読んでも面白い映画たち~『スクリーンの向こう側』
 映画を観るのが大好きで、本を読むのも同じくらいに好きなので、映画関連の
書籍をよく読む。この夏手に取ったのは、『スクリーンの向こう側』戸田奈津子、
淀川長治映画ベスト1000』、『この映画観た?』川本三郎。あと中野翠『コラム
絵巻20年SPECIAL
』の中にも「映画ベストテン'96~'05」が収録されており、面白
く読んだ。少しご紹介します。

スクリーンの向こう側』。戸田氏が字幕翻訳した作品の裏話や、親交のある映画
人との交流などが読めます。スピルバーグトム・クルーズら、ハリウッドの大御所
との「よろしくね」「伝えておくよ」的なお付き合いから、リチャード・ギアの親日
家ぶりなど、映画の一番近くにいる戸田氏ならではのエピソード満載で、とても面白
く読みました。写真入りで綺麗な本だし、読み易いしオススメ。戸田氏がモンゴメリ・
クリフト
の大ファンだったこともわかったし。私の母が(そしてかいろさんのお母様
も)大好きだというモンティ。モテモテですな。

淀川長治映画ベスト1000』。淀川氏の没後、まとめられた評論集。評論と言って
も一作品300字程度にまとめられた短いもの。しかしその数、圧倒的。淀川氏の意外
(?)な好みもわかって面白かった。『妹の恋人』の頃からジョニー・デップを高く
評価されていて、今の日本でのジョニーの人気ぶりを天国で見守っていらっしゃるの
かなぁ・・、などとシミジミしてみたり。ミケランジェロ・アントニオーニとヴィム
・ヴェンダースをはっきり「嫌い」とおっしゃっていてビックリしたり。映画の字引
書籍です。
20060901160146.jpg

 ちなみに私が今まで読んだ中で一番好きな映画関連本は、川本三郎氏の『美しい
映画になら微笑むがよい
』。アジア映画、とりわけ出版当時一番勢いがあった韓国
映画を中心とした評論集で、監督インタビューが秀逸。川本氏はインタビュアーと
しても素晴らしい方だと思います。『この映画観た?』は、その川本三郎氏による
1983年から17年間の雑誌連載コラムをまとめたもの。こちらも監督、製作年、原題
など詳しく網羅されており、映画資料としても読めます。アン・リーを評して
イギリス人以上にイギリス的な映画(『いつか晴れた日に』)を作り、WASP以上
にWASP的な映画(『アイス・ストーム』)を作った
」とあるのがすごく印象的。
川本氏のBBM評を読んでいないのですが、彼がどんな風にBBMを評しているのか、
すごく興味があります。

 中野翠氏は、石川三千花氏とのコラボ本が大好きでほとんど読んでいますが、中野
氏単独の映画評をまとめて読むのは初めてかもしれない。アキ・カウリスマキが大
好きだったり、シャロン・ストーン版『グロリア』に激怒したり(私もこの映画が
許せない一人)、『ムーラン・ルージュ』がワーストだったり(私はバズ・ラーマン
がちょい苦手)、中野氏とは好みが似ているのかも?知れない。『恋する惑星』の
トニー・レオンを「どこがいいの?」とおっしゃった中野氏だけど、実は私も初見
ではそう思ったし(懺悔)。そして何より、先日勝手に傑作認定した『ブギー・ナイツ
が'98のベストワンだなんて!キャ~、うれしい♪ この作品は題材がポルノなだけ
に、特に女性は敬遠してしまいがちだと思うけれど、絶対に観て損はない作品だと
改めて思いました。

 というわけで、「読んでも面白い」映画たち。やっぱり映画って、最高ですね

(『スクリーンの向こう側』/戸田奈津子/共同通信社・WOWOW/2006)
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[2006/09/01 16:12] | 読書 | トラックバック(1) | コメント(8) |
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コメント
真紅さま、こんばんは~。
うんうん、映画って本当に最高ですよね。こんな贅沢な娯楽はないですね~。
川本さん、私も大好きなんですけど、BBMに関して、日経新聞の中でチラリと触れてらっしゃる記事を読みました。確か、アメリカの風景について述べていらしたような。あの何もない荒涼とした彼等の住む土地の寂しさを。
中野さん&石川さん(@顔が掟だ)も大好きです。必ずしも映画の趣味が合うとは限らないのですけど(笑)
[2006/09/02 00:02] URL | 武田 #qs0owOX6 [ 編集 ]
武田さま、こんにちは。コメントありがとうございます。
川本氏のBBM評はキネ旬にも載ったようなのですが、読みそびれてしまっております。
また評論集のような形でまとめられたときに是非読んでみたいです。
中野さん&石川さんはイラストが最高~♪ですね。
他にも何か面白い本があったら教えて下さいませね。
ではでは、またいらして下さい、ありがとうございました~。
[2006/09/02 00:13] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん、こんにちは。
母にさっそく「戸田奈津子さんもモンティ好きなんだってよ~☆」と教えときました!
さて、淀川さんが亡くなってどれくらい経つのでしょうか。今でも好きな映画に出会うと、淀川さんだったらこの作品をどう評価するかなあと考えてしまうわたしです。BBMはどうでしょうかね?きっと好きになってくださったのじゃないかと思うのですが、これは希望的観測かなあ?

映画の評論をまとめた本を読むと、趣味が全部ぴったり合う!なんて人はいないんだね~と思い知らされます。わたしのすんごく好きな映画を褒めてくれている横で、もうひとつのお気に入りはけちょんけちょんにけなしていたりして。なんだか不思議です。ちなみに『ムーランルージュ!』わたし大好きなんですよ~。真紅さんと意見が分かれました!興味深い・・・。
それではこの辺で。
[2006/09/02 14:05] URL | かいろ #- [ 編集 ]
かいろさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
「淀川さんならどう評価するか」これは思いますね。BBM、私もきっときっと気に入って下さったんじゃないかと思います。
バズ・ラーマン、私は『ロミオ+ジュリエット』もダメなんです・・。『ムーラン・ルージュ!』はニコールがこの世のものとは思えないほど綺麗でしたが。。
ほんと、興味深いですね。またお話しましょう!あ、そうそうバトン、何でも受け取らせていただきますので、またよろしくお願いしますね。
ではでは、ありがとうございました。
[2006/09/02 21:39] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
読んでも面白い映画の本、上で採り上げられていない本を二冊紹介します。一つは『最後の映画日記』作者は故池波正太郎。時代小説家として有名な池波氏は同時に筋金入りの映画ファン。数々の映画に関するエッセイを書いておられます。上の本は単行本にまとめられなかったものが中心なんですが池波節とでも名づけたい歯切れの良い文章のリズム、そして、洞察力と厳しさと映画への愛に満ち溢れた言葉の数々は20年以上たっても色褪せていないと私は思います。
二冊目は故淀川長冶氏と共著の『映画行脚』
お二人の対談集でかたや神戸っ子、かたや東京っ子ふたりの街の子が和気藹々、時に丁々発止と戦前からの名画・名優たちの話を語り合います。上のレスにもありましたが淀川・池波両名エッセイストにBBM見て欲しかった・・・・。
[2007/03/07 22:58] URL | misae #VcAkk2zo [ 編集 ]
misaeさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
池波正太郎氏、映画好きな方だったのですね。知りませんでした。
淀川さんとの共著もあるとは・・。
映画への愛が溢れる方の本を読むのはうれしいですよね。
是非読んでみたいと思いました、ご紹介ありがとうございます。
ではでは、また遊びにいらして下さいませ。
[2007/03/07 23:52] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
グロリアこちらにTBさせていただきますね。
淀川さんの紹介する映画で私は育ったようなもんですよ。(年齢分かる!)振り返れば淀川長治さんの功績って大きいと思う。毎週彼が映画案内するテレビ番組は好きだったわ。
中野翠と石川三千花は彼女達の目線が好きよ。この二人のは結構読んでるわ。チバチ重なる。彼女達には。世代感覚が同じだから。先日、三千花さんの「服の掟」読んで思わず喫茶店で笑ってしまった。以外はこの手の本読まないな、中野翠と石川三千花はノリノリで読むけれど。
[2007/09/06 23:05] URL | シュエット #- [ 編集 ]
シュエットさま、こちらにもコメント、それにTBをありがとうございます。
このような古い記事を見つけていただき、感謝です♪
淀川さん、本当に日本の映画好きには灯台のような方だったのではないでしょうか。
私の母もいい映画を観ると「淀川さんに見せたかった」と言うんですよ。
中野翠&石川三千花コンビがお好きな方、多いのですね!
イラストと文章がとってもいいですよね。
私は少し前に中野翠さんの『斉藤佑樹くんと日本人』も読みました。
感想は書けなかったのですが。。
ではでは、後ほど『グロリア』にお邪魔します~。
[2007/09/07 11:26] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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「グロリア」
GLORIA 1980年/アメリカ/121分 何度見ても、ジーナ・ローランズには、拍手を贈りたくなる「グロリア」オープニングの映像がいい。ニューヨーク・サウスブロンクス。カメラを自在に駆使して映し出される下町の光景。空気とか匂いとか人の体温を感じさせる映像。粘っこさがあ
[2007/09/06 22:43] 寄り道カフェ
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いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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