祝☆つれづれ復活!~『子どもとの暮らしと会話』

終息宣言から何年経ったのかな?
何はともあれ銀色夏生の「つれづれノート」
シリーズ復活ですよ~。うれしいな♪
つれづれを止めてからの銀色さんは精力的に様々な企画の本を出し続けて
きたけれど、やっぱり還ってきてくれたか~、という感じ。今回はタイトルの通り、
カーカ(カンチ)とさくちゃん、二人のお子さんとの会話、エピソードが中心で、
はじめのうちは日付もない。しげちゃんやセッセはどうなったのかな?っていう
のだけが気懸かりだけど、潔くて銀色さんらしいかも。と言うより、書いていた
当初はそんなつもりはなかったけど、結局つれづれの形に戻ったということなの
でしょう。
全くタイプの違う二人のお子さんに対する銀色さんの気持ちがリアルで、ぐん
ぐん引き込まれて一気に読んでしまう。特に、子どもに厳しく接すると家の中の
雰囲気が悪くなるし、楽しく過ごそうと思えば躾けられないし、っていう下りは首が
折れそうなほど頷きながら読む。365日、「脱いだ靴下を洗濯籠に入れなさい」
と言い続けても、366日目にはまたリビングに靴下が脱ぎ散らかしてあるときの
挫折感がわかる人に読んで欲しい(笑)。もちろん銀色さんの子育てに対して、
全面的に共感できるわけではないですよ。自分の子(特にカンチ)に対するあまり
に突き放した視線にはたじろいでしまうほど。
「子どもの受験なんて、自分には関係ない」って、そこまでドライに割り切れるもの
なのかなぁと思う。
銀色さんって、詩とか文章だけでなく、生活の、衣食住のすべてが作品という
意識なんじゃないかな。子どもたちさえも。一時期、書くものに説教臭さが感じ
られたこともあったけれど、自由で何者にも捉えられず、媚びないところが彼女
のよさだと私は思っている。だからこれからも伸び伸びと、好きなことを書き続
けて欲しいと思う。
「自分たちのことが書いてある本が売れるんだよ」とカンチが言っているのが笑え
た。子どもってホント、わかってるよなぁ~と感心する。本は図書館で借りることが
多い私も、つれづれだけは絶対に買ってしまうもんなぁ。500円ちょっとだし、気軽
に、気楽に読めるし、面白いから買っても絶対損した気分にならないし。毎年楽し
みにしていたシリーズなので、復活は本当にうれしいです。
銀色さん、角川文庫さん、ありがとう♪
(『子どもとの暮らしと会話』銀色夏生・著/角川文庫・2008)
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