![]() A MIGHTY HEART 2002年1月、パキスタンのカラチで一人のアメリカ人ジャーナリストが誘拐・ 殺害された。夫と同様にジャーナリストである身重の妻、マリアンヌ・パールの 視点から事件を追ったドキュメンタリータッチのドラマ。マリアンヌの手記に感銘 を受けたブラッド・ピットが映画化権を取得、自らの私生活上のパートナーである アンジェリーナ・ジョリーを主演に製作した「ブランジェリーナ」印の話題作。 監督は英国の俊英(と呼ばれて久しい)マイケル・ウィンターボトム。 夫が誘拐されても冷静さを失わず、気丈に振舞う妻マリアンヌ(アンジェリーナ・ ジョリー)。夫を喪って慟哭はするけれど、テレビのインタビューでは「殺されている のは夫だけではない」と誰も責めず、恨み辛みを嘆くことはしない。彼女があれほど 強く、寛容でいられるのは、未だ見ぬ我が子の為なのだろうか。 ![]() 撮影中、自らも妊娠中であり、マリアンヌと親交があったというアンジーは、 特徴ある独特のアクセントとウィグ、ほぼノーメイクに近いやつれた姿で好演。 手持ちカメラと細かいカット割りで、臨場感溢れる映像も悪くは無い。しかし、 誘拐事件発生後はほとんどマリアンヌの(正確にはインド人記者アスラの)自宅で 物語が進行し、ドラマらしい盛り上がりやカタルシスには欠ける。勿論、実話で あり最悪の結果を迎えた悲劇であるわけだから、エンターテインしろと言うつも りはない。それでも、観ながら眠気を憶えたというのが正直なところ。マリアン ヌがお経を唱えている場面で仰天し、眠気は吹っ飛んだのだけれど・・・。 9・11以降の世界は、国家、民族、宗教、様々な対立が止まない。アメリカ人 ジャーナリストを見ればCIAを疑い、ユダヤ人だと言えばモサドを疑い、中東系 の顔立ちを見ればアルカイダを疑う。疑心暗鬼と相互不信に、世界が包囲されて いるかのようだ。誘拐、殺害、テロリズム。絶え間なき負の連鎖。 登場人物たちのその後を語るテロップによれば、殺害されたダニエル・パール (『カポーティ』の脚本を書いたダン・ファターマンが演じている)の両親は、文化 相互理解の為の財団を設立したという。互いを知らない、無知から恐怖は生まれ、 憎悪へと煽られる。悲しみ、苦しみ、喪失の痛みを越えて、枠に囚われず互いに 「理解すること」。それこそが、今この世界に求められているのだと思う。 (『マイティ・ハート/愛と絆』監督:マイケル・ウィンターボトム/ 製作:ブラッド・ピット/主演:アンジェリーナ・ジョリー/2007・USA、UK) ![]() |
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真紅さま TBありがとうございました。
マリアンヌがなぜあんな寛容の心を持てたのか 私はそこに至る過程がどうしても知りたいのですよねー。憎しみの連鎖を断ち切る,という考え方かもしれませんし,そうでなければならないのですが,おそろしく人間の本能に反した考え方ですから,絶対自然に生まれるはずはないんですよ。それなのに,彼女はそれができた。彼女だけでなく,私たちも見習うためには,彼女がそこに到達できた理由を知らなくちゃならないのに,映画には描かれていない。題が「マイティ・ハート」なんだから,そこをちゃんと教えてくれよーって思いました。その点,不満の残る作品でしたねー。
[2007/11/28 19:28]
URL | なな #-
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こんばんは!
TB&コメントありがとうございました。 アンジーの演技は素晴らしかったですね。 彼女の慟哭には涙が溢れてしまいました。 お経には私もビックリしましたが(汗) 事件が事件ですし、起きた事実に対して真摯に描こうとした姿勢は良いと思うのですが、あまりにもドキュメンタリー風過ぎて、記録映画のようになってしまいましたね。 不謹慎ながら、私も時々眠気を感じました。 もうちょっとテーマ性があった方が、もっと映画にのめり込めたでしょうね。 ななさま、こんにちは。こちらこそコメント&TBをありがとうございます。
マリアンヌの強靭さ、寛容さは演じるアンジーも「どうしてだかわからなかった」とどこかで述べていました。 確かに人間離れしていますね。かと言って感情が薄いわけでもなく。 ラストの方で、結婚式の場面が出てきたじゃないですか。 あそこで字幕に「仏教の心は・・と、・・と、・・」とありましたよね。 読経する場面も出てきたし、彼女の信仰にその答えはある、と言う感じもしました。 でも、ちょっと消化不良感、確かにありましたね。 ではでは、またお伺いします〜。 由香さま、こんにちは。こちらこそコメント&TBをありがとうございます。
アンジーの演技はとても評価されているようですね。 それだけに、ちょっと作品的には残念に思いました。 静かでドキュメンタリータッチな映画でも、必ず眠気が起こるとは思えないんですよね。 やはり、もう一工夫欲しかったというか・・。 サスペンスの要素をもっと入れるとか、なんとかなったような気もしますね。 まぁ、アンジーを観る映画と割り切るしかないのかも?(笑) ではでは、またお伺いします〜。 ![]() |
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| 真紅のthinkingdays |
いつまでも青臭い映画好きでいたいのです(名前は紅いんですが)。 観た映画と読んだ本の覚え書き。 記事は基本的にネタバレありです。 どうぞご贔屓に♪
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