陰謀の構図~『消されたヘッドライン』

STATE OF PLAY
ワシントンDC。新進気鋭の若手代議士スティーヴン(ベン・アフレック)の秘書
が地下鉄で事故死する。マスコミは不倫の果ての自殺だと報道するが、スティー
ヴンの大学時代のルームメイト、ワシントン・グローブ紙記者のカル(ラッセル・
クロウ)だけは、事件の裏にある陰謀に近づこうとしていた。
原題「STATE OF PLAY」には聞き覚えがある。NHKBSで放映されていたBBC
製作ドラマのリメイクらしい。ドラマ版は残念ながら未見、しかし純粋に映画として
十分に楽しめる、上質のサスペンスだった。面白かった&観てよかった! 原題
は訳すのが難しいけれど、一筋縄ではいかない人間関係や、国家の成り立ちの
表と裏を巧く表現したタイトルだと思う。それに比べて邦題は・・・? カルの書い
た「ヘッドライン」は消されてなかったと思うのだけど。。観客をミスリードさせるの
が目的のタイトルなのだろうか。監督はケヴィン・マクドナルド、オリジナルドラマ
の出来の良さもあるのだろう、しかしここまで良質の映画に仕上がったのは、
脚色に参加したトニー・ギルロイの手腕もあるのかも。

そして豪華なのはキャスト陣。『ワールド・オブ・ライズ』では、やる気ゼロが見え
見えだったラッセル・クロウ。久々に彼の演技力を堪能したような気がする。
とても好きな俳優だとは言えないけれど、やっぱり巧いな、と。大好きなレイチェル
・マクアダムスは相変わらずの「でこっぱち」。でも可愛い♪ ウェブ版のブログ
記事を最新型のアップルでアップする彼女と、年代もののPCで地道に取材を重
ね、粘り強くヤマを追うカルとの対比が面白い。反目し合っていた二人が互いを
認め、次第に寄り添う姿もうれしい。
泣く子も黙る鬼編集局長を演じるは「女王」ヘレン・ミレン。この役、オリジナル
ではビル・ナイが演じていたのだとか・・・。そそられます。しかし明らかにミスキ
ャストだと思われるのはロビン・ライト・ペン。綺麗だけど、どう見てもベンアフと
同級生には見えないし、あの夫婦全然似合ってないよ(笑)。あ、ラッセル・クロ
ウとベンアフも全く同級生には見えないな~、ということはベンアフがミスなの
か?? いや、彼はスーツ姿がカッコよかったから、いいんです!

軍事産業と政治の癒着がターゲットかと思いきや、物語は大・どんでん返しで
幕を閉じる。カルの親友への想い、愛する人への想いは全て裏切られる。代議士
とその妻なら、ジャーナリストの親友を利用したあの程度の芝居は屁でもないだ
ろう。涙を浮かべながらキーを叩くカル、しかし正義を貫き通した彼には、肩を並
べて歩く新しい同志がいる。苦い幕切れに、ほんのひとかけらの希望が救いに
なった。
(『消されたヘッドライン』監督:ケヴィン・マクドナルド/2009・米、英、仏/
主演:ラッセル・クロウ、ベン・アフレック、レイチェル・マクアダムス)
- 関連記事
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- はっぴいえんど~『おと・な・り』 (2009/06/05)
- 陰謀の構図~『消されたヘッドライン』 (2009/06/04)
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trackback
『そのスクープが、時代を揺るがす。』
コチラの「消されたヘッドライン」は、2003年にイギリスBBCで放送された大ヒットサスペンスドラマをハリウッドで映画化した5/22公開の社会派サスペンスなのですが、早速観てきちゃいましたぁ~♪ちなみにオリジナルのドラマ「
2009-06-04 10:33 :
☆彡映画鑑賞日記☆彡
{/hikari_blue/}{/heratss_blue/}ランキングクリックしてね{/heratss_blue/}{/hikari_blue/}
←please click
監督は『ラスト・キング・オブ・スコットランド』のケヴィン・マクドナルドってことで興味あって観てきた{/shootingstar/}
ベン・アフレックも出てたし{/hea...
2009-06-04 10:36 :
我想一個人映画美的女人blog
ドキュメンタリーを得意とするケヴィン・マクドナルド監督の消されたヘッドラインは、BBCのテレビドラマを元にした作品だが、設定をアメリカの民間軍事企業に変えて非常にリアリティあふれる作品になっている。
2009-06-04 12:27 :
オヤジの映画の見方
殺人事件を切っ掛けに新聞記者の目線を通して様々なアメリカの闇の部分が見えてくるサスペンス映画です。
2009-06-04 12:37 :
水曜日のシネマ日記
観ようか、、、観まいか、、、悩んだのよ~コレ。・・・・・ラッセル・クロウったら、、、太り過ぎじゃないポヨ~ン いや、、、笑顔はキュートだけどサ【story】ワシントン・グローブ紙の敏腕記者カル(ラッセル・クロウ)は、旧友の国会議員コリンズ(ベン・アフレ
2009-06-04 18:51 :
★YUKAの気ままな有閑日記★
☆仕事が遅番だったので、朝一で観てきました。
ラッセル・クロウの変な髪形(欧米の裁判官のカツラ風)が印象的な作品だ^^;
明日は早番で、朝早いので、短いレビューで終わりますぜ^^;
主人公の新聞記者カルを演じたラッセル・クロウだが、メタボが極まっ...
2009-06-04 21:21 :
『甘噛み^^ 天才バカ板!』
「消されたヘッドライン」よみうりホールで鑑賞
久々に面白いサスペンスをみたと感じました。
新聞社、政治家、闇の組織、殺人…。
おいしいとこ取りな感じもするけれど、それなりに緻密になれらた原作がなければ成り立っていかないと思のです。
ラッセル・クロウは...
2009-06-04 21:56 :
てんびんthe LIFE
(原題:State of Play)
※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
「う~ん。
これは困ったなあ」
----えっ。どうしたの?
なにか問題でも?
「いや、実はこの映画、
観ている
2009-06-04 22:44 :
ラムの大通り
「State of Play」2009 USA/UK/フランス
新聞記者カル・マカフリーに「プロヴァンスの贈りもの/2006」「アメリカン・ギャングスター/2007」「ワールド・オブ・ライズ/2008」のラッセル・クロウ。
下院議員スティーヴン・コリンズに「ハリウッドランド/2006」の
2009-06-04 23:17 :
ヨーロッパ映画を観よう!
◆プチレビュー◆巨大な権力にペンの力で挑むポリティカル・サスペンス。終盤、ひねりすぎるのが惜しい。 【70点】 ワシントングローブ紙の敏腕記者カルは、黒人少年の射殺事件と、国会議員コリンズの部下で愛人の女性が突然死した事件に、奇妙な共通点を嗅ぎ取り調べ
2009-06-04 23:48 :
映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP
イギリスのBBCテレビのテレビドラマを舞台をアメリカに変更して リメイクしたサスペンス。 関係のない2つの事件から巨大な陰謀を嗅ぎ取った新聞記者が真相を めぐって奔走する様をスリリングに描く。ワシントンDCでドラッグ中毒の黒人少年が射殺される事件と。 国会..
2009-06-05 13:38 :
だらだら無気力ブログ
真実を求めて取材を続ける新聞記者がつかんだのは、衝撃の真相!
立ちはだかる巨大な権力を前に、彼らはヘッドラインを守れるのか?・・・意地と執念を見せるジャーナリスト魂を感じて!
物語:ある朝、駅のホームで25歳の女性ソニア・ベーカーが転落死する。そして理想...
2009-06-06 00:19 :
パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ
「消されたヘッドライン」★★★☆
ラッセル・クロウ 、ベン・アフレック 、レイチェル・マクアダムス 、ヘレン・ミレン 主演
ケヴィン・マクドナルド 監督、2009年、127分、アメリカ、 イギリス
「大学からの親友同士、
ひとりは新聞記者に、もうひとりは議
2009-06-06 20:47 :
soramove
ベン・アフレックはやはり相性が悪いかも…。
2009-06-09 17:05 :
My Favorite Things
それは、一人の新聞記者が見た“現代アメリカ最大の闇”。
発売予定日は2009年11月26日
2009-11-08 11:49 :
Addict allcinema おすすめ映画レビュー
英国BBCが製作したTVドラマシリーズ「ステイト・オブ・プレイ~陰謀の構図~」を舞台を米国に移しかえ劇場版としてリメイクした社会派サスペンス「消されたヘッドライン」(2009年、英米、127分、ケヴィン・マクドナルド監督)。この映画は、関連のない2つの...
2009-12-06 07:05 :
シネマ・ワンダーランド
イギリスのBBCテレビの人気ドラマを『ラストキング・オブ・スコットランド』のケヴィン・マクドナルド監督が映画化したポリティカル・サスペンス。あるスキャンダルをきっかけに、巨大な陰謀に巻き込まれていく記者たちの戦いの日々を描く。粘り強いベテラン記者を演じる
2010-01-22 01:49 :
サーカスな日々
消されたヘッドライン
親友の議員がスキャンダルに嵌められた。
新聞記者は事件を追う内に背後に隠された
意外な真相に気付く...
【個人評...
2010-06-14 04:16 :
『映画な日々』 cinema-days
☆☆☆(6点/10点満点中)
2008年アメリカ=イギリス映画 監督ケヴィン・マクドナルド
ネタバレあり
2010-06-18 15:18 :
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
全く関係ないように見えた2つの事件が重なるとき、軍需産業の絡んだ陰謀、政治家と企業の癒着など、政治の暗部がみえてくる…と思ったような思ってないような作品。
結末のどんでん返しは捻られており、オチがまさかの「事件の裏に国家的な陰謀が隠されていたと思ったら...
2012-05-15 09:48 :
いやいやえん
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個人的にはロビン・ライト・ペンは
キレイなので置いておいて、
ベンアフは真紅さんが書いているように
スーツが似合ってましたね。
そして、ラッセルは真紅さんが書いているように
やっぱり上手いとは思います。
個人的にはデブなラッセルは嫌なのですが、
まぁ誰が悪いってワケではなく
ただ組み合わせが悪かっただけでしょうね。
キレイなので置いておいて、
ベンアフは真紅さんが書いているように
スーツが似合ってましたね。
そして、ラッセルは真紅さんが書いているように
やっぱり上手いとは思います。
個人的にはデブなラッセルは嫌なのですが、
まぁ誰が悪いってワケではなく
ただ組み合わせが悪かっただけでしょうね。
miyuさん、コメントとTBありがとうね~。
そうそうそう、miyuちゃんの言う通り!
誰が悪い、っていうのじゃなく、組み合わせが悪いんだよね~。
ロビンの代わりに、誰かいなかったのかな~、ジェニファー・ガーナーとかさ(爆)。
私も、ラッセル・クロウのもっさりはイヤ~。
友達で「ラッセル・クロウの髪型がイヤだから」この映画観ないって子がいるのよ。
なんか、わかる・・・よね。ハハハ。
でも、「面白かったよ」って薦めるつもりです。
そうそうそう、miyuちゃんの言う通り!
誰が悪い、っていうのじゃなく、組み合わせが悪いんだよね~。
ロビンの代わりに、誰かいなかったのかな~、ジェニファー・ガーナーとかさ(爆)。
私も、ラッセル・クロウのもっさりはイヤ~。
友達で「ラッセル・クロウの髪型がイヤだから」この映画観ないって子がいるのよ。
なんか、わかる・・・よね。ハハハ。
でも、「面白かったよ」って薦めるつもりです。