透明な影~『空気人形』

クリスマス間近の東京。ファミレスで働く独り暮らしの秀雄(板尾創路)は、性欲
処理用のラブドール(ペ・ドゥナ)に「のぞみ」と名付けていた。ある朝、のぞみに
心が宿り、彼女は街に出てゆく・・・。
是枝裕和監督が韓国の人気女優、ペ・ドゥナを主演に迎えたラブ・ファンタジー。
しかし透明感に溢れた映像と、詩的で寓意に満ちた展開とは裏腹に、物語は衝撃
的な結末を迎える。
この映画のプロモーションを観る度、「ずっとオリジナル脚本にこだわって来た
是枝監督」という惹句が気にかかった。監督のデビュー作『幻の光』を比較的最近
観て、いたく感動してしまった自分は、あの映画が監督の中で「なかったこと」に
されているのか、と酷く残念に思うのだった。しかし公式サイトの監督インタビュー
によれば、あの映画は「プロデューサーからオファーがあって」撮ったもの、らしい。

この映画の素晴らしさの第一は、間違いなく主演のペ・ドゥナだろう。人形が
心を持ち、生身の世界に触れ、限りある時間を生きる人間になろうとする過程
を、完璧と思える演技で表現している。
序盤の、いかにも「人形らしい」歩き方、首の傾げ方。橋の上ののぞみを捉え
たロングショットは、人形を映しているのか、それともペ・ドゥナが立っているの
か一瞬、混乱してしまうほど。ガラス玉のようだった瞳が表情を持ち、風や光や、
土に触れる。何故だか、『あかちゃんのうた』という絵本を思い出す。
「歳をとらない」ことに価値がある人形から、いつかは死に、「燃えないゴミ」とな
る運命を受け入れるのぞみ。たどたどしい言葉も、やがて感情を帯び始める。
そして彼女の潔い脱ぎっぷり! ベッドシーンでさえ白ブラつけているような
ハリウッド女優や、絶対に肌を見せない日本の女優たちは、本作のペ・ドゥナ
を見て、どんな風に感じるんだろう。
のぞみが出逢う人々--レンタルビデオの店員、オーナー、その客、トウの立
った受付嬢、元代用教員--みんながみんな、孤独を抱え、空虚な心をごまか
し、なんとか折り合いをつけて生きようとしている。自分を空っぽだと感じることは、
誰かを愛し、愛されている実感を得られない、ということなのだろうか?
「心を持つことは 切ないことでした」
ペ・ドゥナ以外のキャストも、皆さすがの名演技。中でも、人形師オダギリジョー
が登場した瞬間、映画の空気が高揚したように思ったのは私だけだろうか。

生きるということは死を引き受けることであり、愛するということは即ち、失う
ということでもある。「息」という言葉は「生き」に繋がる。「生」は「性」であり、
それらがどう絡み合い、輪廻し再生産されるかは宇宙の謎だ。秀雄の部屋
にあった、惑星のバルーンやプラネタリウム・・・。孤独に生きる彼、そして誰
もが無意識のうちに、その謎を解きたいと願っているのかもしれない。
吉野弘の詩、「生命は」と「I was born」が印象的に使われている。あまり
にも心揺さぶられる詩なので、全文載せてしまいたいくらい。キム・ギドクな
テイストを感じた終盤の展開、『さよならみどりちゃん』のユウコのその後、の
ような星野真里がつぶやくラストの一言には、賛否両論あるだろう。しかし私
は、あの言葉をのぞみが「生きた」証しだと捉えたい。
(『空気人形』 監督・脚本・編集:是枝裕和/原作:業田良家/
主演:ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路/2009・日本)
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公式サイト。業田良家原作、是枝裕和監督、ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路、高橋昌也、余貴美子、岩松了、星野真里、丸山智己、奈良木未羽、柄本佑、寺島進、オダギリジョー、富司純子。もし現代の「蟹工船」に相当する作品があるとしたらこの作品こそふさわしいのかもしれ
2009-10-08 19:45 :
佐藤秀の徒然幻視録
評価:★★★★[4/5]
愛する人の息で膨らむペ・ドゥナの高揚していく表情がいいね!
2009-10-08 19:52 :
映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ~
人はみんな空気人形。元々中身は空っぽ。でも「新鮮さ」という空気をもらうことで心も体も満たされていく、そんな生き物。
これまで実質的な「死」というフィルターを通して「生」を描いてきた是枝監督が少し路線変更をしたのか、「心を持たない」という精神的な死を通し...
2009-10-08 19:58 :
めでぃあみっくす
2009年:日本映画、業田良家原作、是枝裕和監督&プロデューサー&脚本&編集、ぺ・ドゥナ、ARATA、板尾創路、オダギリジョー、余貴美子、高橋昌也共演。
2009-10-08 20:05 :
~青いそよ風が吹く街角~
09年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でワールドプレミアを果たした本作は、心を持ってしまった空気人形と人間の交流を温かく見守るファンタジー。
『ワンダフルライフ』や『歩いても 歩いても』などで“生きるということ”を見つめてきた是枝監督が、業田良家の短編....
2009-10-08 20:27 :
パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ
私は空気人形。空っぽな、誰かの「代用品」。
10月5日、京都シネマにて鑑賞。是枝監督作品7作目の劇映画となります。実は私は5作を鑑賞していました。95年の「幻の光」が、監督の初めての作品とは知らず鑑賞していたんですよね。
本作は大人向けのファンタジー...
2009-10-08 21:11 :
銅版画制作の日々
ドゥナちゃんの出演作はデビュー作の韓国版『リング』から全て鑑賞してるドゥナペンです。彼女のこの最新作は山下敦弘監督の『リンダ リンダ リンダ』に続いての日本映画。山下監督もそうでしたけど是枝裕和監督もドゥナちゃんのファンで出演を熱望されたそうですね。日本...
2009-10-08 21:24 :
カノンな日々
私は「心」を持ってしまいました。
持ってはいけない「心」を持ってしまいました。
あなたの息で、私の カラダを 満たして…
製作年度 2009年
上映時間 116分 映倫 R15+
原作 業田良家 『空気人形』(小学館刊『ゴーダ哲学堂 空気人形』所収)
監督/脚本 是枝裕和
2009-10-08 22:05 :
to Heart
空気の空は空虚の空、空疎の空?空気は風になり、息になる。人々も街も地球も呼吸をするのだ。2009年の日本映画のベスト1ほぼ確定。今年も是枝!
秀雄と暮らす空気人形ののぞみは、「心」を持ってしまう。
原作は、業田良家の短編コミック「ゴーダ哲学堂空気人形」是...
2009-10-08 23:30 :
かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
「空気人形」って何かの比喩かと思っていたら、まさかそのまんまだったとは。
私が現代日本の映画作家でもっともハズレがないと思っているの...
2009-10-08 23:33 :
ノラネコの呑んで観るシネマ
新宿バルト9での初日舞台挨拶に、昨年の『歩いても歩いても』の時と同じく是枝ファンつながりの友人と出掛けた。ちなみに原作短編コミックを読み終えての鑑賞。
2009-10-08 23:52 :
SOARのパストラーレ♪
古びたアパートで持ち主である秀雄と暮らす空気人形。ある朝、本来持ってはいけない“心”を持ってしまう。秀雄が仕事に出かけると、洋服を着て、靴を履いて、街へと歩き出す。初めて見る外の世界で、いろいろな人間とすれ違い、つながっていく空気人形。ある日、レンタル
2009-10-09 03:32 :
映画な日々。読書な日々。
{/kaeru_en4/}学校の前を通ると、ときどき代用教員の先生を思い出すな。
{/hiyo_en2/}代用教員?
{/kaeru_en4/}担任の先生が産休の間だけ子供たちを教えていた臨時教師。
{/hiyo_en2/}そんな先生がいたの?
{/kaeru_en4/}是枝裕和監督の「空気人形」にだって、昔、代用教
2009-10-10 09:34 :
【映画がはねたら、都バスに乗って】
= 『空気人形』 (2009) =
古びたアパートで秀雄(板尾創路)と暮らす空気人形(ペ・ドゥナ)に、ある日思いがけずに心が宿ってしまう。
人形は、持ち主が仕事に出かけるといそいそと身支度を整え、一人で街歩きを楽しむようになる。
やがて彼女は、...
2009-10-10 23:12 :
サムソン・マスラーオの映画ずんどこ村
是枝裕和監督は、トークショーで「映画は映画館で観るもの」と語っていたが、おんなじセリフを岩松了さん演じるレンタルビデオ店店長に云...
2009-10-11 04:16 :
映画のブログ
ココロの深部にまで突き刺さるような優しく哀しい映画を作ってくれました。流石です。是枝監督。ダッチワイフの進化系のラブドール=空気人形が主人公。ある時、ココロを持ち、人間世界を探検、恋をし、自分の境遇を哀しむが責任は果たそうとし、恋が破れそうになり、自分...
2009-10-12 22:30 :
しぇんて的風来坊ブログ
空虚でも切なくても生きていくことが人生
心を持ったダッチワイフと人間たちの悲喜劇
まず最初に、この映画は何よりも主演でタイトル...
2009-10-13 18:54 :
たいようの映画の感想
何処かのblogで、オジサンが多かったと書いていましたが場所のせいなのか、若い女性同士とか男同士が多かったです。空気人形役に起用されたペ・ドゥナ。この起用は、いいところを付いていますね。
2009-10-15 23:04 :
ゼロから
空気人形のペ・ドゥナがふわふわと不思議な抑揚で「わたしは心をもってしまいました」
2009-10-17 19:10 :
Days of Books, Films
'09.10.09 『空気人形』@新宿バルト9
これは見たかった。ペ・ドゥナは好き。板尾さんも出てるし! オダジョーも出てるので、オダジョーファンのbaruを誘って行ってきた。
*ネタバレありです。 そして熱弁です
「"男性の性の処理をする代用品"の空気人形ノゾミは
2009-10-19 01:26 :
・*・ etoile ・*・
空気人形とは・・・
大人のおもちゃ、性欲処理の代用品。
カップルで観賞して言葉を失った女性もいました。
男って人形にあんな事するの?なんて会話もあったり。
あんまりカップルで観ることはお薦めしないかな
2009-10-19 01:34 :
気ままな映画生活
▼動機
掘り出し物感
▼感想
絵本のような世界
▼満足度
★★★★★★☆ いいかも
▼あらすじ
レトロなアパートで秀雄(板尾創路)と暮らす空気人形(ペ・ドゥナ)に、ある日思いがけずに心が宿ってしまう。人形は持ち主が仕事に出かけるといそいそと身支度を整
2009-10-19 23:07 :
新!やさぐれ日記
是枝監督の作品はミニシアターでかかる事が多いんで
いつも惹かれながらもタイミング逸してしまうことが多く、
観た事あるのはシネコンでもやってた「花よりもなほ」
オンリーかも。
別の映画観にいってひときわ印象に残る予告編だったのと、
「リンダリンダリンダ...
2009-10-25 18:52 :
It's a Wonderful Life
□作品オフィシャルサイト 「空気人形」□監督・脚本 是枝裕和 □原作 業田良家(「ゴーダ哲学堂 空気人形」) □キャスト ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路、高橋昌也、余貴美子、岩松了、星野真里丸山智己、奈良木未羽、柄本佑、寺島進、オダギリジョー、富司純子■鑑賞...
2009-10-30 12:38 :
京の昼寝~♪
監督:是枝裕和(昔の作品も観てみようと思いました)
出演:ぺ・ドゥナ(☆)ARATA 板尾創路(◎)高橋昌也(◎)余貴美子(何気に効いていた)
出演:岩松了 星野真里 寺島進 柄本佑 オダギリジョー 丸山智己 奈良木未羽
中年の男が所持していたラヴ
2009-10-31 21:26 :
おそらく見聞録
「空気人形」公式サイト
空気人形
2009日本
監督・脚本・編集:是枝裕和
原作:業田良家
出演:ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路 ほか
ものたりないな~と思ったのは、なんでだろう?と
考えていたんだけれど、
ああ、そうか、
ワタシが期待したものは、
ペ・ド...
2009-11-04 04:55 :
Mani_Mani
祝日はあまり繁華街に出たくないんだけど、公開終了間近だしどうしても観ておきたいと思ってた「空気人形」を観るため、渋谷に出かけてきましたしかも、渋谷シネマライズは祝日でも火曜日がサービスデイということで1000円均一だし、「観るなら今日しかない!」って感...
2009-11-07 01:44 :
流れ流れて八丈島
是枝裕和監督の作品が好きです。
いつか作品に出たいと思っています。(マジ)
映画館で予告編を観た時から絶対観ようと思ってました。
業田良家原作の短編コミック「ゴーダ哲学堂 空気人形」も読みました。
映画館は公開されたからちょっと経ってましたが
結構人が入
2009-11-13 00:48 :
映画、言いたい放題!
心を持ってしまったお人形さんが主人公のお話。
私は空気人形、性欲処理代用品。
上記のようなせりふが出てきたり。
心を持った主人公は...
2009-11-19 02:37 :
単館系
・
『誰も知らない』『歩いても 歩いても』の是枝裕和監督が、業田良家のマンガを映画化し、主演に『リンダリンダリンダ』の韓国女優ペ・ドゥナを迎えたファンタジー作。
予告編を観ていた時点では、どこか『ラースと、その彼女』と共通な世界があるのかなと思っていた
2009-11-22 20:09 :
俺の明日はどっちだ
「空気人形」を見ました。とても良い映画でした。主演のペ・ドゥナがとても可愛かった。
雑誌のインタビューを読んで、純一(ARATA)が死ん...
2009-12-27 10:35 :
memphis blues again
空気人形’09:日本
◆監督・脚本・編集・製作: 是枝裕和「歩いても 歩いても」「誰も知らない」◆出演:ぺ・ドゥナ、ARATA、板尾創路、オダギリジョー、高橋昌也
◆STORY◆古びたアパートで持ち主の秀雄と暮らす空気人形は、ある朝、本来は持ってはいけない「...
2010-01-22 15:21 :
C'est joli~ここちいい毎日を~
ペ・ドゥナに去年度の主演女優賞を差し上げます!(遅いっ・・・)
2010-03-31 13:06 :
ポコアポコヤ 映画倉庫
空気人形 豪華版 [DVD]
「空気人形」 感想
私は、「心」を持ってしまいました。
持ってはいけない「心」を持ってしまいました。
すば...
2010-04-09 19:30 :
むーびーふぁんたすてぃっく
からっぽな“心”にふわりとふりかかる質量が、
無垢な魂のように哀しげに愛しげに漂う。
刹那な世界に拾い集めた、きらきら光るものたちを並べて。
『空気人形』
2009年/日本/116min
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:ペ・ドゥナ、ARATA、オダギリジョー...
2010-04-23 18:01 :
シネマな時間に考察を。
てっきり、空っぽの身体の中を、温かい空気でいっぱいに満たしてくれる映画だと思っていた。
パンパンに膨らんでいるときは、ふわふわとして楽しいけれど、穴が開いてしまうと、そこから空気はどんどんと抜けていき・・・・・・
こんなに美しい映像なのに。
こんなに可...
2010-06-17 01:18 :
ノルウェー暮らし・イン・London
『歩いても 歩いても』などの是枝裕和監督が、業田良家原作の短編コミック「ゴーダ哲学堂 空気人形」を映画化した切ないラブストーリー。心を持ってしまった空気人形と人間の交流を温かく見守る。『グエムル -漢江の怪物-』のペ・ドゥナが空気人形役を熱演。共演者も『蛇
2010-07-18 21:12 :
サーカスな日々
あらすじレトロなアパートで秀雄と暮らす空気人形にある日思いがけずに、心が宿ってしまう・・・。感想ダッチワイフに心が宿るってのは、古くから『やけっぱちのマリア』なんてのも...
2010-11-13 09:22 :
虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映...
「空気人形」
「花のあと」
2010-11-26 11:32 :
Akira's VOICE
空気人形
ある朝心を持つようになったラブドールは
街に出て、ビデオショップで働くようになる...
【個人評価:★★ (2.0P)】 (自宅鑑賞)
原作:業田良家 『ゴーダ哲学堂 空気人形』
2010-12-18 23:32 :
『映画な日々』 cinema-days
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2009年日本映画 監督・是枝裕和
ネタバレあり
2010-12-22 15:56 :
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
空気人形 / AIR DOLL
2009年 日本映画
監督・脚本・編集:是枝裕和
製作:川城和実 重延浩 久松猛朗 豊島雅郎
原作:業田良家
撮影:リー・ピンビン
美術:金子宙生
衣裳デザイ...
2011-02-08 10:46 :
RISING STEEL
心をもつことは、せつないことでした。
2019-05-26 10:41 :
或る日の出来事
「この作品が好き」という声の多さ、ずっと興味だったのですが、やっと見ることができて感激!なんと原作は、ギャグ漫画で有名な業田良家、監督は、今をとくめく、是枝監督の作品、だったのですね。キャッチフレーズは、“心をもつことは、切ないことでした” 大好きな吉野弘の詩が出てきたり、繊細な表現と音楽が素敵で、空気人形を演じる、ペ・ドゥナが好演。「世界を初めて見た」まなざしと、ちょっと無機質で、スタイル...
2019-11-11 08:25 :
のほほん便り
コメントの投稿
TBありがとうございました。
ペ・ドゥナの素晴らしさはもとより、わずかな出演ながらもオダギリジョーが演じた人形師の存在感もよかったですよね。
ああいう浮世離れしていながら、的を得たことを言う役。オダギリジョーならではだと思いました。
ああいう浮世離れしていながら、的を得たことを言う役。オダギリジョーならではだと思いました。
真紅さん、こんばんは。
人間だれでも空気人形。
空気をいれてもらって、生を得る。
死んでしまえば、ただのゴミ。
それでも、そのゴミが美しいと言える人もいる。この映画を見るひと、それぞれにラストシーンを受け取ることができる映画でした。
感動しました。
人間だれでも空気人形。
空気をいれてもらって、生を得る。
死んでしまえば、ただのゴミ。
それでも、そのゴミが美しいと言える人もいる。この映画を見るひと、それぞれにラストシーンを受け取ることができる映画でした。
感動しました。
2009-10-08 21:58 :
筆致 刻久 URL :
編集
にゃむばななさん、こんにちは。コメントとTBをありがとうございます。
そうなんです。。オダギリジョーがとってもよかったですよね♪
ツチヤ倉庫での場面、セリフも印象的でした。
ジョーくんも美しかったし、ハマリ役だったと思います。
そうなんです。。オダギリジョーがとってもよかったですよね♪
ツチヤ倉庫での場面、セリフも印象的でした。
ジョーくんも美しかったし、ハマリ役だったと思います。
筆致刻久さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
この映画、ご覧になったのですね。。私も感動しました。
と言うか、のぞみの姿が愛おしくて、、。涙してしまいました。
家に帰って、吉野弘の詩を読んでまた泣いて・・・。
あのラスト、監督は「わかりやすくした」とおっしゃるのですが、なかなか考えさせられますね。
記事はアップされているのかな。。後ほど伺います。
この映画、ご覧になったのですね。。私も感動しました。
と言うか、のぞみの姿が愛おしくて、、。涙してしまいました。
家に帰って、吉野弘の詩を読んでまた泣いて・・・。
あのラスト、監督は「わかりやすくした」とおっしゃるのですが、なかなか考えさせられますね。
記事はアップされているのかな。。後ほど伺います。
こんばんは♪
TBありがとうございました。
星野真理のあの一言と、彼女の視線の先にある“物”。
このラストシーン、私の中でいろんな思いや解釈が瞬時に湧き上がってしまい、
涙があふれそうになりました。
セリフも映像も、とても印象的なラストシーンでしたよね。
星野真理のあの一言と、彼女の視線の先にある“物”。
このラストシーン、私の中でいろんな思いや解釈が瞬時に湧き上がってしまい、
涙があふれそうになりました。
セリフも映像も、とても印象的なラストシーンでしたよね。
私は未だ見ていませんがぜひ見たいです。吉野弘さんの詩集は部分的に読売新聞で載せておられ感動したのでスクラップにしてあったのを思い出し今、見ています。この詩の中の「欠如」という漢字に大きな感動を覚えスクラップしたことが3年も前ですが思い出します。欠如とは、生命を生き生きと輝かせるために必要でしかし自給自足できない何かを示す。
すべてのものは何かしら意味があり生まれてきておりそして決して一人では生きて行けない。
つまずかなければ忘れてしまう大切な意味のある言葉ですよね。
すべてのものは何かしら意味があり生まれてきておりそして決して一人では生きて行けない。
つまずかなければ忘れてしまう大切な意味のある言葉ですよね。
2009-10-09 00:08 :
ninjin_m URL :
編集
真紅さん、こんばんは。
せつなくもステキな映画でしたねー。
私の中では言葉的に、空気さなぎと空気人形は繋がっていたのですが、もっと別の部分でもあれこれ繋がるなーって思える味わいでした。
そうか、「息」は「生き」なんですよねー。
ラストの一言に、賛否(というか否)があるとは思いもよりませんでしたが、そうなんですかー。
せつなくもステキな映画でしたねー。
私の中では言葉的に、空気さなぎと空気人形は繋がっていたのですが、もっと別の部分でもあれこれ繋がるなーって思える味わいでした。
そうか、「息」は「生き」なんですよねー。
ラストの一言に、賛否(というか否)があるとは思いもよりませんでしたが、そうなんですかー。
SOARさん、こんにちは。こちらこそコメントとTBをありがとうございます。
私は、のぞみという存在そのものになんだか泣けてしまいました。。
ラストショットはちょっと衝撃でしたね。
その前にも衝撃的なシーンはありましたが、最後ののぞみの姿が目に焼き付いています。
もう一度観たい作品です。
私は、のぞみという存在そのものになんだか泣けてしまいました。。
ラストショットはちょっと衝撃でしたね。
その前にも衝撃的なシーンはありましたが、最後ののぞみの姿が目に焼き付いています。
もう一度観たい作品です。
ninjin_mさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
この映画是非ご覧下さい。素晴らしい作品ですよ。
吉野弘さんの「生命は」とても印象的な使われ方をしています。
映画を観た後であの詩を読み返すと、沁みます・・・。
まさしく「欠如」がこの映画のテーマでもあります。
都会で生きるということはどういうことか、考えさせられる作品でもありました。
東京の風景がね、いいんですよ。。
この映画是非ご覧下さい。素晴らしい作品ですよ。
吉野弘さんの「生命は」とても印象的な使われ方をしています。
映画を観た後であの詩を読み返すと、沁みます・・・。
まさしく「欠如」がこの映画のテーマでもあります。
都会で生きるということはどういうことか、考えさせられる作品でもありました。
東京の風景がね、いいんですよ。。
かえるさん、こんにちは! コメントとTBありがとうございます。
はい、本当に切なく、愛おしい映画でした。
そうそう、「空気」つながりですね~。空気さなぎって透明なのかな。。
ラストの一言は、この映画を肯定的に捉えられなければ「否」になるんじゃないかと思いました。
でも、この映画とっても評判いいですね♪
今年の邦画、ベスト作に入れたいと思いますー。
はい、本当に切なく、愛おしい映画でした。
そうそう、「空気」つながりですね~。空気さなぎって透明なのかな。。
ラストの一言は、この映画を肯定的に捉えられなければ「否」になるんじゃないかと思いました。
でも、この映画とっても評判いいですね♪
今年の邦画、ベスト作に入れたいと思いますー。
真紅さんのブログをみてどうしても観たくなり2時間をかけて映画館までお出かけしました。ミニシアターでしたがほぼ満席でした。映画を実際にみて映画としてよく出来ているし演技も表現力もあり裸にもいやらしさがなく関心させられることばかりですが観終わった後までもやもやした気持ちが晴れませんでした。人間の自分向きの気持ちを表現しすぎでそこに夢や希望をもう少しあってもいいのではないかという気持ちからです。この映画を観られるくらいの方々ですから人を思いやったり思いやることで自分が幸せになることをわかっている方々が多いことを期待します。真紅さんはどう思われましたか?
2009-10-12 21:25 :
ninjin_m URL :
編集
ninjin_mさん、ご覧になったのですね。うれしいです。
この映画、細かい音もとってもよかったと思うので、映画館で観られて正解ではないでしょうか。
で、もやもやした気持ち。。それはとてもよくわかりますね。
観終わってから、いつまでも後を引く作品だと思います。
>人間の自分向きの気持ち
これは、彼らが孤独に生きていて、自らを「空っぽ」だと感じている、ということですね。
確かに、都会で生きる孤独な人々が描かれてはいましたが、ラストでのぞみがしたこと(タンポポの綿毛を飛ばした)はとても希望に満ちていたと私は思います。
劇中で語られる「生命は」という詩には、欠けているもの同士だからこそ満たし合える他者の総和、それがこの「世界」だと謳われています。
間違いなく、世界は美しいです。そう思うことが「夢」であり、「希望」ではないでしょうか。
この映画、細かい音もとってもよかったと思うので、映画館で観られて正解ではないでしょうか。
で、もやもやした気持ち。。それはとてもよくわかりますね。
観終わってから、いつまでも後を引く作品だと思います。
>人間の自分向きの気持ち
これは、彼らが孤独に生きていて、自らを「空っぽ」だと感じている、ということですね。
確かに、都会で生きる孤独な人々が描かれてはいましたが、ラストでのぞみがしたこと(タンポポの綿毛を飛ばした)はとても希望に満ちていたと私は思います。
劇中で語られる「生命は」という詩には、欠けているもの同士だからこそ満たし合える他者の総和、それがこの「世界」だと謳われています。
間違いなく、世界は美しいです。そう思うことが「夢」であり、「希望」ではないでしょうか。
返答ありがとうございます。
真紅さんの書いておられる事を心にとめて布団の中でもう一度映画を振り返って観たいと思います。
かけているもの同士の総和がこの世界、無意識だけでなく意識して助け合う気持ちも持ちたいですね。
最近、映画祭の企画や里山で子供たちの為にツリーハウス(木の上の家)を作っておられるグループがあります。メンバーは誰でも時間が取れる方は参加できます。自分の夢をわかってほしい、共感してほしいそんな活動が身近で生まれていることはうれしいことです。
もう少し時間が取れる年齢になれば私も参加してみたいです。
真紅さんの書いておられる事を心にとめて布団の中でもう一度映画を振り返って観たいと思います。
かけているもの同士の総和がこの世界、無意識だけでなく意識して助け合う気持ちも持ちたいですね。
最近、映画祭の企画や里山で子供たちの為にツリーハウス(木の上の家)を作っておられるグループがあります。メンバーは誰でも時間が取れる方は参加できます。自分の夢をわかってほしい、共感してほしいそんな活動が身近で生まれていることはうれしいことです。
もう少し時間が取れる年齢になれば私も参加してみたいです。
2009-10-13 00:02 :
ninjin_m URL :
編集
ninjin_mさん、コメントありがとうございます。
都会では人間関係が希薄になりがちだと思いますが、きっとみんな淋しく、人恋しく思いながら生きているんだと思います。
私も時間はなかなか作れませんが、夢や好きなことは大切にしたいですね。
うまくまとまりませんが、これにて。。
都会では人間関係が希薄になりがちだと思いますが、きっとみんな淋しく、人恋しく思いながら生きているんだと思います。
私も時間はなかなか作れませんが、夢や好きなことは大切にしたいですね。
うまくまとまりませんが、これにて。。
TBありがとうございました。
TB有難うございました。
心を持った人形、そして心を失っている
空虚な人間たち…心の交流が紡ぎだす世界感に
何度も見たくなりました。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
心を持った人形、そして心を失っている
空虚な人間たち…心の交流が紡ぎだす世界感に
何度も見たくなりました。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
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シムウナさん、こんにちは。コメントとTB、こちらこそありがとうございます。
「欠如」を持ち、それを補い合う「人間」という存在が、愛おしくも切ない作品でした。
人間になりきれなかったのぞみ、しかし彼女が確かに生きたと感じさせてくれるラストもよかったですね。
いい映画でした。私も好きです!
「欠如」を持ち、それを補い合う「人間」という存在が、愛おしくも切ない作品でした。
人間になりきれなかったのぞみ、しかし彼女が確かに生きたと感じさせてくれるラストもよかったですね。
いい映画でした。私も好きです!
真紅さん
お久しぶりです!ほとんど更新できてない牛歩
状態ですがお元気でしょうか。
これは予告にひかれて観にいきましたが、
ペ・ドウナまたまたすごいなっていう印象が
一番強い作品でした。
そうかー「からっぽ」と「満たす」ってのがポイントになっているのかなぁと真紅さんの
記事を観て改めて思いました。
人によって満たされるものの欲求は違うのかもしれないですね。
お久しぶりです!ほとんど更新できてない牛歩
状態ですがお元気でしょうか。
これは予告にひかれて観にいきましたが、
ペ・ドウナまたまたすごいなっていう印象が
一番強い作品でした。
そうかー「からっぽ」と「満たす」ってのがポイントになっているのかなぁと真紅さんの
記事を観て改めて思いました。
人によって満たされるものの欲求は違うのかもしれないですね。
kazuponさん、こんにちは~。コメントとTBをありがとうございます。
ほんと、お久しぶりですね~。
ほとんど更新されないので、お忙しいのだろうな~と思っていました。
この映画、本当にペ・ドゥナが凄いですよね。
人間って、基本空虚な存在なんだなーと思いますよね。
だからみんな映画観たり本読んだり、友だちと遊んだりしてその空を埋めようとする。
なんだか観終わってからも後を引く、様々考えさせられる作品でした。
それでは久々に、コメントしに伺いますね~。
ほんと、お久しぶりですね~。
ほとんど更新されないので、お忙しいのだろうな~と思っていました。
この映画、本当にペ・ドゥナが凄いですよね。
人間って、基本空虚な存在なんだなーと思いますよね。
だからみんな映画観たり本読んだり、友だちと遊んだりしてその空を埋めようとする。
なんだか観終わってからも後を引く、様々考えさせられる作品でした。
それでは久々に、コメントしに伺いますね~。
真紅さん~こんにちは。この映画、やっと、やっと見れました。
予想以上に良かった・・・。今年の(普通は去年よね?(^^ゞ)ベストに入りそう)
ところで、幻の光が、依頼されて撮っていたってこと、こちらで初めて知ったわ。あの秀雄の住んでいた家と、幻の光の浅野君と暮らしていたお家と、雰囲気が似ていたわ・・・。あと、下町のガード下の風景とかね・・・。
で、真紅さんは、吉野さんの詩集もこの後読まれてたのね?
解るわ~。私も凄く興味が沸いちゃった。ドゥナちゃんのあの声の朗読が、すっごく良かった・・・。
予想以上に良かった・・・。今年の(普通は去年よね?(^^ゞ)ベストに入りそう)
ところで、幻の光が、依頼されて撮っていたってこと、こちらで初めて知ったわ。あの秀雄の住んでいた家と、幻の光の浅野君と暮らしていたお家と、雰囲気が似ていたわ・・・。あと、下町のガード下の風景とかね・・・。
で、真紅さんは、吉野さんの詩集もこの後読まれてたのね?
解るわ~。私も凄く興味が沸いちゃった。ドゥナちゃんのあの声の朗読が、すっごく良かった・・・。
latifaさん、こんにちは。コメントとTBありがとうございます。
私も、この映画は昨年の邦画ではベストだったな~。
思い入れ度で2位にしたけど、傑作だと思っています。
是枝監督、『幻の光』はあんなに評価された作品だったのに、なんだか蚊帳の外よね。
監督にとって、ああいう雰囲気の街並みは近しいものなんだろうかね。。
あのドゥナちゃんの朗読、心にドカーーーンと来るよね。
家に帰ってすぐ、吉野弘さんの詩集を探してポチしましたよ。
詩って、芸術の極みだと思う今日この頃です。
私も、この映画は昨年の邦画ではベストだったな~。
思い入れ度で2位にしたけど、傑作だと思っています。
是枝監督、『幻の光』はあんなに評価された作品だったのに、なんだか蚊帳の外よね。
監督にとって、ああいう雰囲気の街並みは近しいものなんだろうかね。。
あのドゥナちゃんの朗読、心にドカーーーンと来るよね。
家に帰ってすぐ、吉野弘さんの詩集を探してポチしましたよ。
詩って、芸術の極みだと思う今日この頃です。