ソウルメイト(魂の伴侶)~ブロークバック・マウンテン#12
 BBMに関するヒース&ジェイクのインタビューを読んで、驚いたのが二人とも
ソウルメイト」について言及していること。
ヒース「(ミシェルについて)彼女は俺のソウルメイトなんだ。もうこれ以上ない
くらい愛し合っているよ」
ジェイク真のソウルメイトとは、ベストフレンドかつ性的な関係を持たずには
いられない間柄だと思う」

 私が初めて「ソウルメイト」という言葉を知るきっかけとなったのは、今から
15年ほど前、シャーリー・マクレーンの世界的ベストセラー『アウト・オン・ア・リム
を読んだこと。この本で語られている言葉、輪廻転生、前世、来世などは、当時は
あくまで精神世界という特殊なカテゴリの中の用語であり、日常会話で使われ
ることなどほとんどなかったと思う。しかしこの本をきっかけに精神世界、ニュー
エイジの大ブーム
が起こり、一般的にも少しづつ広がっていった。かく言う私も
元来の「ハマリ体質」ゆえすっぽりとハマってしまい、シャーリー・マクレーンか
ら青山圭秀、リチャード・バックなどの著作を読み漁った記憶がある。
 まあ「ソウルメイト」は元々英語なので、この言葉が日本よりはアメリカで浸透
しているのは当然かもしれない(日本では「運命の赤い糸」という言い方のほうが
通りやすいだろう)。アメリカの男の子事情はよく知らないけれど、25、6歳の
オニイチャン」であるヒース&ジェイクが、揃って「ソウルメイト」という言葉を
遣ったことが少し不思議に思えた。

 日本ではまだ知名度はそう高くないと思っていた「ソウルメイト」だが、最近『「あの
ひと」と語った素敵な日本語』
というタイトルの対談(インタビュー?)本を読んで、
そうでもないのかな?と思わされた。タイトルにもあり、語り手である「あのひと」と
は文中でYさんとされているが、実はフランツ・カフカ賞受賞作家村上春樹氏の妻、
陽子さん
である。彼女が「ただの関係じゃない、大切なパートナー」との関係を「ソウル
メイトってこと
?」と発言していたのだ。日常会話のレベルにまで「ソウルメイト」は
下りて来ているのか。私は観たことはないのだけれど、近頃は「スピリチュアルカウン
セラー」の方のTV番組があるそうなので、その影響も大きいのかもしれない。

 と、BBMとは全然関係無いことを長々と書いてしまったが、今日のお題は
「イニスとジャックはソウル・メイトだったのか?」ということ。
ソウルメイトとは「魂の伴侶」と言われ、前世で縁があった二人が現世でも必然的
に出会い、生涯のパートナーとなることをさす。初めて会ったのに初めての気がし
ない、とても気が合う、どうしようもなく惹かれてしまう、といった状態だろう。
もちろん異性とは限らない。ジェイクの見解では「性的な関係」も含まれる。

 イニスとジャックは20歳で出逢った1963年の夏から、ワイオミングとテキサスに
離れて暮らしながら20年近く逢瀬を重ねる。「彼らの魂が惹かれあった」「お互いの
the other halfである
」という意見をよく目にするが、それは心身ともに、精神的に
も肉体的にも彼らが惹かれあったということだろう。一見全然違うことのように思え
るが、肉体的な関係(行為)というのは実はお互いの精神、魂の一番深いところに近
づくこと
なのではないかと思う。ジャックを失って初めてイニスは自分の半身を失った
ことに気付き、ラストで「永遠」を誓う。それは生も死をも超越した「魂」の誓いの
ように響いた
。またいつかどこかで、二人はきっと逢えるだろう。
 図らずもヒースとジェイクが同じように「ソウルメイト」という言葉を口にしたの
も、イニスとジャックが彼らの人生の一部になっていたことの証のように思えるのだ。
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[2006/05/30 16:47] | ブロークバック・マウンテン | トラックバック(1) | コメント(15) |
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コメント
真紅さん、またもやこんにちは。
#11のほうにコメントを書き込ませていただいた後に新しくエントリされてあったので!となりました。勢いで(?)再コメントさせてくださいませ。
真紅さんは「ガラスの仮面」と言う漫画をご存知ですか?わたしが小学生の頃初めて買った、そして今でも続いている大作なのですが、‘ソウルメイト’と聞くとわたしはこの漫画を思い出しま
す。“年も姿も身分もなく 出会えば互いに惹かれあい もう半分の自分を求めてやまぬという  早くひとつになりたくて狂おしいほど相手の魂を乞うると・・・それが恋じゃと・・・ 名前や過去がなんになろう めぐりあい生きてここにいる・・・ それだけでよいではありませぬか” これも‘ソウルメイト’ですよね。わたしのソウルメイトはどこ~。
そういえばヒースとミシェルは再競演するそうで。楽しみでございます。仲もよさそうだし、ミシェルがうらやましい・・・。でもわたしの今一番のダーリンはジェイクでっす。
それでは今度こそこれにて。失礼しました。
[2006/05/30 17:19] URL | かいろ #- [ 編集 ]
かいろさん、こんにちは。こちらにもコメントありがとうございます。
『ガラスの仮面』、有名ですね。劇中劇が能(?定かではありません、ごめんなさい)の舞台で上演されたとか・・・。
すごいですよね、しかもまだ連載中!
ここで一つカミングアウトさせて下さい、実は私、自分のコンプレックスは「マンガをほとんど読んでこなかった」ということなんです。うぅぅ・・(泣)
ですのでマンガのお話にはいっちょかみできないんです。悲しいです。
これからもマンガでも何でも、面白いお話があれば教えて下さいね。
ミシェル、確かにうらやまし過ぎです。かいろさんも「この人だ!」と思ったら絶対離さないでね!
でももし自分が「この人だ!」と思っても、片思いで終ったり、木っ端微塵に振られたりすることってありますよね。そこが難しいところですよねぇ・・。
まだ愛の謎が解けない私です。また遊びに来て下さいね、私も伺いますので。
ありがとうございました。
[2006/05/31 00:16] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さま
はじめまして、ぽちともうします。びあんこさんのところから飛んできて以来、いつもブログ拝見させていただいてます。
The other half に反応して書込みに来てしまいました。脚本の中でこのフレーズがすごく印象に残ってます。

>ジャックを失って初めてイニスは自分の半身を失ったことに気づきラストで「永遠」を誓う。それは生も死も超越した「魂」の誓いのように響いた。
図らずもヒースとジェイクが同じように「ソウルメイト」という言葉を口にしたのも、イニスとジャックが彼らの人生の一部になっていたことの証のように思えるのだ。

このくだり、なるほどなあと思いました。なんかうんうんとうなずいてしまって・・・ありがとうございます。
私もあんまりマンガは読まなかったですが、唯一好きだったのが吉田秋生という人の作品です。
『カリフォルニア物語』と『バナナ・フィッシュ』はなかなかお勧めです。主人公達の関係はソウルメイトに近いのかなと思います。もし機会があったら見てみてください。。
真紅さんが読まれた、ボールドウィンの『もうひとつの国』、明日からやっととりかかれそうです。今まで『ダヴィンチコード』(いまさら)読んでたので(笑)
また遊びに来させてください。
[2006/06/02 02:06] URL | ぽち #- [ 編集 ]
ぽちさん、初めまして。拙ブログにお越しいただき、コメントありがとうございます!
吉田秋生さんですか。激しく読んでみたいです。オススメありがとうございます。萩尾望都さん、大島弓子さんなどなども激しく読みたいのですが。。遅れ過ぎですよね。
『ダ・ヴィンチ』、私も今積読状態です(笑)上映期間中に読めるのかな~?
『もう一つの国』読まれるのですね!読了されましたら是非感想聞かせて下さい。
私は今『ジョヴァンニの部屋』を読んでいます。
また覗いてみて下さいね、お話できてうれしいです。ありがとうございました。
[2006/06/02 09:11] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん、こんにちは。
ヒースもジェイクも「ソウルメイト」について言及してるとは。ジェイクのインタは読みまして、「ベストフレンドかつ性関係を持たずにいられないような」に考え込んでしまいました。
いまだによくわからないのですが、とりあえずイニスとジャックはソウルメイトと呼んでいいのかと。

ところで、ぼちさんが言及された「カリフォルニア物語」の主人公はヒースという名なのです。彼のソウルメイト(?)の名に、真紅さんは驚かれると思います。イーヴというのです。

拙ブログの感想をURLに貼っておきますね。この記事をご覧になった方が「もう一つの国」がジェイクの大事な本であることをコメントしてくださいました。
[2006/06/02 14:42] URL | びあんこ #w4Ib0zSU [ 編集 ]
びあんこさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そう言えばびあんこさん宅に『カリフォルニア物語』のエントリがありましたね。
恥ずかしながら漫画はほとんど読んでこなかったので、全然知りませんでした。
『もう一つの国』がここにも影響を及ぼしていたとは・・・。
・・・。
・・・。
・・・。 ←衝撃度100%の沈黙

これは早速入手して読まねばなりませんね。
最近自分がいかにモノを知らないか、思い知らされることが多いです。宗教のことも全然わからないのですよ。
まあ、見方を変えれば知る楽しみが増えた、とも思いますが。
またいろいろ教えて下さいね。びあんこさん宅にも伺いますので。
ありがとうございました。
[2006/06/02 16:32] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん

早速のレスありがとうございます。
「カリフォルニア物語」、私の記事にも書きましたが少女マンガの絵柄とはだいぶ違いますし、とっつきやすいと思います。吉田秋生も「もう一つの国」に影響を受けたらしく、それでNYが舞台でイーヴが出てくるのかも。
私も連載時に不定期に読んだだけなのですが、オススメです。

でも、真紅さんがモノを知らない、なんて。読書家でいらっしゃるといつも感心しておりますよ。
それぞれ得意分野があるということで宜しいのでは? 私は今後も得意の妄想系(笑)でBBMにアプローチしていくつもりです。
[2006/06/02 17:43] URL | びあんこ #w4Ib0zSU [ 編集 ]
びあんこさん、再びこんにちは。コメントありがとうございます。
早速アマゾ○で確認したら、なんとユーズドで¥1でした、『カリフォルニア物語』。
今の日本で¥1で本が買えるとは・・・。これもある意味衝撃ですね(笑)
100冊買っても100円って凄いです。送料のほうが高いわ。
BBMの妄想系記事、今後も楽しみにしてます。
しかし飯田橋ギンレイホールって素晴らしいですね、東京に住みたいですマジで。
というわけで、またお話して下さいね。
ありがとうございました。
[2006/06/02 18:56] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん、びあんこさん、

すみません、びあんこさん宅の『カリフォルニア物語』の記事読みました。は~そうだったんですね・・・あとでびあんこさんのページにもコメントさせていただきたいです~

そして今日『もう一つの国』を読み始めてびっくり。
「ルーファス」という名前は吉田秋生の短編に出てくるキャラクターの名前と同じです。
びあんこさんがおっしゃるように吉田秋生はボールドウィンにインスパイアされていたんですね。真紅さんへのコメント欄なのに、びあんこさんへもコメントしてるような、なんだかごちゃごちゃしてしまってごめんなさい。
とりあえず、吉田秋生おすすめです~
今出先からで、手元に本が無いんですが、彼女の作品の解説でこんな文章があったような気がします。

「吉田秋生の作品は、登場人物が大切な人間を失うことで終わりを告げる。残されたかたわれは、その痛みを抱えて生きていかなければならない」。

これを読んだ時に私は初めて「the other half」の意味を知りました。

どうしよう、無駄に長くなっちゃいました。要点を得なくてすみません。また出直してきます。
[2006/06/03 01:50] URL | ぽち #- [ 編集 ]
ぽちさん、再びこんにちは。コメントありがとうございます。
吉田秋生さんって、「よしだあきみ」さんなんですね。今の今まで「あきお」さんかと思っていました(恥)
しかも女性なんですね。
う~ん、その解説、まさしくBBMではありませんか!!!
要点を得ないどころか、すごいコメントですよ、ぽちさん・・・。
いろいろ繋がっているんですね。これはますます「『もう一つの国』復刊プロジェクト」に力を入れねばなりませぬ。
(ってまだほとんど何もしてませんが)
またいらして下さいね、お待ちしております。ありがとうございました。
[2006/06/03 02:38] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん、おはようございます。
私も「もう一つの国」を復刊させたいと思い、いま投票してきました。早く感想をアップして協力を呼びかけなくては!

Amazonはそうなんです、安くていいけど手数料が~。
[2006/06/03 08:07] URL | びあんこ #w4Ib0zSU [ 編集 ]
びあんこさん、こんにちは。
そうなんです、『もう一つの国』、復刊.comに随分前からアップされているようなんですが、まだ投票は少ないですね。
新訳で復刊希望です。感想アップされたらTBお待ちしております♪
ではでは、ありがとうございました。
[2006/06/03 15:06] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2006/06/04 08:16] | # [ 編集 ]
こんばんは、真紅さん。私も昔にシャーリー・マクレーンは読みました!あの本で、アフリカの集落の方達は電話はなくとも、テレパシーのようなもので、会話できるとか?なかったですか、、、?私も親友の近況とか、少し感じる事があります、、、日本でも”虫の知らせ”とか言いますよね。人間には本来、そんな能力が備わっていたのではないですかね?。大切な人の感情を感じる事が出来るとゆうか、、、。
ジェイクのソウルメイト発言は最初?の感じを受けました。親友と性的って、、???で、繋がらないですね、、夫婦みたいな事なのかな?とも思ったり、、。性別は関係ないんでしょうね。
吉田秋生さんの「カルフォ・・」は、読んでないのですが、大学の同期生で女性の友達に(たぶん、、、彼女はバイなのですが、、)、「バナナ・フイッシュ」は読んでみて!!と言われ、全巻半ば強引に貸して頂き、、、でも、感動しましたね!
彼女の描く漫画は、漫画とゆうより、映画のようです。主人公がとにかく、素敵です。それで、
自分で吉田さんの「吉祥天女」を買って読んで、、、これもオススメです!女の業が強く出ている作品ですが、主人公にすごく共感したのを覚えています、、、。ボールドウィンもぜひ読んでみたいです!大学の図書館に出入りできるので、捜してみます!
[2006/06/04 22:59] URL | sumisu #- [ 編集 ]
sumisuさん、こんにちは。ちょっとお久しぶりですね、お元気でしたか?コメントありがとうございます。
そうですね、ソウルメイトは性別は関係ないし、動物(!)だったりすることもあるとか・・・?よくわかりませんが。。
ジェイクが言いたかったのは、イニスとジャックはソウルメイトだったんだよ、たとえ同性でも性的関係を持ったのは必然だったのだ、ということだと思います。
吉田秋生、sumisuさんも読まれているのですね。私も早く読みたい~。『もう一つの国』は絶対にオススメですよ。もし読まれたら感想聞かせて下さいね。
ではまたお話しましょう。ありがとうございました。
[2006/06/04 23:41] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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