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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅 (言葉を探す人)   ★劇場鑑賞した映画は Instagram にアップしています @ruby_red66 ★Stay Blue

僕が僕であるために~『カラフル』

カラフル

 黄泉の国への入り口で「プラプラ」と名乗る少年に呼び止められた「僕」。抽選
により、輪廻のサイクルへの再挑戦が認められたのだという。それは小林真とい
瀕死の中学生の魂に入り込み、「ホームステイ」して自らの犯した罪を思い出す
と言う修行だった。

 森絵都の小説を原作とする、原恵一監督によるアニメ映画。原恵一と言えば、
『河童のクゥと夏休み』の監督・脚本を担当した方。あの作品は自宅鑑賞だった
のだけれど、本当にいい映画に画面の大きさなんか関係ない、とつくづく思わせ
てくれた名作だった。そして期待通り、本作も胸にグッとくる映画でした。ハンカ
チ必須。中学生以上は必見
です。

 「小林くんは、いつも一番深いところを見つめていた。この世界の悲しみの
  全てを受け止めていた」


カラフル2

 いじめや背が低いことへのコンプレックスに悩み、母の不倫現場を目撃したこ
とで衝動的に自殺してしまった真。もう一度人生を生き直すことで、彼は「人生
は明日があるだけで素晴らしい」
という、当たり前過ぎてなかなか気付けない、
大切なことを学んでゆく。学校の行き帰りや昼休み、挨拶したり、誰かと肩を並
べて歩けるだけで、心が震えるほどうれしいと感じる真。ずっと、ずーーーっと、
君は寂しかったんだね。そんな真には、コンビニの前で友だちと食べる肉まん
とフライドチキンが、何ものにも代え難い御馳走になるのだ。
 最後にプラプラは正体を明かすけれど、ラストシーン、真の「初めての友だち」
早乙女くん
こそが、真の守護天使なんじゃないかと思った。

 「生きてるよ、ちゃんと」

 声優さんも皆いい仕事をしていたと思う。真の両親、麻生久美子さんと高橋克
さんはさすがにすぐわかった! そして驚いたのは真をずっと見ていたメガネ
少女(大木凡人似)・佐野唱子
。なんと、宮崎あおいちゃんだったとは・・・。全然
わからなかった。彼女、やっぱり巧い女優さんなんですね。そしてこれは『クゥ』
でも感じたことなのだけれど、唯一の難は絵がかわいくないこと! これは好み
ですから仕方ないですね。

カラフル3

 どんなに孤独であろうと、人は決して一人で生きているわけではない。誰かに
支えられて、誰かの支えになって生きているんだ
。中学時代って、なんだかいろ
いろあって難しいけど、誰もが通る道だから。エンディングテーマもよかったけれ
ど、何故か私の頭の中ではミスチルの『彩り』が回っているのだった。

 ( 『カラフル』 監督:原恵一/2010・日本)
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ジャンル : 映画

2010-09-01 : 映画 : コメント : 13 : トラックバック : 20
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非公開コメント

真紅さま
〈絵がかわいくない〉のは残念ですね
アニメの大きな部分を占めますものね
でも内容は魅力ある作品に仕上っていそうで
興味が湧きました
私は宮崎アニメより好きかもしれません
いまは映画館にあまりいけませんから
DVDが出たら観てみたいと思います!
2010-09-01 09:19 : Maria URL : 編集
やっぱり今年の邦画ベスト1になりそうです
真紅さん、おはようございます。
この作品ちょっと地味目に公開中ですが本当に良作ですよね~!
>早乙女くんこそが、真の守護天使
本当にその通りですね。
クラスメート全員が自分の敵と思っていても心を開いてみたら絶対に理解しあえる人物はいる。
真がそれを知らずにあのまま死んでしまわなくて本当に良かった。
2人で1日玉電の廃線跡めぐりをするエピソードは素晴らしかったですね。
声優陣もそれぞれナイスでした。
宮崎あおいちゃんがうまいのは言わずもがな・・・ですね。
確かに佐野さん大木凡人はいってました。(笑)
2010-09-01 09:29 : sabunori URL : 編集
主題歌は
ミスチル「彩り」がピッタリですよね!

早乙女くんの存在に泣けたぁ~

まっすぐなメッセージが響く良い映画でした。
2010-09-01 10:08 : AKIRA URL : 編集
Mariaさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうなんですよ、でも絵は好みですから。。
私も『クゥ』のときはなかなか映画館に行く時間が取れず、やむなく自宅鑑賞になりましたがとても感動しました。
だからこの作品も、ご自宅で鑑賞されてもきっと大丈夫だと思いますよ。
是非是非ご覧くださいませ~♪
2010-09-01 17:10 : 真紅 URL : 編集
sabunoriさん、こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
この映画、sabunoriさんの記事を見かけなかったら観逃していたと思います。ありがとうございます!
早乙女くんのやさしさに感動しました。きっと一番後ろの席から、ずっと真を気にしてくれていたんだろうな、と。
学校って、ある意味自分を殺してみんなに合わせないといけない場所なんですよね。
でも、校外だったら意外とみんな違う顔を持っているものなんだと思います。
真が早乙女くんと、教室以外での時間を共有できてよかったと思いました。
佐野さん、、彼女は強いですね。佐野さんにも守護天使がいてくれたらいいなと思いました。
2010-09-01 17:17 : 真紅 URL : 編集
AKIRAさん、こんにちは! コメント&TBありがとうございます。
♪僕のモノクロの毎日に~~♪ ですよね^^
早乙女くん、ホント善い人でしたね~。
良作だったと私も思います。
2010-09-01 17:19 : 真紅 URL : 編集
真紅さん~、これ原作を少し前に読んだんだ。
映画版はどんな感じなのかな・・・って気になっていたんだ。なかなか良かったみたいだね(^▽^)クゥも良かったもんね。絵は確かに・・・・うん・・。

私は原作で、援●してる女子(自分のこと、やたら名前で呼ぶ)が苦手でね・・・その子は映画ではどんな風になってるのかな・・。
内容はとても良かったと思うし、特に真紅さんがツボだった部分は私が本を読んでジーンと来た部分だったよ。
ただ、なにも援●してるキャラがいなくても・・・って思っちゃったんだけどね(^^ゞ

スパムになっちゃったので、黒●で隠したよ。
2010-09-02 08:44 : latifa URL : 編集
こんにちは♪
私もこれ原作を読んだわ。
子どもは感想文も書いたし・・。
メッセージ性のある作品なので思春期の子どもにも見せたいよね。
そうなのね・・絵は好みが分かれるのね?
尾崎さんのカバーが流れるようなので
ちょっとみてみたいな・・
でもDVDかな・・・
2010-09-02 14:42 : みみこ URL : 編集
latifaさん、こんにちは。コメントありがとうございます~。
うん、これなかなか良かったですよ。もう、泣けて泣けて。。
私は原作を読んでいないから先入観なくすっと観られたし。

映画の中では「サポートしてくれてる」って言い方してましたわ。
で、その子は南明奈が声を演じてたんだけど、結構重要な役回りだったよ。
八方美人なんだけど憎めない子、っていうキャラ設定で、彼女に真が言うセリフもすっごくよかったな~。
真の成長を表わしてるセリフだった。人間にはいろんな面があって、それを丸ごと受け入れよう、みたいな。。
機会があったら観てみてね~。
2010-09-02 21:45 : 真紅 URL : 編集
みみこさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
これ児童文学が原作なんですよね。私も原作読んでみたいと思いました。
お子さん、凄いな~。うちの子、もう一生読書感想文から逃げ回る気みたい^^;
絵はね、すっごい写実的な描写もあり、でも人物がちょっとかわいくないと言うか・・・。
まぁ、これは好みですが。
お子さんとご一緒に、是非DVDででも鑑賞してみて下さいね~。
あ、歌もいろいろ流れますが、とってもよかったですよ♪
2010-09-02 21:50 : 真紅 URL : 編集
真紅さん、こんにちは。
あわっ・・・上に自分のコメントが==

いやぁ~~良かったです。
本よりも感動しちゃったかも。
見たのは1ヶ月くらいまえに、旦那とだったんだけどね。
後半は、泣けちゃった~~。
あと、あおいちゃんは、やっぱりすごいね!
2011-08-04 10:18 : latifa URL : 編集
latifaさん、こんにちは~。コメントありがとう!
この映画のこと、私今でも時々思い出すんだよね。。いい映画だったなぁ~って。
ダンナさまも感動してはったかしらん。
あ、原作はまだ読んでないなぁ。
あおいちゃん、今何かと話題だけど(汗)、やっぱり巧い女優さんだなって再認識しますよね。
好きじゃ、ないんだけどね。。ハハハ
2011-08-04 20:34 : 真紅 URL : 編集
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2011-08-05 10:39 : : 編集
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