真紅、内田先生に会いに行く~『態度が悪くてすみません-内なる「他者」との出会い』
 某日、大ファンである内田樹先生の講演に行ってきた。JR京都駅近くの某所。
久しぶりに京都まで電車で行った(前回いつ行ったか思い出せない)けれど、すご
いことになってる、京都駅。シャルル・ド・ゴールみたい(全然違)。バックパ
ッカーの外国人観光客と修学旅行生がたくさん、さすが京都。今回はとんぼ帰り
だったけれど、いつかゆっくり歩きたいなあ。もちろん、涼しくなってから。

 今回の講演のチケットは、僅か三分でソールド・アウトだったらしい。メール
での申し込みのみ受付で、勿論私もNTTの時報と同時にメール送信した。運よく
チケットをGETできたけれど、キャンセル待ちも相当数あったらしい。

 会場で受付をしていると、なな、なんとアコガレの内田先生がいらっしゃった
ではないか!一瞬にしてミーハー根性炸裂、「ウ、ウチダ先生!大ファンなんです!」
と声をかけてしまう。内田先生、目を点にしておられた・・。すみませんでした。
ああ、恥ずかしい、反省。
 内田先生は白のボタンダウンのシャツにノーネクタイ、ジーンズにネイビーの
麻(多分)のジャケット、といういでたち。このボタンダウンシャツの襟のボタン
が片方止まってなくて、お話の間時々触っておられた。駆け寄って止めて差し上げ
たかった(馬鹿)。

 講演のテーマは「記憶・時間・父性」。一番最近読んだ内田先生の著作は『態度
が悪くてすみません-内なる「他者」との出会い
』で、この本は比較的わかり易い
のだが、ご専門のフランス現代思想、構造主義関係の著作となると何がナンだか?
というものもある。しかしお話は本当にわかり易く、時に笑いを取り、エンター
ティナー
のような語り口。先生は1950年生まれで、ご自分のことを「老狐」などと
表現されることもあるのだが、その声の若々しさにも驚く。

死者とのコミュニケーション」がここ数年の研究テーマとのことで、興味深いお話
がたくさん。「忘れない」ことが死者にとって一番の弔いであること、正しい弔いを
すれば死者はあの世へ行くし、正しくない弔いをすればこの世に残って災いを
成す。記憶の再構築は一人では不可能であり、人が過去について語るときはその
相手に惹かれているのだということ。複式夢幻能と精神分析との関係。父的な
ものとの確執について書かれた作品ではカミュの『異邦人』が優れていること、この
作品はフランス語で書かれた小説の中では一番の世界的ベストセラーであること・・。
などなど、あっと言う間に楽しい時間は過ぎゆくのでありました。

 もちろん『異邦人』は再読決定。この作品は高校生のとき読んだと思うのだけれど
全く何も憶えていない。また内田先生の著作は「週刊内田」かというほど出ているの
で、『9条どうでしょう』『街場のアメリカ論』などなど未読のものをどんどん読ん
でいきたいと思った。そしてまた是非講演でお話を聴いてみたい。
 講演者と聴衆という立場であっても、実際にお会いしているんだという感覚が、
難解なテキストとの距離も縮めてくれるような気がしたから。
内田先生、ありがとうございました。

(『態度が悪くてすみません-内なる「他者」との出会い
                      内田樹・著/角川書店/2006)
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[2006/07/05 09:18] | 読書 | トラックバック(0) | コメント(7) |
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コメント
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[2006/07/05 12:43] | # [ 編集 ]
真紅さま、こんばんは♪
あれれ?「ランド・オブ~」にTBさせていただいたのですが、失敗してしまったかも・・・。ちょっと時間を置いて再度チャレンジさせてください。

ところで!おおお。内田先生の講演をお聞きになられたのですか!いいですね~~~。(先生の声って、とても素敵ですよね)
ちょうど、「態度が悪くてすみません」の、今、「出会いとご縁」のところを読んでるとこだったのですが・・。「異邦人」私も高校の時に読んだけれど、全部忘れています!再読しなければいけませんね。本の呼び声を感知すること・・・感知できるか再確認です(笑)
[2006/07/05 21:39] URL | 武田 #qs0owOX6 [ 編集 ]
武田さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
TBは届いていないようですね、また再トライしてみて下さい。
さて。行ってきましたよ~講演。すご~く面白かったです。
今『9条どうでしょう』を読んでいますが、読むより聴くほうが頭に入りますね。
先生のゼミの学生さんが羨ましいです。
ではでは、また遊びに来て下さいね。ありがとうございました。
[2006/07/06 01:55] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
内田樹という方を知ったのは最近なのですが^^;
ブログを読んで、ファンになってしまいました。
7/5のエントリー「おとめごころを学ぶ」がおもしろかったです。
若い頃に少女小説を読んでいない男性は
「“前思春期の少女の恋心”に共振して泣くことはむずかしい。
でも、それは物語のもたらす悦楽の半分をあらかじめ失っていることなのである。」

こういう文章を読むとますます内田先生のファンになってしまいます。

[2006/07/06 12:03] URL | miyuco #ubwH2qN2 [ 編集 ]
miyucoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
内田先生はずっと以前に朝日新聞にコラムを書かれていて、私はその頃からファンになりました。
本当に素敵な方でしたよ。「おじさん的思考、おばさん(又は少女)的感性」の秘密は、幼い頃の読書体験にあるようですね。
私は古典的名作(カラマーゾフの兄弟とか)はほとんど読んだことがない(読んでも内容を忘れている)ので、ぼちぼち読まねば・・と思っています。
また遊びに来て下さいね。miyucoさん宅にも伺います。素敵な息子さん達だな~って羨ましく拝読してます。
ではでは。ありがとうございました。
[2006/07/06 13:00] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
わざわざ、拙ブログにおいでいただきコメントのレスありがとうございました。
これだけメッセージが来るということは、今まで相当不義理していたのね?という感じです。
[2006/07/06 14:00] URL | しじみ #- [ 編集 ]
しじみさん、こんにちは。こちらこそコメントありがとうございました。
京都で、娘さんと擦れ違っていたかもしれませんね。いろいろありますが、人生長いです、焦らずゆっくり行きましょう。
BBMの記事も、また書きたいな~と思っています。『カサノバ』もお勧めですよ。
では、またそちらにも伺いますね。ありがとうございました。
[2006/07/06 15:03] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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