生命の木~『ファウンテン 永遠につづく愛』
ファウンテン


 THE FOUNTAIN


 脳腫瘍に侵されたイジー(レイチェル・ワイズ)を救うため、新薬の開発
に懸ける医師トミー(ヒュー・ジャックマン)「もう、死ぬのは怖くない。私の
変わりに完成させて」
イジーがトミーに託したのは「ファウンテン”源泉”」と題
された一冊のノートだった。

 現代アメリカ、中世スペイン、未来の宇宙を舞台に、時空を超えて永遠の命
と愛を問う異色作
監督「才媛」の代名詞ことレイチェル・ワイズのパートナー、
ダーレン・アロノフスキー
美しい映像と音楽、哲学的な世界観。これは映画館
で観たかった映画
です。

 「死は魂を自由にする」

ファウンテン2

 物語の中心は、創世記にも記されているという「生命の木」。この木の樹液を飲め
ば、永遠の命が得られると。女王のためにこの木を探す騎士のために新薬を
開発
しようと急ぐ博士、そして過去生の記憶に囚われ、生薬を調合し続ける修行僧
のような男。。

 彼らは「愛」ゆえに永遠の「命」を求め、「死」から逃れようとしている。
「死は畏怖への道」「死は病のひとつ」。しかし古代の賢者はこう言う、「死は創造」

 この映画を観ながら、マイケル・カニンガム星々の生まれるところを思い出
していた。現代、過去、未来、宇宙と星にまで繋がる死生観死は終わりではなく
「出発」
であり、新たな生の始まりであるという思想、草花や木の新芽輪廻転生
を見る世界観は本作と驚くほど似通っている。人間が決して逃れられない生と死
について突き詰めれば、自然とそういう考えに行き着くものなのかもしれない。
傷口から草木が生え、身体全体を覆う描写にはキム・ギドクを思い出してしまう。
そしてもう一つの宇宙の謎である「愛」愛ゆえに人は悲しみ、歓びに震え、胸を
焦がす
・・・。ヒュー・ジャックマンの涙が美しい。

 女王から託された指輪は、廻り、巡る命象徴しているよう。指輪を失くした
トミーの狼狽死は、決して終わりではない。しかし三人称の「死」が、一人称
(私)の死、二人称(あなた)の死
になったとき、自分は果たしてそれを受け入
れられるのだろうか
とも考えてしまう。

ファウンテン3

 ダーレン・アロノフスキー監督の作品は初見。ヴェネチア金獅子賞を受賞した
新作
ミッキー・ローク主演なのですね。監督の過去作も観てみたいと思った。

 (『ファウンテン 永遠につづく愛』監督・脚本:ダーレン・アロノフスキー
        主演:ヒュー・ジャックマン、レイチェル・ワイズ/2006・USA)
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テーマ:考えさせられた映画 - ジャンル:映画

[2008/11/17 13:08] | DVD/WOWOW | トラックバック(9) | コメント(4) |
<<贖罪と勇気、そして、再生の物語~『君のためなら千回でも』 | ホーム | あなたに会えてよかった~『青い鳥』>>
コメント
こちらにも。
美しい映像と音楽・・・これは私も
好みでした。
哲学的な世界観・・この部分が正直、私は理解できない部分でもありました。真紅さんがあげていらっしゃるマイケル・カニンガムの作品も
私は挫折したくちで・・・。
真紅さんのように自分の中で整理できている
状態で鑑賞したかったです。まだまだ未熟な
私。過去作品是非挑戦してみてくださいね。
[2008/11/18 09:25] URL | みみこ #mQop/nM. [ 編集 ]
みみこさま、こちらにもコメントとTBをありがとうございます。うれしいです~。
私も整理はできてないんですよ。。正直、ヒューさまがスキンヘッド・・・はビックリでした(笑)。
あの、未来編の部分が賛否を分けますよね。あれは解り難いですよ~。
でも、レイチェル&ヒューの夫婦愛が素敵で・・・、羨ましい(爆)。
みみこさんはこの監督の作品、最近もレビューされてましたよね。
私はこれが初見だったので、噂(?)の『レクイエム・フォー・ドリーム』観たいなって思っています。
ではでは、私も後ほどお伺いします~。
[2008/11/18 17:06] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
ね~~~、映画館で観たかったでしょう!?^^
私、観たのよ~~ん♪
あの想念のイリュージョンはまさに
大きなスクリーンのもの。
色合いもTV画面じゃほんとのところ
本来の色が表現されてないそうなのね。
でも、そんなこと言われてもね~(--)^^

ヒュー様とワイズ嬢、ふたりとも
好演でしたでしょ。
全く内容的には嬉しいほうに期待はずれで(笑)
なんや怪しく書きなぐっておりますが
拙記事、持参いたしました。

この監督の前作もちょいと異色な出来栄え。
でも真紅さんの包容力ある鑑賞眼なら大丈夫!^^
[2008/11/18 18:02] URL | viva jiji #kzLu3bv6 [ 編集 ]
viva jijiさま、こんにちは~~。コメントとTBをありがとうございます。
はい~、これは映画館で観たかったです。
ウチのオンボロブラウン管TVでは、感動も目減りするものと思われ・・・。

ヒュー&レイチェルのカップルはとってもお似合いでしたね。
美男美女で・・・羨ましい!
この監督さん、物凄く頭がいいのでしょうね、きっと。
現在・過去・未来と飛びまくる構成も、彼の頭の中ではちゃんと繋がっているんでしょう。
凡人には、ちょっとついて行けない世界ですが(笑)。
姐さんの感想、読みに伺いますね!
ではでは、後ほど~。
[2008/11/19 14:06] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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