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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅 (言葉を探す人)   ★劇場鑑賞した映画は Instagram にアップしています @ruby_red66 ★Stay Blue

透明な影~『空気人形』

空気人形

 クリスマス間近の東京。ファミレスで働く独り暮らしの秀雄(板尾創路)は、性欲
処理用のラブドール(ペ・ドゥナ)
「のぞみ」と名付けていた。ある朝、のぞみに
が宿り、彼女は街に出てゆく・・・。

 是枝裕和監督が韓国の人気女優、ペ・ドゥナを主演に迎えたラブ・ファンタジー
しかし透明感に溢れた映像と、詩的で寓意に満ちた展開とは裏腹に、物語は衝撃
的な結末
を迎える。

 この映画のプロモーションを観る度、「ずっとオリジナル脚本にこだわって来た
是枝監督」
という惹句が気にかかった。監督のデビュー作幻の光を比較的最近
観て、いたく感動してしまった自分は、あの映画が監督の中で「なかったこと」に
されているのか、と酷く残念に思うのだった。しかし公式サイトの監督インタビュー
によれば、あの映画は「プロデューサーからオファーがあって」撮ったもの、らしい。

空気人形2

 この映画の素晴らしさの第一は、間違いなく主演のペ・ドゥナだろう。人形が
心を持ち、生身の世界に触れ、限りある時間を生きる人間になろうとする過程
を、完璧と思える演技で表現している。

 序盤の、いかにも「人形らしい」歩き方、首の傾げ方。橋の上ののぞみを捉え
ロングショットは、人形を映しているのか、それともペ・ドゥナが立っているの
か一瞬、混乱してしまうほど。ガラス玉のようだった瞳が表情を持ち、風や光や、
土に触れる。何故だか、『あかちゃんのうた』という絵本を思い出す。

 「歳をとらない」ことに価値がある人形から、いつかはに、「燃えないゴミ」とな
る運命を受け入れるのぞみ。たどたどしい言葉も、やがて感情を帯び始める。
そして彼女の潔い脱ぎっぷり! ベッドシーンでさえ白ブラつけているような
ハリウッド女優や、絶対に肌を見せない日本の女優たちは、本作のペ・ドゥナ
を見て、どんな風に感じるんだろう。

 のぞみが出逢う人々--レンタルビデオの店員、オーナー、その客、トウの立
った受付嬢、元代用教員
--みんながみんな、孤独を抱え、空虚な心をごまか
し、なんとか折り合いをつけて生きようとしている。自分を空っぽだと感じることは、
誰かを愛し、愛されている実感を得られない、ということなのだろうか?

 「心を持つことは 切ないことでした」

 ペ・ドゥナ以外のキャストも、皆さすがの名演技。中でも、人形師オダギリジョー
が登場した瞬間、映画の空気が高揚したように思ったのは私だけだろうか。

空気人形3

 生きるということはを引き受けることであり、愛するということは即ち、失う
ということでもある。「息」という言葉は「生き」に繋がる。「生」「性」であり、
それらがどう絡み合い、輪廻し再生産されるかは宇宙の謎だ。秀雄の部屋
にあった、惑星のバルーンプラネタリウム・・・。孤独に生きる彼、そして誰
もが無意識のうちに、その謎を解きたいと願っているのかもしれない。

 吉野弘の詩、「生命は」「I was born」が印象的に使われている。あまり
にも心揺さぶられる詩なので、全文載せてしまいたいくらい。キム・ギドクな
テイスト
を感じた終盤の展開、『さよならみどりちゃん』のユウコのその後、の
ような星野真里がつぶやくラストの一言には、賛否両論あるだろう。しかし私
は、あの言葉をのぞみが「生きた」証しだと捉えたい。

 (『空気人形』 監督・脚本・編集:是枝裕和/原作:業田良家/
           主演:ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路/2009・日本)
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空気人形
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『空気人形』 
□作品オフィシャルサイト 「空気人形」□監督・脚本 是枝裕和 □原作 業田良家(「ゴーダ哲学堂 空気人形」) □キャスト ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路、高橋昌也、余貴美子、岩松了、星野真里丸山智己、奈良木未羽、柄本佑、寺島進、オダギリジョー、富司純子■鑑賞...
2009-10-30 12:38 : 京の昼寝~♪
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2009-10-31 21:26 : おそらく見聞録
「空気人形」是枝裕和
「空気人形」公式サイト 空気人形 2009日本 監督・脚本・編集:是枝裕和 原作:業田良家 出演:ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路 ほか ものたりないな~と思ったのは、なんでだろう?と 考えていたんだけれど、 ああ、そうか、 ワタシが期待したものは、 ペ・ド...
2009-11-04 04:55 : Mani_Mani
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2009-11-07 01:44 : 流れ流れて八丈島
空気人形
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空気人形
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2009-11-19 02:37 : 単館系
「空気人形」
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空気人形
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空気人形
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2010-01-22 15:21 : C'est joli~ここちいい毎日を~
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2010-03-31 13:06 : ポコアポコヤ 映画倉庫
空気人形
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映画評「空気人形」
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空気人形
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2019-11-11 08:25 : のほほん便り
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非公開コメント

TBありがとうございました。
ペ・ドゥナの素晴らしさはもとより、わずかな出演ながらもオダギリジョーが演じた人形師の存在感もよかったですよね。

ああいう浮世離れしていながら、的を得たことを言う役。オダギリジョーならではだと思いました。
2009-10-08 19:56 : にゃむばなな URL : 編集
真紅さん、こんばんは。

人間だれでも空気人形。
空気をいれてもらって、生を得る。
死んでしまえば、ただのゴミ。

それでも、そのゴミが美しいと言える人もいる。この映画を見るひと、それぞれにラストシーンを受け取ることができる映画でした。
感動しました。
2009-10-08 21:58 : 筆致 刻久 URL : 編集
にゃむばななさん、こんにちは。コメントとTBをありがとうございます。
そうなんです。。オダギリジョーがとってもよかったですよね♪
ツチヤ倉庫での場面、セリフも印象的でした。
ジョーくんも美しかったし、ハマリ役だったと思います。
2009-10-08 22:58 : 真紅 URL : 編集
筆致刻久さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
この映画、ご覧になったのですね。。私も感動しました。
と言うか、のぞみの姿が愛おしくて、、。涙してしまいました。
家に帰って、吉野弘の詩を読んでまた泣いて・・・。
あのラスト、監督は「わかりやすくした」とおっしゃるのですが、なかなか考えさせられますね。
記事はアップされているのかな。。後ほど伺います。
2009-10-08 23:03 : 真紅 URL : 編集
こんばんは♪
TBありがとうございました。
星野真理のあの一言と、彼女の視線の先にある“物”。
このラストシーン、私の中でいろんな思いや解釈が瞬時に湧き上がってしまい、
涙があふれそうになりました。
セリフも映像も、とても印象的なラストシーンでしたよね。
2009-10-08 23:55 : SOAR URL : 編集
私は未だ見ていませんがぜひ見たいです。吉野弘さんの詩集は部分的に読売新聞で載せておられ感動したのでスクラップにしてあったのを思い出し今、見ています。この詩の中の「欠如」という漢字に大きな感動を覚えスクラップしたことが3年も前ですが思い出します。欠如とは、生命を生き生きと輝かせるために必要でしかし自給自足できない何かを示す。
すべてのものは何かしら意味があり生まれてきておりそして決して一人では生きて行けない。
つまずかなければ忘れてしまう大切な意味のある言葉ですよね。
2009-10-09 00:08 : ninjin_m URL : 編集
真紅さん、こんばんは。
せつなくもステキな映画でしたねー。
私の中では言葉的に、空気さなぎと空気人形は繋がっていたのですが、もっと別の部分でもあれこれ繋がるなーって思える味わいでした。
そうか、「息」は「生き」なんですよねー。
ラストの一言に、賛否(というか否)があるとは思いもよりませんでしたが、そうなんですかー。
2009-10-09 00:19 : かえる URL : 編集
SOARさん、こんにちは。こちらこそコメントとTBをありがとうございます。
私は、のぞみという存在そのものになんだか泣けてしまいました。。
ラストショットはちょっと衝撃でしたね。
その前にも衝撃的なシーンはありましたが、最後ののぞみの姿が目に焼き付いています。
もう一度観たい作品です。
2009-10-10 22:20 : 真紅 URL : 編集
ninjin_mさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
この映画是非ご覧下さい。素晴らしい作品ですよ。
吉野弘さんの「生命は」とても印象的な使われ方をしています。
映画を観た後であの詩を読み返すと、沁みます・・・。
まさしく「欠如」がこの映画のテーマでもあります。
都会で生きるということはどういうことか、考えさせられる作品でもありました。
東京の風景がね、いいんですよ。。
2009-10-10 22:24 : 真紅 URL : 編集
かえるさん、こんにちは! コメントとTBありがとうございます。
はい、本当に切なく、愛おしい映画でした。
そうそう、「空気」つながりですね~。空気さなぎって透明なのかな。。
ラストの一言は、この映画を肯定的に捉えられなければ「否」になるんじゃないかと思いました。
でも、この映画とっても評判いいですね♪
今年の邦画、ベスト作に入れたいと思いますー。
2009-10-10 22:30 : 真紅 URL : 編集
真紅さんのブログをみてどうしても観たくなり2時間をかけて映画館までお出かけしました。ミニシアターでしたがほぼ満席でした。映画を実際にみて映画としてよく出来ているし演技も表現力もあり裸にもいやらしさがなく関心させられることばかりですが観終わった後までもやもやした気持ちが晴れませんでした。人間の自分向きの気持ちを表現しすぎでそこに夢や希望をもう少しあってもいいのではないかという気持ちからです。この映画を観られるくらいの方々ですから人を思いやったり思いやることで自分が幸せになることをわかっている方々が多いことを期待します。真紅さんはどう思われましたか?
2009-10-12 21:25 : ninjin_m URL : 編集
ninjin_mさん、ご覧になったのですね。うれしいです。
この映画、細かい音もとってもよかったと思うので、映画館で観られて正解ではないでしょうか。
で、もやもやした気持ち。。それはとてもよくわかりますね。
観終わってから、いつまでも後を引く作品だと思います。
>人間の自分向きの気持ち
これは、彼らが孤独に生きていて、自らを「空っぽ」だと感じている、ということですね。
確かに、都会で生きる孤独な人々が描かれてはいましたが、ラストでのぞみがしたこと(タンポポの綿毛を飛ばした)はとても希望に満ちていたと私は思います。
劇中で語られる「生命は」という詩には、欠けているもの同士だからこそ満たし合える他者の総和、それがこの「世界」だと謳われています。
間違いなく、世界は美しいです。そう思うことが「夢」であり、「希望」ではないでしょうか。
2009-10-12 21:51 : 真紅 URL : 編集
返答ありがとうございます。
真紅さんの書いておられる事を心にとめて布団の中でもう一度映画を振り返って観たいと思います。
かけているもの同士の総和がこの世界、無意識だけでなく意識して助け合う気持ちも持ちたいですね。
最近、映画祭の企画や里山で子供たちの為にツリーハウス(木の上の家)を作っておられるグループがあります。メンバーは誰でも時間が取れる方は参加できます。自分の夢をわかってほしい、共感してほしいそんな活動が身近で生まれていることはうれしいことです。
もう少し時間が取れる年齢になれば私も参加してみたいです。
2009-10-13 00:02 : ninjin_m URL : 編集
ninjin_mさん、コメントありがとうございます。
都会では人間関係が希薄になりがちだと思いますが、きっとみんな淋しく、人恋しく思いながら生きているんだと思います。
私も時間はなかなか作れませんが、夢や好きなことは大切にしたいですね。
うまくまとまりませんが、これにて。。
2009-10-13 19:10 : 真紅 URL : 編集
TBありがとうございました。
TB有難うございました。
心を持った人形、そして心を失っている
空虚な人間たち…心の交流が紡ぎだす世界感に
何度も見たくなりました。

今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
2009-10-19 21:34 : シムウナ URL : 編集
シムウナさん、こんにちは。コメントとTB、こちらこそありがとうございます。
「欠如」を持ち、それを補い合う「人間」という存在が、愛おしくも切ない作品でした。
人間になりきれなかったのぞみ、しかし彼女が確かに生きたと感じさせてくれるラストもよかったですね。
いい映画でした。私も好きです!
2009-10-20 21:29 : 真紅 URL : 編集
真紅さん

お久しぶりです!ほとんど更新できてない牛歩
状態ですがお元気でしょうか。
これは予告にひかれて観にいきましたが、
ペ・ドウナまたまたすごいなっていう印象が
一番強い作品でした。
そうかー「からっぽ」と「満たす」ってのがポイントになっているのかなぁと真紅さんの
記事を観て改めて思いました。
人によって満たされるものの欲求は違うのかもしれないですね。
2009-10-25 19:00 : kazupon URL : 編集
kazuponさん、こんにちは~。コメントとTBをありがとうございます。
ほんと、お久しぶりですね~。
ほとんど更新されないので、お忙しいのだろうな~と思っていました。
この映画、本当にペ・ドゥナが凄いですよね。
人間って、基本空虚な存在なんだなーと思いますよね。
だからみんな映画観たり本読んだり、友だちと遊んだりしてその空を埋めようとする。
なんだか観終わってからも後を引く、様々考えさせられる作品でした。
それでは久々に、コメントしに伺いますね~。
2009-10-26 11:21 : 真紅 URL : 編集
真紅さん~こんにちは。この映画、やっと、やっと見れました。
予想以上に良かった・・・。今年の(普通は去年よね?(^^ゞ)ベストに入りそう)

ところで、幻の光が、依頼されて撮っていたってこと、こちらで初めて知ったわ。あの秀雄の住んでいた家と、幻の光の浅野君と暮らしていたお家と、雰囲気が似ていたわ・・・。あと、下町のガード下の風景とかね・・・。

で、真紅さんは、吉野さんの詩集もこの後読まれてたのね?
解るわ~。私も凄く興味が沸いちゃった。ドゥナちゃんのあの声の朗読が、すっごく良かった・・・。
2010-03-31 13:12 : latifa URL : 編集
latifaさん、こんにちは。コメントとTBありがとうございます。
私も、この映画は昨年の邦画ではベストだったな~。
思い入れ度で2位にしたけど、傑作だと思っています。

是枝監督、『幻の光』はあんなに評価された作品だったのに、なんだか蚊帳の外よね。
監督にとって、ああいう雰囲気の街並みは近しいものなんだろうかね。。

あのドゥナちゃんの朗読、心にドカーーーンと来るよね。
家に帰ってすぐ、吉野弘さんの詩集を探してポチしましたよ。
詩って、芸術の極みだと思う今日この頃です。
2010-03-31 16:51 : 真紅 URL : 編集
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Author:真紅
 Cor Cordium 
★劇場鑑賞した映画の感想はインスタにアップしています@ruby_red66

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