名プロデューサーかく語りき~『仕事道楽―スタジオジブリの現場』

スタジオジブリのプロデューサーとして、数々の名作を世に送り出してきた
鈴木敏夫氏。高畑勲、宮崎駿という一筋縄ではいかない天才クリエイターを
叱咤激励し、作品を完成させる「日本一の猛獣使い」。著者自らの歩みはもち
ろん、両監督との出会いと人柄、ジブリ設立や作品製作にまつわる秘話、プロ
デューサーとしての哲学など、ジブリファンならずとも得るところ大と思われる
「聞き書き」形式の新書。写真やイラストも楽しめるし、とっても面白かったです。
日本では「映画は監督のもの」とされ、プロデュース業って滅多に表に出ること
がない気がする。そんな業界の中で、鈴木さんは多分日本で一番有名な(表に
出る)プロデューサーじゃないだろうか。
宮崎駿に較べ、高畑勲の人となりはあまり紹介されたことがなかった気がする
けど、これ程の超「変人」だったとは・・・。でも、そんな高畑さんを宮崎駿は大好
きなんですね。鈴木さんを含めた三人の関係は、「尊敬し合っていない」と言い
つつも、とても強い絆で結ばれている。宮崎駿がどれくらい純粋に、真摯に作品
と向き合っているかも語られていて、私は感動のあまり、読みながら二度ほど
泣いてしまった。
どんなに素晴らしい作品が生み出されても、それがマーケットに乗り、多くの
人の目に触れなければ意味が無い。営業や宣伝で、如何に映画の運命が左右
されるかもよくわかる。鈴木さん、これからもジブリをよろしくお願いしますよ!
(『仕事道楽―スタジオジブリの現場』 鈴木敏夫・著/岩波書店・2008)
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羞恥心ではなくて”好奇心”
真紅さん、こんばんわ。
真紅さんが薦めていたので読みました。
”好奇心”と”細部へのこだわり”。これが、クリエイターに最も重要なキーワードだったとは、驚きました。感心しました。
何回やってもTB出来ませんでしたので、メールのみで失礼します。ではまた。
真紅さんが薦めていたので読みました。
”好奇心”と”細部へのこだわり”。これが、クリエイターに最も重要なキーワードだったとは、驚きました。感心しました。
何回やってもTB出来ませんでしたので、メールのみで失礼します。ではまた。
2008-11-18 18:58 :
筆知 刻久 URL :
編集
筆知 刻久さま、こんにちは。コメントありがとうございます。
この本、読まれたのですね~、ありがとうございます!
新書ですが、とても読み応えのある本だったと思います。
TB、お手数かけてすみません。こちらからは届くと思うのですが・・・。
後ほどお伺いしますね。ではでは~。
この本、読まれたのですね~、ありがとうございます!
新書ですが、とても読み応えのある本だったと思います。
TB、お手数かけてすみません。こちらからは届くと思うのですが・・・。
後ほどお伺いしますね。ではでは~。