![]() My Left Foot: The Story of Christy Brown 重度の脳性小児麻痺により左足しか動かせない主人公が、強靭な意志と家族の 愛情、周囲の支えによってその才能を開花させてゆく。アイルランドの作家・芸術家、 クリスティ・ブラウン。その生涯を自伝に基づいて描いたドラマ。主人公クリスティを 演じたダニエル・デイ=ルイスはアカデミー賞主演男優賞を受賞、クリスティの母を 演じたブレンダ・フリッカーも助演女優賞を受賞している。「ダニエル・デイ=ルイスの 若き日」鑑賞シリーズ第三弾。いやこれは必見の映画だと思います。 Entertainment Weekly誌が、今までに唯一A+の評価をした作品、らしい。 脳性麻痺の主人公といえばまず、イ・チャンドン監督の『オアシス』が思い浮かぶ。 主人公コンジュを演じたムン・ソリの迫真の演技と「姫と将軍の恋」は驚きを超えて 私たちの涙腺を破壊したけれど、元祖「メソッド・アクター」ダニエル・デイ=ルイスも 負けてはいない。彼は撮影中車椅子を降りず、肋骨を二本骨折したという。 言葉を発することも、左足以外は動かすこともできなかったクリスティが、初めて 「MOTER」と書き記す場面は涙が滲む。彼を「オレの息子、天才だ」と酒場に連れ 出す父、声のトーンでこれから息子に何が起こるか察する母。しかし、この映画の 素晴らしいところは、この実話をただの「涙の感動作」として綺麗にまとめてしまわ ず、クリスティの挫折や煩悩、身勝手さゆえの人間臭さも隠さず描いているところ だと思う。だからこそ、彼の芸術的才能が花開いたのは自身の努力だけでなく、 周囲のサポートあってのものだというごく当たり前の真実が、まっすぐに伝わって くるのだ。 ![]() そして、映画全体のトーンも驚くほど明るい。太陽の恵み少ないアイルランド ・ダブリンが舞台、典型的カソリックの子沢山(22人兄弟!)家庭、ハンディキャ ップを持つ主人公とくれば、貧困と生活苦で暗いイメージの映画になりそうなも の。ところがクリスティの兄弟は皆明るく小奇麗で、ひねたところがない。彼を 手押し車に乗せてどこへでも連れ出し、草サッカーではプレースキッカーを任せ、 石炭泥棒まで共謀する。ユーモアを忘れず、時に自虐的なブラックジョークを 披露するクリスティの突き抜けた聡明さと相まって、家族の雰囲気は決して悲観 的なものではない。もちろん、現実はもっと大変だったのだろうけれど・・・。 リハビリによってより明瞭な発声を授け、クリスティの可能性を拡げてくれた 女医アイリーン(フィオナ・ショウ)への思慕と手痛い失恋。「心しか愛されない のは愛じゃない、心も体も愛してほしい」彼の魂の叫びが胸を打つ。荒れて落ち 込むクリスティに「がっかりしたよ。お前の足をおくれ」と言い放つ母。その手で ツルハシを握り、猫の額ほどの庭にクリスティの部屋を作ろうとする強さ、逞しさ。 そこには自己憐憫や甘い感傷は微塵もなく、子の可能性を信じる強い光にも似た 「祈り」だけがある。 ラストシーン、生涯の伴侶と共に丘の上で開けるドンペリ。弾けるような最高 の笑顔のクリスティに、私も思わず駆け寄りたくなる。 ![]() (『マイ・レフトフット』監督・脚本:ジム・シェリダン/1989・アイルランド、英 /主演:ダニエル・デイ=ルイス、ブレンダ・フリッカー) テーマ:この映画がすごい!! - ジャンル:映画 ![]() |
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真紅さま
いつもチェックだけはさせて頂いています。現在忙しくて、映画館はご無沙汰で、今暫くその状態が続きそうです。が、しかし、これ頂き! です。 是非鑑賞してみたいと思いました。例によって真紅様のレヴューを観ない様に読んでいたのですが(我ながらスゴイ技術!)ついつい真紅様の文章力に引きずられ、80%読んでしまいました。 早速探してみます。(〈オアシス〉も良い題名でしたが、〈マイ・レフト・フット〉も良いですね) Mariaさま、こんにちは〜〜〜〜。お元気ですか? 来ていただいてうれしい〜♪
コメントありがとうございます。 この映画、是非オススメしたいです。尺もそんなに長くないですし、素晴らしい映画ですよ! お忙しいときでも、きっと心に爽やかな余韻を残してくれる映画だと思います。 ムン・ソリも凄かったですが、ダニエルの迫力も凄いです。 またお話しましょうね。ではでは〜。 ダニエルいきます!
頑張ってダニエル作品見てるんだ! これはね、アカデミー受賞したけど、美しくないから、あまり見たくない作品。どいってもDVD門照るんですけどね。全くダニエルって完璧主義者。ラスト・オブ・モヒカンでもトレーナーをつけて原住民が山野を駆け走るレベルにまで数ヶ月かけて練習したって。アイルランドを舞台にした「ボクサー」でも、何でも本格的に完璧にやる人だからボクシングも本格的に練習して鼻を骨折してる。見たら分かるけど、以降の作品少し鷲鼻ぽくなってる。こんなレビュ読んでいると、ますます「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」早く来て欲しい! シュエットさま、こちらにもありがとうございます!
そうなんです、ダニエル特集してみました。でもまだまだですね〜。 DVDをお持ちなのですね。これは子どもにも観て欲しい映画だな・・と思いました。 この映画でも食事の時さえ左足しか使わず、介助が必要だったと聞きましたが、「原住民」って・・・。 凄いですね〜。。並の役者じゃできないですね。 そんな彼が褒めてくれたヒース・レジャーも、素晴らしい役者だったのに(涙)。 『ゼア・ウィル〜』、来月3日からですよね。GW明けには観られるかな・・・。 楽しみですね! ではでは、私もまたお伺いします〜。 真紅さま
TB させて頂きました。やっと観る事が出来ましたので。 良い作品だったと思います。つい日常の事に紛れて、見落としてしまっている様な隣人の孤独…ハッとさせられました。気付き…大切ですね。
【2008/04/16 21:23】
URL | Maria #-[ 編集]
Mariaさま、こんにちは。ご覧になったのですね!コメントとTBをありがとうございます。
誰もが孤独を抱えていると思いますが、身体の自由がきかないクリスティの孤独は深かったと思います。 それでもあれだけのことを成し遂げた彼の人生は素晴らしかったですね。 後ほどお伺いしますね。ではでは。。 ![]() |
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生まれながら脳性小児麻痺で体の自由がきかない、作家であり画家であるアイルランド人クリスティ・ブラウンの自伝的作品…と知って見てみたいと思いました。
脳性小児麻痺の人物が主役の作品と言えば韓国映画〈オアシス〉を思い出さない訳にはいきません。ムン・ソリの... Maria【2008/04/16 21:16】
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| 真紅のthinkingdays |
★コメント・TB・拍手大歓迎です!★コメント・TBともに管理人の承認後、表示されます。記事は基本的にネタバレありです。作品Indexもご活用下さい。どうぞご贔屓に♪
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