永遠に、清く楽しく美しい~『原宿百景』

雑誌『SWITCH』連載の、小泉今日子によるフォトエッセイ集。原宿近辺を背景
に撮り下ろされた写真と、「まだ何ものでもなかった」頃の思い出を綴ったエッセイ、
ゲスト達との対談で構成されている。私は彼女とそのまんま同世代なので、トシ
ちゃんとかタイマンとか不良とか、同じキーワードを共有している。男の子たちは、
み~んなキョンキョンに夢中だったなぁ。。青いバスタオルを巻いた霧ヶ峰のCM
や、魚拓ならぬ人拓とか。懐かしい。
この本を読むと、小泉今日子はアイドル時代から、メインストリームとサブカル
の間に位置する「触媒」であり続けていることがよくわかる。生まれ持った容姿や
オーラは「何てったってアイドル」に違いないけれど、彼女の内面は複雑でいつ
も揺らいでいて、その瞳は驚くほど昏い。末っ子なのに何故か姉御肌な理由も、
生い立ちを巡るエッセイを読めば合点がいく。
将来は、故・沢村貞子さんのように文筆業に専念したいと語っていたキョンキ
ョン。きっとそうなるだろうし、私はずっと、彼女の愛読者でいるだろうと思う。
( 『原宿百景』 小泉今日子・著/スイッチパブリッシング・2010)
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