、
ぽろぽろ涙が出た。奈々子のセリフにも共感。
実は、あの小さな映画が私にもたらした影響は結構、大きいのです! 映画
を観て以来、夕食には必ずスープを一品、作るようにしているのだ。ルイみたい
に鶏ガラを煮込んで、というわけではなく、コンソメのキューブや顆粒を使った手
抜きですけど、お野菜たっぷり入れてね。身体によさそうでしょ?
この小説を読んで、「映画にしたい!」って思って、走り出してくれた方に、心
から感謝したい。そして出来上がった映画が、原作の雰囲気を大切に作られた、
地味だけど温かい作品であったことが、何よりうれしい。

( 『スープ・オペラ』 阿川佐和子・著/新潮社・2008)
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雑誌で読んだ阿川佐和子さんのスープのエッセイがあんまり美味しそうだったんで、小説「スープ・オペラ」を読んでみました。
ルイは小さいころ母親に死に別れ、母の妹・トバちゃん(とうこおばちゃん)に育てられる。
あるときトバちゃんが年下の医者と恋に落ち、家を...
2011-06-15 00:20 :
日々の書付
「阿川佐和子」の長篇小説『スープ・オペラ』を読みました。
[スープ・オペラ]
『ウメ子』に続き「阿川佐和子」作品です。
-----story-------------
独身女性と男性二人。
一つ屋根の下で繰り広げられる三つの心とスープの行方――。
とびきりキュートな物語。
「ルイ」。独身。35歳。
女手ひとつで育ててくれた叔母さんが、還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。
一人残された「ルイ...
2019-10-23 20:20 :
じゅうのblog
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真紅さんへ
私も阿川佐和子さんの小説ははじめて読んだのですが、こんな面白い本を書く人だったとは知りませんでした。
阿川さんの食の描写がすごくおいしそうだったので、今はエッセイ「残るは食欲」を読んでいます。
そのエッセイによると、トニーさんのモデルになった男性がいるのだそうです。
私も阿川佐和子さんの小説ははじめて読んだのですが、こんな面白い本を書く人だったとは知りませんでした。
阿川さんの食の描写がすごくおいしそうだったので、今はエッセイ「残るは食欲」を読んでいます。
そのエッセイによると、トニーさんのモデルになった男性がいるのだそうです。
日月さん、こんばんは! コメント&TBありがとうございます。
私、この小説(と映画)大好きなんですよ。。だから立ち寄っていただけてとってもうれしいです♪
『残るは食欲』ってすんごいタイトルですね(笑)。面白そう~。
そしてそして、なな、なんとトニーさんのモデルさんがいるですと!!
それは読んでみないとですね。。情報ありがとうございました♪
私、この小説(と映画)大好きなんですよ。。だから立ち寄っていただけてとってもうれしいです♪
『残るは食欲』ってすんごいタイトルですね(笑)。面白そう~。
そしてそして、なな、なんとトニーさんのモデルさんがいるですと!!
それは読んでみないとですね。。情報ありがとうございました♪