映画閑談~『映画を見ればわかること 2』

川本三郎氏が『キネマ旬報』誌で連載中のコラムをまとめた二冊目の本。一冊目は
もちろんロドリゴ・ガルシア監督作『彼女を見ればわかること』からタイトルをアレンジ
した『映画を見ればわかること』。印象に残った映画のディテイルが大切に、丁寧に語ら
れている。
私は映画好きではあるけれど、『キネマ旬報』という雑誌を一度も買ったことがない!
ので(立ち読みすることはあります)、全てのテキストを新鮮な感触で読むことができた。
但し、観る予定のある未見作品については斜め読みで(笑)。
一番嬉しかったのは、ずっと念願だった『ブロークバック・マウンテン』についての
川本三郎氏の文章を読むことができたこと。以前、川本氏のBBM評を読みたい!と
記事にも書いたことがあるのだけれど、やっと宿題を果たした気分。西部劇における
「サドルパル」(馬上の友、くらいの意?)とからめて、イニスとジャックの「友愛」と、
アメリカ中西部の風景についてサラリと綴られている。サラリとはしているけれど、
最後に原作の話が出てくるところを見れば、川本氏もBBMには相当心動かされたの
ではないか、と想像してうれしくなる。
邦画、洋画というジャンルにこだわらず、たくさんの愛すべき映画について語られ
ていて、いつまでも読み続けていたい気分になった。感じたこと、印象に残った文章
はたくさんあるのだけれど、この辺りで止めておきます。映画を愛する方々に、是非
読んでいただきたいな。
(『映画を見ればわかること 2』川本三郎・著/キネマ旬報社・2007)
- 関連記事
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映画を見ればわかること〈2〉
2009-05-09 22:54 :
忍者大好きいななさむ書房
コメントの投稿
真紅様 はじめまして
川本さんのBBM(とメルキアデス)の記事が載ったキネ旬当時読みました。
西部の男は女性との恋愛より男同士の友情を大事にする伝統がある、という話でしたね。
昔TVで観た「OK牧場の決闘」のドク・ホリデイなんて正にそれでした。
どこかで読んだのですが、実際西部開拓時代は男ばーっかりで、女が少なかったそうです。
男女比率が40対1とか(ホントかあ!?)。
そういう予備知識が前提としてあれば、BBMの様な話も実はよくある事だったのかもなと。
映画観たとき「これって限りなく現実に近いフィクションではなかろうか」と思いましたから。
川本さんのBBM(とメルキアデス)の記事が載ったキネ旬当時読みました。
西部の男は女性との恋愛より男同士の友情を大事にする伝統がある、という話でしたね。
昔TVで観た「OK牧場の決闘」のドク・ホリデイなんて正にそれでした。
どこかで読んだのですが、実際西部開拓時代は男ばーっかりで、女が少なかったそうです。
男女比率が40対1とか(ホントかあ!?)。
そういう予備知識が前提としてあれば、BBMの様な話も実はよくある事だったのかもなと。
映画観たとき「これって限りなく現実に近いフィクションではなかろうか」と思いましたから。
2008-01-15 21:31 :
garagie URL :
編集
garagieさま、初めまして!拙ブログへようこそ、コメントありがとうございます。
キネ旬、読まれたのですね。「サドルパル」っていい言葉ですよね。
BBMはタブーを正面から描いた映画なんだと思います。
だから、それに薄々気付いていた方にはそれほど衝撃もなく受け入れられたのではないでしょうか。
アカデミー賞授賞式でも西部劇映画のパロディが流されましたよね。
私は『OK牧場の決闘』は観ていませんし、古い西部劇もあまり知らないのです。
だから結構、衝撃を受けました(笑)。
またお話できるとうれしいです。気軽に寄ってみて下さいね。
ではでは~。
キネ旬、読まれたのですね。「サドルパル」っていい言葉ですよね。
BBMはタブーを正面から描いた映画なんだと思います。
だから、それに薄々気付いていた方にはそれほど衝撃もなく受け入れられたのではないでしょうか。
アカデミー賞授賞式でも西部劇映画のパロディが流されましたよね。
私は『OK牧場の決闘』は観ていませんし、古い西部劇もあまり知らないのです。
だから結構、衝撃を受けました(笑)。
またお話できるとうれしいです。気軽に寄ってみて下さいね。
ではでは~。