ちょっと考えてみました~『ティファニーで朝食を』

BREAKFAST AT TIFFANY'S
Truman Capote
translated by
Haruki Murakami
とにかく、この「ティファニー・ブルー」の装丁を見て下さい!ゴールドの縁取り
に、主人公ホリーの飼っている名無しの猫のイラスト。すっきりとしたソフトカ
バーのこの本は、1950年代のニューヨークを風のように軽やかに生きたホリー・
ゴライトリーそのもののようです。
トルーマン・カポーティの中編小説と言うよりは、オードリー・ヘップバーン
の主演映画としてのほうが(多分)有名な『ティファニーで朝食を』。村上春樹の
新訳により、装いも新たに登場です。私は小説は初めて、映画も未見。ホリーを
演じたオードリーのポートレイトや、テーマ曲『ムーン・リヴァー』はもちろん知っ
ていますが、物語としての『ティファニー』に触れるのは初めてです。
タイトルを知ったのは子どもの頃で、てっきりティファニーとはレストランだ
と思っていました。でも、ある時某国のプリンスが、「プリンセスには、ティファ
ニーで買い物しまくるような方にはご遠慮いただきたい」と発言なさったのです。
「ティファニーで買い物? ジャムとか?」そう思った私が、そこが世界一有名な
ジュエリーショップだと知るのに、そう長い時間はかかりませんでした。
この本には、表題作のほかに3つの短編が含まれています。いづれも、イノセ
ンスとその終焉を描いたもので、決して心温まるハッピーエンドの物語ばかりで
はありません。どこかに毒や哀しみが潜ませてある、しかし心に沁みる物語だと
言えるでしょう。特に、ブラッシュアップの後に再録された『クリスマスの思い出』
は、忘れられない余韻を残す物語です。
さて。「あとがき」にて訳者も「どんな女優がホリーにふさわしいか、ちょっと
考えてみて下さい」とコメントされていますので、恒例のキャスティングをしたい
と思います。今回は監督&キャストの組み合わせで。
★勝手にキャスティング★
その1:監督:ウッディ・アレン
ホリー:スカーレット・ヨハンソン
ポール:ライアン・ゴズリング
ニューヨークといえばこの人。ホリーには監督の新ミューズ、スカ嬢。原作者
のカポーティはマリリン・モンローをイメージしていたらしいので、適役かも。
その2:監督:マーティン・スコセッシ
ホリー:ナタリー・ポートマン
ポール:ポール・ダノ
同じくニューヨーク派の巨匠。麻薬王サリーのエピソードを膨らませそうです
ね。原作とは全く違う、ハードボイルドな作品にしていただきましょう。
その3:監督:ソフィア・コッポラ
ホリー:キルスティン・ダンスト
ポール:ジェイソン・シュワルツマン
実は原作を読んで、最初に思い浮かんだホリーのイメージは意外にもキキちゃん
でした。大ブーイングかしら(笑)。
ポールは暗黒王子系俳優で。ジェイソンは『ダージリン急行』でも自称作家を
演じていたので。そしてどの監督が撮る場合でも、日本人ユニヨシ役は香川照之
さんでお願いします!
(『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ:著/
村上春樹:訳/新潮社・2008)
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