![]() 少女拉致監禁事件の被害者だった作家が、手記を残して失踪した。そこには、 事件の真実が綴られているのか? 実在の事件に触発されて書かれた、直木賞 作家桐野夏生による長編。柴田練三郎賞受賞作。 桐野夏生の小説は、生々しい描写、湿度の高い文章という印象がある。その 湿度を生むのは、血や汗という人間の体液だ。心の闇に分け入り、人間の行動 や感情、悪意や衝動を形作るものの正体を暴き、描き切ろうとする作家・桐野 夏生の意欲と覚悟に戦慄さえ覚える。人間の「関係性」という迷宮に挑むその 姿勢は、孤高な戦士のようでもある。 望まないままに極限状態に置かれた人間が、生きる希望として残されるはず の「想像力」と「記憶」。『潜水服は蝶の夢を見る』の中で、ロックトイン・シンド ロームに陥った主人公ジャン=ドミニク・ボビーはそれらを蝶の羽根として、 自由に羽ばたいた。しかし本作の主人公は彼とは逆に、「想像力」と「記憶」 の囚われ人となり、自由とも希望ともどんどん遠ざかってゆくかのようだ。 子どもであったり、女性であったりする「存在」それ自体が「欲望」の標的と なり、悪意と邪念の中で汚される不条理。残虐と言うには余りにも理不尽な 弱者の運命に、読後しばし、言葉を失くす。 (『残虐記』桐野夏生・著/2007・新潮社) ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| 真紅のthinkingdays |
★コメント・TB・拍手大歓迎です!★コメント・TBともに管理人の承認後、表示されます。記事は基本的にネタバレありです。作品Indexもご活用下さい。どうぞご贔屓に♪
|
Categories
|
|
|
|
|
|
What's New?
|
|
Author:真紅
|
|
|
|
Search this site
|
|
|
|
|
|
RSS
|
|
|
|
|
|
Powered By FC2ブログ
|
|
|
|
|
|
Thank You!
|
|
|
|
|