傍流六景~『ホルモー六景』

『鴨川ホルモー』の続編と言うべき、スピンオフとしての短編集。正直、本編(?)
よりもこちらの方が数段面白かった!万城目氏の才能に改めて感嘆。
『鴨川ホルモー』の裏エピソードが、恋愛話を軸に語られる。処女作を執筆中、著者
の頭の中には全てこれらの物語が構想として在ったのだろう。何気ない伏線が、
切なくも心温まる結末に収束していく運び方は見事。
特に『もっちゃん』の壮大な時間軸の仕掛けと、『長持ちの恋』のリインカーネー
ション的純愛譚には唸った。特に後者は、読みながら滂沱の涙を流してしまった
ほど。
この勢いで、本編の方の続編も読んでみたいな。安倍は「告げ人」になったのか?
楠木ふみとのその後は? 影が薄かった三好兄弟のエピソードも膨らませて欲し
い。マキメワールド、結構ハマリます。
(『ホルモー六景』万城目学・著/角川書店・2007)
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イラストレーションは石居麻耶。デザインは岩瀬聡。初出「野性時代」+プロローグ書き下ろし。デビュー作『鴨川ホルモー』読了後に読むのが...
2008-07-22 02:51 :
粋な提案
{/book/}「鴨川ホルモー」 万城目学
第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。
表紙を見ると、ビートルズの「アビィ・ロード」を模したようなデザイン。
イラストの奥の方に見えるのは八坂神社。となるとこれは四条通りですね。
「鴨川」とタイトルにあるくらいですから...
2008-07-24 21:38 :
ミチの雑記帳
コメントの投稿
夜は短し・・
真紅さん、すっかりマキメワ-ルドにはまっていますね。
筆知のほうは、関西が舞台・もてない大学生が主人公・ファンタジーノベルと共通項で、おなじみの森見ワールドのほうに、はまっています。
「太陽の塔」「四畳半神話体系」と続けて読んでおります。
祇園祭の暑いころは、森見ワールドやマキメワールドが、よく似合うのでしょうか。
筆知のほうは、関西が舞台・もてない大学生が主人公・ファンタジーノベルと共通項で、おなじみの森見ワールドのほうに、はまっています。
「太陽の塔」「四畳半神話体系」と続けて読んでおります。
祇園祭の暑いころは、森見ワールドやマキメワールドが、よく似合うのでしょうか。
2008-07-22 22:35 :
筆知 刻久 URL :
編集
筆知刻久さま、こんにちは。コメントありがとうございます。
マキメさんと森見さんの作風、似通っているという指摘を他のブログさんで見かけました。
私は森見さんの本は読んだことがないのですよ。
今度チェックしてみますね。
関西は、本当に暑いです。。脱出したい(笑)
ではでは、また私もお伺いしますね。
マキメさんと森見さんの作風、似通っているという指摘を他のブログさんで見かけました。
私は森見さんの本は読んだことがないのですよ。
今度チェックしてみますね。
関西は、本当に暑いです。。脱出したい(笑)
ではでは、また私もお伺いしますね。
こちらにも・・・。
「もっちゃん」が誰であるか知った時は驚きました。
そして「長持ちの恋」は思わずウルッときてしまって(笑)
マキメさんは時間軸を超えて・・・っていうのが上手いですよね。
すっかりやられてしまってます。
「もっちゃん」が誰であるか知った時は驚きました。
そして「長持ちの恋」は思わずウルッときてしまって(笑)
マキメさんは時間軸を超えて・・・っていうのが上手いですよね。
すっかりやられてしまってます。
ミチさま、こちらにもコメントとTBをありがとうございます。
マキメさんって常人よりも、時間と空間を多く使って生きている人のような気がしません?
若いはずなのに趣味とか昭和っぽいし、物知りだし。
心のスケールの大きな人なのでしょうね。
『鹿男』が早く読みたいです!
ではでは、またお伺いします~♪
マキメさんって常人よりも、時間と空間を多く使って生きている人のような気がしません?
若いはずなのに趣味とか昭和っぽいし、物知りだし。
心のスケールの大きな人なのでしょうね。
『鹿男』が早く読みたいです!
ではでは、またお伺いします~♪