![]() BRODRE 「人生はいつだって矛盾に満ちている。けれど、この愛は変わらない」 職業軍人のミカエル(ウルリク・トムセン)は美しい妻サラ(コニー・ニールセン) と二人の娘に恵まれ、幸せな日々を送っていた。服役していた弟のヤニック(ニコ ライ・リー・コス)が出所した日、ミカエルはアフガニスタンへと派遣される。 ヘリが撃墜されミカエルは捕虜となるが、サラはミカエルが死亡したと知らされ る・・・。 『しあわせな孤独』のスザンネ・ビアによる2004年の作品。ドグマ映画ではないが、 限りなく自然光に近い照明で撮影された映像が荒々しくもリアル。ハリウッドでも ジム・シェリダン監督、デイヴィッド・ベニオフ脚本、トビー・マグワイア、ジェイク・ ジレンホール、ナタリー・ポートマン主演によるリメイクが製作中の注目作。 ![]() 兄弟二人、賢兄愚弟、豹変する兄、刑務所。どこか『ゆれる』に似ている話だなと 感じながら観入っていると、エンドロールとともに「WHEN I'M COMING HOME」 という歌声が流れて更に驚いた。憶えていますか、「テクテクテクと、うちに帰ろう・・」 という歌詞。しかも両作とも女性監督であり、こんな偶然の一致ってあるのだな、と 感心してしまった。 『硫黄島からの手紙』でも、栗林中将が自宅の「お勝手」の不具合を案じていたけれど、 ミカエルも派兵前、キッチンのリフォームを気にかけている。彼らにとって台所とは 愛する妻を象徴する場所なのだろうか。正気を失ったミカエルが破壊するところもま た、そのキッチンだ。 矛盾。確かに人生は矛盾に満ちている。サラの元に帰るために犯した罪がミカエル を壊し、彼女と家族から一番遠いところに心を吹き飛ばしてしまう。「皆殺しだ!」と 言われたサラや、幼い娘たちの心の傷を思う。そして、ミカエルの心の傷も。疎まれ ていたはずの弟が家族の中心にいて、妻や娘たちと笑い合う風景。ミカエルは妻と弟 の仲を疑ったのではなく、自分の居場所が誰かに取って代わられたことが虚しかった のかもしれない。命懸けで守ろうとした場所なのに・・・。 ヤニックもサラも、お互いに惹かれ合っていたのだろう。それでもギリギリで、真 っ赤なバスルームの扉の前で踏み止まったのは、兄への、夫への愛なのか。そんな 二人の微妙な心の揺れを、しっかり見抜いている娘のナタリー。その幼い心の揺れも また、痛ましい。 何があったか、サラは話して欲しいと言う。話さなければ永遠に会わないと。しか し極限状態で生きるか死ぬか(殺すか殺されるか)を選択させられたミカエルにとって、 自分のしたことを愛する妻に告白すること、それがどんなに残酷なことか・・・。 しかし、ミカエルが打ち明けなければ二人は決して向き合うことも、再び愛し合うこ とも出来ないという矛盾。一度破壊された家族の絆を再生させるために、ミカエルは ありのままの姿をサラに晒すしか術がない・・・。 「愛している。何があろうと」 これはミカエルのセリフだけれど、サラもきっとそう言うだろう。葬儀に普段着で 臨んだ彼女は、とても柔軟な考え方をする女性だと思う。彼女なら、きっとミカエル を受け入れられると信じたい。 ![]() ミカエルを演じたウルリク・トムセンはロビン・ウィリアムズに似ているが、その痛ま しいが決して過剰でない演技は素晴らしかった。コニー・ニールセンはキム・ベイシン ガーやモデルのSHIHOのような美しい人。彼らを若いトビーやナタリーが演じるとは、 リメイクはまるで違う色合いの物語になりそうな気がする(弟役のジェイクはまだしも)。 もう少し上の年代、いっそロビン・ウィリアムズが演じてくれたらよかったのに。 とは言いつつ、物凄く期待しています。 (『ある愛の風景』監督・原案:スザンネ・ビア/2004・デンマーク/ 主演:コニー・ニールセン、ウルリク・トムセン、ニコライ・リー・コス) ![]() |
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真紅さん、こんばんは。
サラの寛容な優しさ、強さにはとても感動させられました。 自分や子どもの安住を守ることが精一杯という女性も実際には多いと思うので。 ナタポーじゃあ、この役はちと不安ですよねー。 『ゆれる』に似た兄弟確執ものでもありましたが、なるほど、エンディングの音楽も似たようなアプローチだったんですねー。 そして、キッチンのリフォーム! 『再会の街で』もそんなネタがありました。 こんばんは、真紅さま!
そうですね、ロビン・ウィリアムズには、似てましたよね! 確かに、彼を起用したらイイかもしれません! でも、ジェイク・ギレンホールと兄弟というのは無理かもしれませんね。 とても重厚なしっかりした人間ドラマでした。心理描写が鮮やかに描かれていて。 この監督さん、言いにくいことを台詞ではなく映像で、逃さず表現する辺り、尊敬してしまいます。 お邪魔します〜
年明けから重い作品をご覧になられたのですね。奥さんの強さが印象的でしたね。すべてを受け止めるのはなかなか難しいですものね。 ミカエル・・・ロビンウィリアムズ似なるほど・・。 いい男でしたよね・・・笑 リメイクの俳優さんって↑今知ったのですが 随分と若いのですね。だいぶ感じが違って くるような気がしますが楽しみですね・・♪
【2008/01/15 09:04】
URL | みみこ #mQop/nM.[ 編集]
かえるさま、こんにちは。コメント&TBをありがとうございます。
そうなんです、サラってとっても寛容な女性ですよね。 葬儀の衣装のエピソードに、それが端的に表されていたと思います。 ナタリーもいい女優さんだと思うし好きですが、ちょっと若すぎですよね! エンディングの音楽が似ていて、もしや西川監督、インスパイアされたか?と思いました。 『再会の街で』は観られそうにないのでDVD待ちですが、似たようなエピソードがあるのですね。 期待して観ようと思います! ではでは〜。 とらねこさま、こんにちは。コメント&TBをありがとうございます。
似てましたよね〜、表情といい口元といい。。 でも、彼とジェイクじゃ親子ですね(笑)。 重厚でしたよね。実は台詞も少ないんですよね〜。 でも、すごく説得力のある演出だと思います。キスするところでね、音楽が止んで無音になるところ、ニクイ!みたいな。 リメイクもですが、監督の次回作も楽しみですね〜。 ではでは、またお伺いします〜。 みみこさま、こんにちは。コメント&TBをありがとうございます。
そうなんです、新年早々こんな重い映画を泣きながら(笑)。 サラは本当に強くて美しい女性でしたね。。 ミカエル、理想の旦那さんだったのに・・。でもサラなら受け止められると信じています。 リメイクね、意外な感じでしょう? キャスティングを聞いたときは大喜びしていたのですが、映画を観たらちょっと戸惑う感じです。 でも、ジェイクだもの〜♪期待しております。 ではでは〜。 真紅さん、こんにちわ
見られたんですね〜、そういえば「ゆれる」と似ていますね、同じ女性監督だし、この監督凄いですね、BBMもそうだったけど、映画の中でどの場面も必要だし、意味がありました、だからあの女の子が言ったセリフも意味があったんですね、そして脚本も、そして役者陣も素晴らしかった、特にミカエルとサラは、サラは見た目もハリウッド女優のオーラがありますよね?ミカエルは言われてみるとロビンに似てますね、 僕はやはりミカエルに感情移入して見てた気がします、特に帰還してから捕虜仲間の家族に会いに行ったシーンは、無邪気な赤ちゃんや夫の帰りを待つ健気な若妻がクローズアップされるたび胸が締め付けられました、そしてラストのきれいな映像の中でのふたりの会話、切なくなります、 ミカエルが戦場でしたこと、これは究極の選択ですね、僕がその場にいたらどうしただろう?って考えちゃいました、ミカエルは「家族のためにやった」と言ってましたが・・・、でも考えると怖ろしい! ハリウッドのリメークはどうなるのか楽しみです、3人ともオリジナルより若いので内容も多少違う方に期待しますが、J・シェリダンの「イン・アメリカ」オススメですよ〜
【2008/01/15 10:18】
URL | イニスJr #-[ 編集]
イニスJrさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
今年初めて劇場鑑賞した映画がこの作品でした。たくさんのお客さんで驚きました。 やはり、いい映画は口コミで人が入るのだな、と思いましたよ。 役者さん、本当にいい演技でしたよね。 ミカエルとサラは愛し合う夫婦の絆をうまく表現していたと思います。 サラは綺麗でしたね〜、スタイルいいし。。 私も、女ですがミカエル中心で観てしまいました。 サラには何故かあまり感情移入できなかったんですよ。 捕虜生活でも強い意思と気力を保っていたミカエルの選択・・・。究極ですよね。 本当に、戦争は恐ろしいです。今もアフガンでは日常的に戦闘が行われているわけで、考えさせられますね。 ハリウッドリメイク作は必ずけなされるのでジェイクファンとしては複雑な気分です。 が、期待して待ちたいと思います! 『イン・アメリカ』未見ですのでチェックしてみますね♪ ではでは、また遊びに来てくださいね〜。 こんばんは、TB&コメントありがとうございました。
私は『アフター・ウェディング』を見た次の週にこの作品を見たのですが、 どちらの作品も、死んだと思った人が、ふらりと帰ってきたという点で、 似ていたように思います。突然帰ってきたことで、人間関係に微妙な ひずみができてくるプロセスが、うまく演出されていましたね。 ご指摘のとおり、たしかに男がキッチンにこだわるというのは、 いろいろな映画に見られることです。スピルバーグの『ミュンヘン』など、 ノワール作品ですら、キッチンにこだわる男がいますね。 脚本よりも演出で見せるタイプの作品なので、ハリウッドリメイクは かなり引っかかるものがあるのですが、果たしてどうなのでしょうか。 いろいろと手を加えられる部分もあることでしょうね。 丞相さま、こんにちは。こちらこそコメント&TBをありがとうございます。
この監督の作品は、日常に「突然」、「死」や「事故」が起こり、そこから生まれる人間関係の歪みを描いていますね。 演出が、とても繊細で説得力あるものだと思います。 そういえば、『ミュンヘン』でも相当キッチンが出てきましたね。 その他にも、考えてみればいろいろな映画で描かれていそうです。 ハリウッドリメイクは、もはや全く違うテイストの作品になってしまうのではないかと思います。 「脚本よりも演出」確かにそうですね、セリフが意外と少なかったように思いますし。 とは言え、リメイクも期待して待ちたいと思っています。 ではでは、またです〜。 こんばんは♪
TBさせていただきました。 キッチンに目をつけられるなんて真紅さんすごい〜。 確かにそうでしたよね。 あと、「ゆれる」に似てるって私も思いました。 ギリギリの線でサラとヤニックが踏みとどまってくれてホッとしましたが、その辺りの微妙な感情は娘にはバレてましたね(汗) 「しあわせな孤独」も興味津々ですけど、レンタル店にあるかしら。 ハリウッド版はなんか別物になりそうな気が(笑) ミチさま、こんにちは〜。コメント&TBをありがとうございます。
私はこれが今年初映画だったのですが、ドカーーーンと来ました。 キッチンって、家の中で一番大事な場所かもしれないですね。。 エンディングテーマも似てるなんて、凄い偶然の一致だなとビックリしました。 しかも女性監督だし・・・。 ハリウッド版は今撮影中のようですが、どんな作品になるでしょうね。 『しあわせな孤独』レンタルにあると思いますよ。是非ご覧になって下さい。 ではでは、後ほどお伺いしますね〜。 ![]() |
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| 真紅のthinkingdays |
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