母なる記憶~『八日目の蝉』
八日目の蝉

 不倫相手の子を連れ去った野々宮希和子は、赤ん坊を自分の子だと偽って
育てる決心をする。と名付けた娘との逃避行は綱渡りであると同時に、愛情
に満ちた日々
だった。

 森に眠る魚同様、実在の事件にヒントを得て紡がれたサスペンス。赤ん坊
の連れ去り、カルト的な新興宗教団体
などの現代的な要素を散りばめながら、
母と子の愛情、家族の絆についての感動的な物語になっている。冒頭から引き
込まれ、滂沱の涙を流しながら読了。しかし、私のツボは一般的なそれとは少し
異なるかもしれない。

 クリクリのいた夏の感想にも少し書いたけれど、幼い頃、夏中を海辺の祖父
母の家
で過ごした。そこは瀬戸内海に浮かぶ島(小豆島ではないけれど)で、
本作に描かれる風景は私が幼い頃から見慣れたものと同じだった。
 あまりにも懐かしく、情景がありありと浮かんで来て、思わず追憶に浸る。神奈
川出身だという角田さんは、かなり丹念に取材されたのではないだろうか。瀬戸
内の風景だけでなく、関西弁にも全く違和感はなかった。

  橙の夕日
  鏡のような銀の海
  丸みを帯びた緑の島


 母って、故郷のことなんだな。私の心の故郷は、瀬戸内の海だ。

(小説とは関係ないことばっかり書いてしまった・・・感想になってないですね)

 (『八日目の蝉』 角田光代・著/中央公論新社・2007)
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[2009/07/09 08:33] | 読書 | トラックバック(2) | コメント(4) |
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コメント
こちらにも☆
そうっかー!!意外な処で、真紅さんのハートをわしずかみしちゃったのね?
あの舞台に思い入れがあるだなんて!!
しかも、ちょうど昨日、クリクリの処で、祖父母+叔父様のお話をしたばっかりだったので、なんだか感慨深いわ・・・。
私は行ったことがないんだけれど、弟が仕事の出張で行って、温暖な感じで島がぽこぽこあって、凄く良い処で、気に入ったー!って強力お薦めしてたの。
なんか、あったかい処が故郷だったり、懐かしい場所って良いなぁ・・・。私にとっては、そういう場所って、寒い処だから、なんだか微妙なんだ・・・(^^ゞ

角田さんは、バカンス?誰か親類か友達がかの地にいるのかな? 前にもね、なんだろうか・・・「ロック母」?ごめん・・記憶がハッキリしないんだけれど、瀬戸内海の島が舞台になってる小説があったわ♪
[2009/07/09 18:12] URL | latifa #SFo5/nok [ 編集 ]
latifaさん、こちらにもありがとう!
そう、もうこれは激揺さぶられ本でしたね。
もう懐かしくて、テーブルに涙の水溜りができていたよ。
弟さん、気に入ってくれてうれしいな♪
ホント、温暖なところなんで是非訪れてみて下さいね。
で、そういう温暖なところで育った私は、小学生の頃「北海道にお嫁に行く」のが夢だったの(爆)。
なんでだろう?? 雪景色に憧れていたのかなぁぁ。
「北大に行きたい」って言ったら「遠過ぎる!」と母に却下されたよ(笑)。

角田さん、離婚されたそうで・・・。
『ロック母』ね、ちょっと調べてみます。
いい本紹介してくれて、ありがとうね~~。
[2009/07/09 19:44] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
こちらにも・・・。
角田さん、離婚なさったの?
そっか~、知らなかった~。
作家さんだけにこの経験がまた新たな作品を生み出す元になるのかもしれませんね。

大学時代の友人が愛媛今治の出身で、夏休みに一度訪れたことがあります。
あのころはまだ瀬戸大橋がかかっていなくて、大阪からジェットホイルに乗ったのだけど、乗り物酔いする私にはかなりビビリの旅でした。
いつも日本海を見慣れている私にとっては、瀬戸内海は同じ海なのにかなり違うな~と思った印象があるわ。
[2009/07/14 09:07] URL | ミチ #0eCMEFRs [ 編集 ]
ミチさん、こちらにもありがとうございます~。
そうなんですよ、はっきりはわからないんですがどこかで離婚されたと書いてあった気が・・・。
違ってたらごめんなさいね(焦)。

私も、初めて日本海を見たときは衝撃でした。
小二か小三のとき鳥取砂丘に行ったんですが、「海が黒い!」と思ったんですよ。
波もずっと高くて、荒々しい感じで・・・。
今は瀬戸内に橋が3つ架かっていますよ。しまなみ海道がオススメです~。
後ほど伺いますね。
[2009/07/14 13:32] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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