宙(ソラ)の名前~『藍色宇宙 藍宇・メイキング MAKING BLUE』
藍色宇宙2

 「メイキングは必見」 「本編とメイキングで一つの作品」 という多くのレビュー
を読んで、どうしても観たかった映画藍宇メイキング・フィルム胡軍、劉
インタビューも併せて、なるほど、これは「必見」。本編以上に詩的な、一つの
「作品」と言えるかもしれない。

 胡軍と劉、この二人の「相性」は全く持って完璧。最早私の中では「ニコイチ」
になってしまっているかも。元々私は「のっぽ好き」であるので(照)、二人の身長
185cm、というだけでもう眼福、眼福。。

 ラストシーンに流れる主題歌『你怎麼捨得我難過』を、劉がささやくように歌
う。。心が震えます。一番好きなシーンかも。これ、自分も絶対カラオケで歌い
たい! って思った。最初は「情緒的過ぎる」と思ってしまったメロディなのに、今
じゃ頭の中で無限ループしてる有様。

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 『藍宇』を観たいと思ったのもBBMがきっかけだし、『藍宇』BBM関連を指摘
する意見も多い。どちらも「ゲイが主人公のラブ・ストーリー」傑作ではあるけれ
ど、私は『藍宇』を観ている間、正直BBMのことは全く思い出さなかった。と言うか、
私が思い出していたのは他の映画だった。ブエノスアイレス

ブエノスアイレス

 『ブエノ』にも、『摂氏零度』という有名な(有名過ぎる?)メイキングがある。

 実は映画冒頭、プールバーで遊ぶサングラス姿の捍東を見て「王家衛みたい」
と思ってしまったのだ。郷哥ホテルの部屋でクローゼットを開ける捍東が、角度
によってはレスリーに似ても見えた。胡軍によると、一番最初に撮影したのは
劉との「初夜」だったという。「一番困難なシーンから入る」という監督の意図
だったらしいが、これもあのショッキングなベッドシーンから撮影に入ったという
『ブエノ』を思い出させる。劉の白ブリーフも、、、ミナマデイウナ
 そして、『ブエノ』もまた、エンディングに流れるフランク・ザッパを最初は唐突
に感じたものだった。しかし今では、「あれ以外にはない」と思っている。

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 天安門事件の夜の撮影も、真冬に行われたんだな。胡軍の吐く息が白い。しか
も彼はアンダーシャツ一枚! 過酷な撮影の合間の、二人の笑顔が眩しい。

 プールバーのホールの向こうに、本当に藍宇は立っていたんだ。所在無げに
底知れぬ自らの魅力にも気づかないままに。藍宇「一目惚れ」だった捍東
藍宇--「なんてセクシーな名前なんだ」。結局、この果てない謎と光と闇を内包
した「藍(色)宇(宙)」という名前、これこそが全てなのかもしれない。

 彼に魅せられた者たちが彷徨う、藍色の宇宙。果てなき果てを探し求めて、もう
戻っては来られないのかもしれない。でも、私はそれでもいいかな。行かない? 
一緒に。
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[2010/11/07 00:00] | 藍宇熱 | トラックバック(2) | コメント(6) |
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コメント
真紅様の『藍色宇宙』のレヴュー、愉しみにしていました。
ありがとうございます。またしても素敵すぎるタイトル……。

私は「吉井和哉」というミュージシャンにもう長いこと取り憑かれてしまっています。彼が2007年に『Hummingbird in Forest of Space』というタイトルのアルバムをリリースしてからしばらく、「森」と「宇宙」について考える時期が続いていました。そして吉井が「宇宙一周旅行」と題した全国ツアーを敢行した、その直前の2009年5月。

この「宇宙」に出逢ってしまいました。

やはりこれも「運命」の為せる業かと思います(笑)。


自らの魅力と磁力に無邪気なほど無自覚な(無自覚であるからこそ大変に魅力的な)藍宇と同様に、『藍色宇宙』も一筋縄ではゆかないフィルムで、「メイキング」という凡庸な名で呼ぶのがいまとなってはもう、かなり躊躇われます。
本編を理解・補完する手引きとしての「おまけ」ではなく、鏡を媒介にして繋がれる、独立したふたつの世界。
それが『藍宇』と『藍色宇宙』かと思っています。

その世界を繋ぐ道を探って、終わりの無い彷徨を繰り返すうち、關錦鵬の『阮玲玉』という作品を今年1月に観まして。『藍宇』と『藍色宇宙』を合体させればこうもなるだろう──というか、『阮玲玉』をふたつに割いたかたちが『藍宇』と『藍色宇宙』なのかも、と思いました。
關錦鵬というクリエイターが物語を紡ぐ手法は、やはり自分の生理にすごくぴったりくるようです。機会がございましたら、『阮玲玉』もぜひぜひご覧くださいませ。
(『藍色宇宙』そのものの感想文では無くて恐縮ですが、トラックバックさせていただきました)
[2010/11/07 11:44] URL | レッド #dTuPVub2 [ 編集 ]
レッドさん、こんばんは! コメント&TBありがとうございます。
こちらのタイトルはですね、林完次さんの同名タイトルの写真集からいただきました。
私ってそんなんばっかりなんですけど(笑)、まぁシロウトの最果てブログですから許していただけるだろう、と^^

吉井和哉さん、イエモンのボーカルだった方ですね。
「かっこいい」と思ってました。友だちが大ファンでした(今もかな?)。
運命は宿命であり必然となり。。私もどうして今この時期、この宇宙に飛び出してしまったのだろうと考えてしまいますね。
今まで2度ほどドラマなり映画なりに耽溺してしまい、ほぼ「廃人」になったことがあります。
だから、今回これでも必死で自制しているんですよ、、しかし、家の中はほぼ物置状態です(苦笑)。

確かに、この『藍色宇宙』は「メイキング」と言ってしまうには完成され過ぎている「作品」ですね。
監督、どうしてこのシーンを本編に入れなかったの?? と観ながら思い続けてしまいます。
独立した二つの世界、、確かに。

關錦鵬の作品は、自分の記憶が確かならば『藍宇』が初でした。
『阮玲玉』という映画は知りませんでした、、どんな映画なんだろう??
実は今、りうくんの未見の映画をDVDで探して観始めています。
感想がなかなか追いつかないのですが、、ぼちぼちアップできたらな、と思っています。
というか、その前に掃除しろって話ですね(笑)。。
後ほど伺います!
[2010/11/07 22:11] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さ~~~ん♪
今、見たところ!!
で、本元の感想も拝見したけど、こちらにコメントまとめて書かせてね。
いやぁ~~何がびっくりって、私も真紅さんと同じ事思って見てたんだわ@@ って事に!!
ブエノスアイレスとか、なにか、こう・・・ウォンカーワイっぽい映像だな~ってあちこちで感じたの!! そうそう、鏡に映る・・とか窓ガラスの使い方とか、ドアの閉まる感じとか、色合いとか、あちこち~~。そういや白ブリーフや白タンクトップもあったよね。

このメイキングも、ブエノス~の方のメイキングも未見なのだけれど、さすが真紅さん!!好きになったら、マニアックというか、なんというか(もちろん褒めてるのよ^^) 本当にお詳しい!

で、映画は良かったわ~。でも、私は、ものすごいはまるって程ではなかったけれども、純愛よね~切ないよね~~。ゲイとかそういうのを越えた「愛」ものだったわん☆

PS リウ・イエ君、子犬の様な・・って表現が凄くはまる役者さんだよね。私は無意識なんだけど、なぜか偶然、彼の出てる映画を一杯見て来ちゃってるのね。そのせいで、凄く親近感がある人なの。それなのにもかかわらず、本作は今まで見てなかったんだ。
今更になって、これを見て、なんか衝撃よぉ~~。
フージュンさんだっけ?彼も素敵だね~~。レッドクリフの時も、なんかカッコイイ人だわ・・って思ってたけど(^^ゞ

2人ともそれぞれ素敵だったからこそ、この映画に引き込まれて見る事が出来たんだわ、って思ったわ。もちろん、お話も凄く切なくて、とても良かったし、映像美も素敵だったよね。それじゃ、またね~~^0^
[2010/11/30 11:10] URL | latifa #SFo5/nok [ 編集 ]
latifaさん、こんばんは~~♪ コメント&TBありがとう!!
わーいわーい、観てくれたのね? うれしいな~♪
そうそう、やっぱりブエノ思い出すよね? 私あの映画大好きなんだけど、本編のDVD持ってないんだ。。
メイキングのは持ってるんだけどね。。あと、民放録画のDVDはあるんだけど。
だから、また観たい~って思っているところ。
DVD再発して欲しいと思ってるんだけどね~。

で、「マニアック」に爆笑。わはは!
いや~、私なんてまだまだよ~。この映画愛してらっしゃる方、本当に多いんだよね~。
最近忙しくて観てないんだけど、何度でも繰り返して観たい映画よ!←ってなんかお○ぎみたいな言い方だけど(爆)
私思うんだけど、男女の恋愛より、同性同士の恋愛の方がピュアな気がするんだよね。。
それはやっぱり、いろんな困難を乗り越えて愛し合うわけだから、思いが強く純粋じゃないと続かないからだと思うんだけど。。

りうくんのDVDも観てるんだけど、なかなか感想書く時間が取れず~。。
ホントホント、「仔犬のような瞳」って昔はトニー・レオンの代名詞だったもんだけどね。
この作品での彼の演技は、半端なく凄いと思う。いや、これは演技じゃなかったのかも?←妄想(爆)
台湾金馬奨受賞してるんだけど、彼のベストアクトだと思うわ~。
胡軍様は、なかなか出演作のDVDが見つけられなくてね~。
でも、来年は出演作が劇場公開されそうなんで、期待してるのよ♪
背が高くてハンパなくスタイルがよくて、もう、素敵過ぎる!!
ああ~、なんか久々に藍宇について語れて、なんかうれしいわ~。ありがと~。
[2010/11/30 20:05] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
二度目のトラックバック失礼します。

クランクアップ10年目の今日、漸くこの作品の感想文を上げることができました。
が、思ったとおり玉砕しました(笑)。

客観的ないち作品としてこれをレビューするということが自分には如何に困難か、ということだけはしっかり思い知りました。

>本当に藍宇は立っていたんだ。所在無げに。

捍東だけが見ていたこのときの藍宇の姿をフィルムにとどめてしまう、そしてそれを観客に見せてしまう、という点が、個人的に『藍色宇宙』のなかでもっともはっとさせられるところでした。
本当に居るわきゃ無いのに、
「あ。本当に居たんだ」
と、なまなましく錯覚してしまう。
その錯覚から、新たな宇宙が始まるような気がします。やっぱり私も還れそうにありません(笑)。
[2011/02/10 23:51] URL | レッド #dTuPVub2 [ 編集 ]
レッドさん、こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
『藍色宇宙』に関しては初記事なのですね。。うれしいです。

「言葉にできること」が全てではないと思っています。
私も想いを上手く表現できなくていつももどかしく思っているわけですが、その「言葉にできない想い」こそを大切にしたいとも思います。
思い続ける、ってなかなかできないことですよね。日々。

私も、あのバーの向こうに藍宇が本当に立っていたんだ、、ということがわかってどんなにうれしかったか。。
(私も既に実在の人物化していますが、笑)
久しぶりに、あの底知れぬ魔力をたたえた黒い瞳に逢いたくなりました。
後ほど伺いますね。
[2011/02/11 10:43] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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