映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅

帰国後~『半島へ、ふたたび』

半島へ、ふたたび

 北朝鮮による拉致被害者の一人である、蓮池薫さんのエッセイ。韓国への初め
ての旅
と、帰国後に彼が翻訳業に従事するまでのいきさつや、心境が綴られた
二部構成の本。もちろん、全編に渡り、拉致され自由を奪われたことに対する怒
りと悔しさ、未だ帰国が叶っていない他の被害者とその家族への思いで満たされ
てはいるが、意外なほど全体の印象は明るい。常に前向きで好奇心旺盛な、著者
人柄の表れだと思う。

 蓮池さんが翻訳家としてデビューしたのは知っていたが、既に20冊も翻訳・著
作があるとは知らなかった。彼の地では、日本語を朝鮮語に翻訳する業務に従事
させられていたそうだが、その「経験」逆手に取り、帰国後の生業にした彼には
拍手を送りたい。

 見知らぬ国にある日突然拉致され、全ての自由を奪われ、関係を断ち切られる
とは。。本書に描かれているのはほんの一部で、24年間、想像を絶する苦労があ
ったことと思う。しかし蓮池さんの文章からは、恨み辛みや悲しみといった、マイ
ナスな感情はほとんど感じられない。彼の地で過ごした長い年月は忘れられよう
はずもないが、大切なのはこれからだ、と。人生を如何に生きるべきか、何を為す
べきか。感じられるのは若々しく、前向きなエネルギーだ。

 翻訳を担当した韓国のベストセラー作家、孔枝泳コン・ジヨンさんへの思い入れ
が強すぎると感じさせられるほど、蓮池さんは自分に正直な人なんだとも思う。
『私たちの幸せな時間』、映画も観ていないが是非読んでみたい。そして、拉致被
害者の方々の一日も早い帰国と、蓮池さんのさらなるご活躍を祈念します。

 ( 『半島へ、ふたたび』 蓮池薫・著/新潮社・2009)
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テーマ : エッセイ
ジャンル : 本・雑誌

2010-03-30 : 読書 : コメント : 2 : トラックバック : 1
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「半島へ、ふたたび」 感想 蓮池薫
まずは、蓮池さんのお人柄が良いなぁ~と思いました。寛容で謙虚で前向き・がんばり屋さんで、ちょっとユーモア感覚もあって。
2010-03-31 13:17 : ポコアポコヤ
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真紅さん、こちらにも♪
ほんと蓮池さんのあの前向きな生き方には、頭が下がるわ~。
で、私もコン・ジヨンさんへの入れ込み?は、凄い深いもんがあるな~^^って思ってたわ。
奥さん、ちょっと可哀想かな~(^^ゞ 占い師に変な事言われちゃうしなー。
でも、本当はもっともっと言いたい事や書きたいこともあったのかもしれないよね。
でも、それを書くと大変な事になっちゃう・・・とか、今まだ拉致されたままの人への影響とか考えると書けなかった事とかもたっくさんあるんだろうね・・・。

ところで、ミスドの「おかえり~」は、解る!
以前は、ミスドといえば、このイラストだったよね。高校生の頃、オサムズマザーグースが好きでね、プチバックとか文房具とか買ってたわ~。
2010-03-31 13:16 : latifa URL : 編集
latifaさん、こちらにもありがとうございます。
蓮池さんの本、初めて読んだけど想像以上に明るく前向きな方なんだな~、って思いました。
で、すごく自分の気持ちに正直だよね。。あの作家さんに惹かれてるんだな~ってわかるもん。
奥さん、腹立つだろうね。。でも、旦那さんのこと尊敬してるだろうな~って思うよ。
本当のことや、あったことをそのまま書いたらそれこそ世界レベルで大騒ぎかもね。
だから、言えないことも多いだろうけど、、早く彼らに本当の意味での「自由」が訪れて欲しいです。

ミスド、そうそう~! 私もオサムグッズ大好きだったよ~。
銀はがしで点数ためて、もらえるグッズはほとんど全部持っていたと思うよ。
来月お皿が復活するみたい。。欲しい~。
2010-03-31 16:59 : 真紅 URL : 編集
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