ユリイカ?!~『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』

『ヘヴン』ですっかり川上未映子にやられてしまった私、YOUTUBEで『情熱
大陸』を探して観た。動いて、そしてしゃべっている川上未映子は、想像してい
た感じとはちょっと、いや、かなり違った。もっとこう、、シャープな雰囲気の女性
なのかな、と勝手に思っていたのだけれど。なんだかまぁるくて、フェミニンで、
(いい意味で)間の抜けたしゃべりをする、フェロモン全開なひとなのだった。
そして、結構もう標準語でしゃべってはった。
この本は、雑誌『ユリイカ』に彼女が持ち込んだという伝説のデビュー作をタイ
トルに冠した7編。爆発寸前の才能の萌芽は感じられるけれど、まだ物語の核心
があいまいで、つかみどころがない。いや、核心は確としてあるのだけれど、そ
の周囲をぐるぐる回っている感じ、とでも言おうか・・・。
しかし、彼女を『乳と卵』で芥川賞に導いた文藝春秋の編集者は偉いと思う。
川上未映子という未完で荒削りな「才能」から、「作品」を大衆に分かりやすい
形にして引き出すには、相当な忍耐と鍛錬が必要だったことだろう。
薄い本なんだけど、ちょっと読み通すのはしんどいかも。。個人的には、作家
の進化の過程を逆にたどるようで面白くもあったけれど。
次は『世界クッキー』だ! ヘヘヘ、もう入手済みです♪
(『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』 川上未映子・著/2008・青土社)
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