人生の選択とは~『私という運命について』
私という運命について









 all about my destiny


 大手メーカーに勤務する冬木亜紀は、男女雇用機会均等法第一期生のキャリ
アウーマン
。同じ会社に勤める元恋人のは亜紀の後輩と婚約し、亜紀はその
結婚披露宴に招待されていた。

 一人の自立した女性の、29歳から40歳までを描いた長編小説。恋愛、結婚、
離婚、別離、再会、出産、死別
。誰もが直面する人生の節目を通じて、女性に
とっての運命、または人生の選択とは何なのか、幸福とは如何にしてもたらさ
れるものなのか
を問いかける。

 久々に、大泣きしながら一気に読みました。この小説の何がいいって、タイ
トルが素晴らしい
ですね。人生に悩むアラサー、アラフォー、オバフォー女性
は、必読ではないでしょうか。

 白石一文さんの著書を読むのは二作目。直木賞を受賞したほかならぬ人へ
もよかったけれど、個人的には本作の方がさらに好きです。主人公の亜紀は自分
より少しお姉さん世代ではありますが、「相変わらずせっかちな人」 「そうやって
すぐムッとする」
 という人物評には共感度大(笑)。90年代から00年代の風俗
や事件
を巧く物語に取り入れてあり、近過去を懐かしみながら読み進みました。
実は白石さんって、結構ミーハーなんじゃないかと思ったりもします(笑)。

 とは言っても、本作中の「未出産=非幸福」という意見には賛否が分かれると
ころでしょう。私もこの説には全く同意できないし、一歩間違えればとても危険
な、時代錯誤なアナクロ思考だと思います。

 しかし、男性である著者が、ここまで女性の心理を描き切っていることには素直
に驚かされますし、称賛されるべきだと思います(主人公がバリキャリウーマン
なのに、決まって料理上手という設定には大いに鼻白むところではありますが)。
主人公の亜紀の辿る運命は過酷と言えるものですが、彼女は自分の人生の
選択に、寸分の後悔もない
でしょう。振り返って自分は、これまでの人生に悔い
はない、と言えるのだろうか・・・。自分がこうして生き、生かされていること、今
までとこれからの人生について、どうしようもなく思いを馳せてしまう作品でした。 

 ( 『私という運命について』 白石一文・著/角川書店・2005)
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[2010/07/23 08:31] | 読書 | トラックバック(1) | コメント(6) |
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コメント
お邪魔します~~
結構ミーハー・・っていうのは納得・・笑
その当時の事件や出来事を絡めながら進める物語って多かったりするもの。
気になる設定(美人・優秀・料理上手など)
はお約束事として、それ以上に魅力的な部分もたくさんありましたよね。子どもに関しては
様々な考え方があるので言い切るのはどうかと思うけれど。ラストはいかがでしたか・・・
ちょっと不思議な感じもして、感動的にまとめてありましたよね。次回また読んだときには教えてくださいね
[2010/07/24 15:05] URL | みみこ #mQop/nM. [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2010/07/24 15:13] | # [ 編集 ]
共感できる物を書く人って、教養もあるし知的だおけど、俗っぽいことに関しても良く知ってたりしますよね。小倉千加子さんなんか、超ミーハーだもんねー。
[2010/07/24 19:43] URL | チュチュ姫 #- [ 編集 ]
みみこさん、こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
そうなんですよ。『ほかならぬ人へ』でもキンキとかレベッカをカラオケで、、っていう記述があって、これは?と思ったんですよね。
まぁ、自分もミーハー全開なんで微笑ましいですけど^^
ラストはね、馬の夢と絡めて、やっぱりず~~っと昔から定められていた運命なのか、と・・・。
女性観は別として、白石さんの書く物語はとっても好きな感じです。
またお邪魔します~。
[2010/07/24 23:48] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
鍵コメントを下さった方、ありがとうございます。
そうなんですよ、、私もとっても心配しているんですけれどもどうにもできなくて、もどかしいです。
かく言う私も春先からずっと体調が悪く、通院しているんです。
でもあまり良くならないので、転院しようかな、とも考えているのですが。。微妙で。。
ブログは決して無理せず、多少不義理はしてもマイペースで、と思っています。
今年は特に猛暑ですから、お互い気をつけましょう~。
ありがとうございました。
[2010/07/24 23:52] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
チュチュ姫さん、こんにちは。コメントありがとう。
そうそう。小倉さんって超テレビっ子だよね(笑)。

チュチュさん今年は帰国しないんですか?
日本は超暑いよ。。溶けそう。
[2010/07/24 23:56] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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私という運命について・・・・白石一文 大手メーカーに勤務する冬木亜紀(29歳)。 かつて恋人からのプロポーズを断った際に、 相手の母...
[2010/07/24 15:07] ちょっとお話
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いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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