![]() 「作家は、処女作に向かって成熟する」という言葉を聞いたことがある。 第一作に書き手のエッセンスは凝縮されるものだし、如何にデビュー作を 超える作品を生み出すか、苦闘している作家は多いだろうと思う。 本作は、山崎ナオコーラ氏初の書き下ろし短編集。全体に一貫したテーマ があるわけではなく、人が出てこない話だったり、年表形式だったり、著者本人 としか思えない人物が登場したり。かなり実験的な試みをしつつ、各編がどこ かで繋がりを持つ手法を採る、なかなかの覚悟を持って書かれた労作だと 感じた。 しかし。同時に、文藝賞を受賞し、芥川賞候補にもなった『人のセックスを 笑うな』で華々しくデビューした著者にとっても、デビュー作にして傑作である 処女作の呪縛は相当、大きいのだろうとも感じてしまった。身を削るように、 書くことしかできないと腹を括ったような著者の姿勢には、痛々しささえ感じ てしまう。 映画化され、大ヒットしたことも記憶に新しい『人セク』は、本当にいい小説 だと思う。『カツラ美容室別室』にはガッカリしたけれど、あの処女作とこの 短編集を書いた山崎さんなら、これからも読み続けたいし、応援しようと思 った。 次は長編に期待してます。 (『論理と感性は相反しない』山崎ナオコーラ・著/講談社・2008) ![]() |
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装幀は名久井直子。装画は宇野亜喜良。書き下ろし短編集。さくさくと楽しく読めました。
神田川歩美や矢野マユミズの日常をさまざまな時間... 粋な提案【2008/05/04 02:01】
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| 真紅のthinkingdays |
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