「愛の讃歌」へのアンチテーゼ~『この世は二人組ではできあがらない』
この世は二人組ではできあがらない

 1978年生まれの墨田栞は、作家志望の大学生。同年生まれの先輩で、大学
卒業後フリーターをしている紙川さんと付き合うことになるのだが・・・。
2001年から、2005年の夏まで。21世紀の初めの、アバンギャルドな女の子
の物語。

 新聞広告や本書の帯に「無冠の帝王」と書いてあって、笑ってしまう。山崎ナ
オコーラ
はデビュー作人のセックスを笑うな文藝賞を受賞しているはずだ
が、文藝賞はのうちに入らないのだろうか? 芥川賞や直木賞だけが、文学
賞でもあるまいに・・・。

 山崎ナオコーラはずっと応援している作家なのだが、前作『あたしはビー玉』
は初めて挫折してしまった。評判がよさそうなのでできれば再挑戦したいけれ
ど、本作も特に印象的な作品でもなく、ちょっとガッカリ。作家志望の女の子、
ラテ欄を作る会社、アジアへの一人旅
。過去作で繰り返されたモチーフが本作
にも使い回されていて、既視感は否めない。旧態依然とした家族観や恋愛観、
制度へのアンチテーゼなのだということはよくわかるのだけれど、どうしても
「半径100メートル」なつぶやき以上のものは感じ取れない。コーラは、もっと
もっと炭酸がキツくてもいい。
もう少し遠くへ、行ってみようよ。

 ( 『この世は二人組ではできあがらない』 山崎ナオコーラ・著/新潮社・2010)
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[2010/04/03 00:00] | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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