銀色ロケット~『銀色夏生の視点』

出ると必ず手に取ってしまう銀色夏生の新刊。幻冬舎の隔月刊誌『papyrus』
に一年間連載されたものをまとめた本。『papyrus』は購入したことがないし、
銀色さんが連載してるなんて全く知らなかった。今までずっと「引きこもり」気味
に、たった独りで本を作ってきた銀色さんが、「人と交流すること」を公開した
記録。初めてのサイン会、読者とのインタビュー(対談)が主な内容。
「ファンレターは読まない」と公言したり、人前に出ることなど想像もつかない
暮らしぶりだった銀色さんの心境の変化に驚き。私もかれこれ20年近く愛読者
なので、サイン会で感極まったり、何も言えなくなってしまう読者の様子に共感
してしまう。大阪でもやってくれないかな~、サイン会。オフ会でもいいけど。
『つれづれノート』シリーズはある種の中毒作用のようなものがあって、嵌ると
なかなか抜け出せない。しかし銀色さんの書く詩やエッセイに100%共感でき
るわけでもなく、彼女の人となりが好きというわけでもないのに、自分はどうし
てずっと読み続けているんだろう? きっと私は自由過ぎるほど自由で、何事
にも捉えらることのない彼女の強い生き方に憧れているのだと思う。私にとっ
て銀色さんは、精神的な姉のような、従姉妹のお姉さんのような存在なのだ
と思う。
私も、「銀色ロケット」の乗組員の一人なのかな? もし乗り遅れていたとして
も、ロケットの軌道をいつまでも眺めていたい。地球の片隅で。
(『銀色夏生の視点』銀色夏生・著/幻冬舎・2008)
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