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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅 (言葉を探す人)   ★劇場鑑賞した映画は Instagram にアップしています @ruby_red66 ★Stay Blue

天使の梯子~『マリア』

マリア


 THE NATIVITY STORY


 今から約2000年前、イスラエル・ナザレの人々はヘロデ王の課す重税に苦し
んでいた。貧農の娘である少女マリア(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)は大工
職人ヨセフ(オスカー・アイザック)と婚約するが、ある日聖天使ガブリエルから
受胎告知を受ける。両親や周囲が冷たい視線を浴びせる中、ヨセフだけは苦悩
しながらもマリアを信じるのだった・・・。

 イエス・キリスト降誕にまつわる物語を、母マリアとその夫ヨセフの信仰と夫婦
愛の物語
として描いた作品。クライマックスには「Silent Night」も流れ、クリ
スマスも間近なこの時期に鑑賞するにはピッタリな、清らかで荘厳な雰囲気が漂
う。監督はロード・オブ・ドッグタウンキャサリン・ハードウィック

 聖母マリアが処女のまま、12月25日に馬小屋でイエス・キリストを生んだ事は、
知識として知ってはいた。けれどマリアに夫がいたことや東方の三賢人について、
生まれたばかりのイエスを抱えた夫婦がエジプトに身を隠したことなどは、この
映画を観るまで知らなかった。亡くなった私の父方の祖母はプロテスタントで、
小さい頃は教会にお伴したりしたこともあったのだけれど、恥ずかしながら私自身
は全くの宗教音痴、歴史音痴なのです。

マリア2

 ごく普通の少女だったマリアが、ナザレからベツレヘムへの厳しい旅の中で
となる覚悟
と、夫ヨセフへの尊敬と愛を育む。ヨセフはごく普通の、丈夫な足を
持った青年。しかし彼の「自分より他人を思いやる」その高貴な心が感動的に描き出
されるのだ。川を渡り、山を越え崖を下り、ロバに自分の僅かな食料を与える。
マリアの夫に彼を選んだのは、間違いなく神の御意志なのだな、と思える。いつ
も眉を八の字に、口を硬く結んだマリアが、ヨセフの側で徐々に柔らかい表情
と変わってゆく。そして出産を終えた後の、なんとも安らかな三人の姿・・・。
髭もじゃのヨセフも、驚くほどハンサムに見えてくる。

 惑星の大接近による光が、天使の梯子のようにイエスの生まれた厩に注ぐ映像
神々しく美しい。この夫婦のその後や、イエスの生い立ちについて、もっと知
ってみたいと思った。もうすぐクリスマス、2000年以上前の出来事に、今年は
思いを馳せてみよう。

マリア3

『マリア』監督・製作総指揮:キャサリン・ハードウィック/2006・USA
      主演:ケイシャ・キャッスル=ヒューズ、オスカー・アイザック
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

2007-12-13 : 映画 : コメント : 8 : トラックバック : 13
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『マリア』
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2007-12-13 16:46 : ★YUKAの気ままな有閑日記★
マリア                 THE NATIVITY STORY
大天使ガブリエルのお告げにより〈神の子〉を身ごもったナザレのマリアと、その婚約者ヨゼフが〈神の子〉をこの世に迎え入れるまでの〈生誕物語〉 監督/製作総指揮:キャサリン・ハードウィック 脚本:マイク・リッチ 出演:ケイシャ・キャスル=ヒューズ(マリア
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マリア
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真紅さん、こんにちは!
TB&コメントありがとうございました。
私も何の信心もありませんが(困った時は神様!!と叫ぶけど・笑)昔から何故か旧約聖書や新約聖書に惹かれ、神話にも魅せられていましたので、この映画は心に沁みました~
この映画ではヨセフがとても優しい人に描かれている点が良かったです。
マリアがイエスを産むシーンでは、ジーンとなりました。こういう優しく静かな映画もいいものですね。
2007-12-13 16:53 : 由香 URL : 編集
真紅さま
コメント&TB ありがとうございました。
イエス様が育った場所は花咲き、湖ありの比較的のどかな場所と言われていますが、荒れた不毛の地などを見る時、人は神に祈る以外何が出来たのだろう…と思います。
本当に大切な美しいものを見せてくれた作品でした。
私もエンド・ロールまでズット見ていました。
自分の心も少し綺麗になったような気分で…(笑)
TB させて下さいませ。
2007-12-13 17:00 : Maria URL : 編集
由香さま、こんにちは~。こちらこそコメント&TBをありがとうございます。
私もね、毎日神さまにお願い(お祈りじゃなくて、笑)してますよ。自分だけの神さまにです。
西洋の映画を理解するためには、神話と聖書の知識は必要だと聞きます。
由香さまは両方ご存知なのですね、私も本を読もうかな~。
今の時期にピッタリな映画でしたね。
劇場では、すすり泣く声があちこちで聴こえましたよ!
ではでは、またお伺いします~。
2007-12-14 10:12 : 真紅 URL : 編集
Mariaさま、こんにちは。コメント&TBをこちらこそありがとうございます。
マリアとヨセフが「教えることは何もないかも」と笑っていましたが、夫婦はどんな風にイエスさまを育てられたのかな、と考えてしまいました。
二人が本当にごく普通の人だったことにもちょっと驚いたり・・。
神と言うか、何か大きなものの存在を信じるしか生きる術がない人々もいますよね。
本当に美しい映画でした。。ヴァチカンでプレミア上映されたとか。
エンド・ロールの音楽もよかったですね!
ではでは、またお伺いします~。
2007-12-14 10:19 : 真紅 URL : 編集
こんにちは。すっかりお邪魔が遅くなって(いつもながら)ごめんなさい。

長い人生の中で、知らず知らず耳にし記憶していた「言葉」としての「受胎告知」「東方の三博士」が、
生命力を持った、人間の物語として素直に自分の中へ入って来た気がします。
このような経緯で生まれた命が、やがて『パッション』で描かれた最期へと繋がるのだと思うと、
母親の目線で観てしまう部分もありました。
本来の意味を知らないはずの日本人のクリスマスを常々疑問に感じていましたが、
この時期に心を洗われるような作品に出会えて、
無宗教同然のわたしでもとても嬉しく思いました。
2007-12-16 09:10 : 悠雅 URL : 編集
悠雅さま、こんにちは。コメント&TBをありがとうございます。
『パッション』ご覧になっていらっしゃるのですね。
友人が「正視できないくらい凄かった・・」と言っていたのを憶えています。
アメリカでは、劇場でショック死した方がいた、と聞いたような?
イエスさまの受難を描いているのですよね、メル・ギブソン、う~ん、どんな映画か観てみたいような・・・。

クリスマスといえば、日本ではサンタクロースの来る日ですよね。
でも、本来はこういう日なんだよなぁ、と思いました。
聖書とかギリシア神話とか、もっと知りたいなとも思いました。
ではでは、またお伺いします~。
2007-12-16 19:48 : 真紅 URL : 編集
真紅さんこんばんは
マリアが気取らない普通の女性に描いてありましたね。むしろヨセフの無償の愛に感動しました。
2007-12-18 20:53 : ケント URL : 編集
ケントさま、こんにちは。コメント&TBをありがとうございます。
マリアが本当に普通の女の子で驚きました。ヨセフは素晴らしい人格者ですね。
後ほどお伺いします、ではでは~。
2007-12-19 08:51 : 真紅 URL : 編集
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