人はなぜ布を織り、纏うのか~北村道子『衣裳術』

Michiko Kitamura
The method of Costume
『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』でサムライたちを美しく飾り、『メゾン・ド・ヒミコ』
でオダギリジョーの完璧なゲイ・スタイリングを担当したトップスタイリスト、北村道子
を知っていますか。
この本は、前半が著者のスタイリングした写真、後半が「服の力」と題されたロン
グ・インタビューで構成されている。アート・ディレクションは中島英樹。
私が彼女の衣裳を意識したのは『アカルイミライ』。『スキヤキ~』では、「ただの
時代劇じゃない」映画の世界観と衣裳がベストマッチしていた。しかし『アカルイ
ミライ』では、浅野忠信とオダギリジョーのスタイリングは異彩を放っていた。
私はあの映画から同性愛的な匂いは嗅ぎ取れなかったのだけれど、北村さんが
表現したかったのは「ゲイ的な世界」だったのだそう。また『メゾン~』の感想で「ゲイ
たちの衣裳が汚い」とレビューされていたブロガーさんがいらした。私はそうは思わ
なかったのでビックリした記憶があるのだが、メゾンの住人たちは近所の人にいじ
められているという設定だったため、あえてそう見える衣裳にしたのだという。鋭い方
には、ちゃんとそういうことがわかるのだなぁと反省。
生い立ちから、世界を放浪した若き日々、スタイリストになったきっかけや俳優と
の出会い、映画の仕事について。独特の価値観とセンスを感じさせる彼女の言葉
は、「孤高の仕事師」として耳を傾けるに、十分値すると思う。タオイズム、「道」を
追求する北村道子の「衣裳道」。まさに人生の先達です。
(『衣裳術』北村道子・著/2008・リトルモア)
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{/book/}「衣裳術」北村道子
北村道子さんの名前は、知ってる人は知ってるけど、知らない人は全く知らないかもしれません。ちなみにオダギリジョーファンだったら絶対に知ってる名前だと思います。
北村道子さんはトップスタイリスト、衣裳デザイナーとして数々の衣裳を...
2008-11-12 23:01 :
ミチの雑記帳
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こんにちは♪
読んでくださったのね~!
北村さんの生き方考え方がビシーっとしていて、なんだか近づきがたい雰囲気を感じました。
そんな彼女に見込まれてるオダジョー始め何人かの俳優たちは幸せですよね。
北村さんが同じ町出身なのがちょいと自慢です(笑)
読んでくださったのね~!
北村さんの生き方考え方がビシーっとしていて、なんだか近づきがたい雰囲気を感じました。
そんな彼女に見込まれてるオダジョー始め何人かの俳優たちは幸せですよね。
北村さんが同じ町出身なのがちょいと自慢です(笑)
ミチさま、こんにちは。コメントとTBをありがとうございます♪
この本、ミチさまのお宅で拝見しなかったら知らないままだったと思います。
ご紹介、ホントに感謝しています。すっごく刺激的な本でした!
北村さん、石川県の方なのですよね。自慢、しまくって下さい(笑)。
ではでは、またお伺いします~。
この本、ミチさまのお宅で拝見しなかったら知らないままだったと思います。
ご紹介、ホントに感謝しています。すっごく刺激的な本でした!
北村さん、石川県の方なのですよね。自慢、しまくって下さい(笑)。
ではでは、またお伺いします~。