最後の夏の日~『スタンド・バイ・ミー』
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 STAND BY ME


 1959年、オレゴン州の田舎町キャッスルロック。夏休み、新学期にはジュニア・
ハイへ進学する4人の少年が、死体探しの小旅行に出かける。ベン・E・キングの
名曲
をテーマソングに、12歳の少年たちの子ども時代最後の夏の日を切り取った
永遠の名作。今回、デジタル処理されない、傷と雑音だらけの公開当時のフィルム
で20年ぶりに劇場にて再見。本当に、素晴らしい映画だと再認識した。

 原作はスティーヴン・キング『The Body』、監督はロブ・ライナージョン・
キューザック
キーファー『24』サザーランドも出演している。お二人とも、
今と顔が全く変わっていなくて笑ってしまった。

 家族の中で唯一の理解者だった兄を亡くし、自己否定の念に苛まれている繊細
な少年ゴーディ(ウィル・ウィートン)。戦争神経症の父に虐待されながらも、父を
愛する眼鏡のテディ(コリー・フェルドマン)。太っちょでいじられキャラのバーン
(ジェリー・オコンネル)
。そして、大人びた眼差しの中に傷ついた心を抱えるクリス
(リヴァー・フェニックス)。
公開当時、そして今でもリヴァー・フェニックスの演技
が一番評価されている感があるけれど、他の三人の子役たちの演技の見事さにも
驚かされた。子犬のようにじゃれあい、ふざけ合いはしゃぎ合い、打算の欠片も
なく共に歩く彼ら。アメリカのカントリーサイド、雄大な森や川が美しい。

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 もちろん、リヴァーの演技や存在感が突出しているのは言うまでもない。信頼
していた教師に裏切られた辛さを誰にも打ち明けず、「この街を出たい」と泣くクリス。
父親に受け入れられず、自分は生きている価値のない人間だと思い込むゴーディ
に、「きっと書ける、俺が守る」と言う場面は胸に沁みる。子どもの心を忘れてしま
った大人から逃れ、自分たちだけの世界で素直になる少年たち(もしも生まれ変わ
れるなら、男の子になりたいと願ってしまう)。
そして、苦学の末社会的に成功しながらも、不慮の死を遂げたクリス。俳優とし
ての将来を嘱望されながら、若くして亡くなったリヴァー・フェニックス自身の
姿
と、どうしても重ねて観てしまう。「永遠に彼を懐かしむだろう」ゴーディのこの
述懐も、そのままリヴァーへ捧げたいと思う

 公開当時まだ学生だった私は、幼い頃の親友が年を経るにつれて疎遠になって
しまうことが、実感としてよくわかった。しかし20年たった今、あの頃よりも
もっと、この映画に深く共感できたように思う。作家となったゴーディが、時間
を忘れてタイプした最後の文章を引用することを許して欲しい。全ての大人は昔
は子どもだった、そして大抵の子どもは傷ついている。そのことを忘れない大人
でいたい。


 Although I hadn't seen him in more than 10 years,
 I know I'll miss him forever.
 I never had any friends later on like the ones
 I had when I was twelve. Jesus, does anyone?


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『スタンド・バイ・ミー』監督:ロブ・ライナー/1986・USA/
          主演:ウィル・ウィートン、リヴァー・フェニックス
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テーマ:心に残る映画 - ジャンル:映画

[2007/09/21 14:37] | 映画 | トラックバック(2) | コメント(18) |
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コメント
これは何回見てもいいですよね。「スタンド・バイ・ミー」ベン・E・キングもいいけれど、ジョン・レノンが歌う「スタンド・バイ・ミー」もいいですよ。私はこっちが好き。この曲が入っているジョン・レノンのCD探したもの。ラストでリヴァーだけが、ふっと消えるでしょ。20代の若さで突然亡くなった彼と重なるわ。詩人のランボーを描いた「太陽と月に背いて」はディカプリオがランボー役を演じたけど、あの役確かリヴァーがする予定だったんではないかな。「バスケットボール・ダイアリーズ」もそう。やはりリヴァーだなと思う・リヴァー亡き後にディカプリオがきたんですね。「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」のヤング・インディのリヴァーが好きだわ。キーファはあまり変わらないでしょ…やっぱりお父上の色気にほど遠いですけどね。
[2007/09/21 20:24] URL | シュエット #- [ 編集 ]
シュエットさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も『スタンド・バイ・ミー』と言えばジョン・レノンと思っていましたので、最初はあれ?と思った記憶があります。
でも、レノンがカバーしているのですよね?
私が聞いたのは、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のクリスチャン・スレーターの役はリヴァーが演じる予定だったという話です。
『太陽と月に背いて』と『バスケット~』は初めて聞きました!ビックリです!
私は、インディじゃないけどハリソンと共演した・・何だっけ、『モスキート・コースト』!です、で、美少年だわ~と思った記憶があります。
ドナルド・サザーランドは素敵なおじいちゃまという感じですね。
キーファーは全く変わらないし、出演していたことすら全く憶えていなかったので驚きました。
本当に、いい映画を再見できて幸運でした。
ではでは、またお伺いします~。
[2007/09/21 21:58] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん、こんばんは。
TBありがとうございました。
直接感想を書いていないけど図々しくTBさせていただきましたー。
この作品は生涯のベスト1作品なのでその愛の大きさゆえ、なかなか感想を書けずにいます。(笑)
いずれは書こうと思っておりますのでその時はまた改めてTBさせていただきますね!
リバーくんは駆け足の一生でしたが、短い時間ではあったけど彼の成長をリアルタイムで追うことができたのはよかったなぁ、と思っています。
ちなみに私のリバーくんベスト作はこの「スタンド・バイ・ミー」と「旅立ちの時」です♪
[2007/09/22 00:34] URL | sabunori #JalddpaA [ 編集 ]
こんばんは。
これを今、劇場でご覧になれたのが羨ましいです。
いい機会に恵まれて、幸運でしたね。

わたしは成人するくらいまで、男に生まれたかったと思ってたのですが、
母親になって、そんなことはすっかり忘れ、女でよかった、と思ってました。
そんな頃、TVでこの作品を観て、
昔、そんな思いを持っていたことを思い出した記憶があります。

12歳で出会った最高の友だち。
その後の人生は別の道を行ったにしても、
そう言い切れるだけの友だちに出会えた彼らは
やはり幸せだったよね…と観るたびに思います。
[2007/09/22 00:56] URL | 悠雅 #- [ 編集 ]
私もこの映画は特別なものがあります。
リバーの目がやっぱ心に焼き付いて・・・
公開された時は、この少年がいま、どこかで生きているんだ、ということだけで幸せでした・・・・・

ところで、その後カラ兄は読まれましたか?
[2007/09/22 18:02] URL | 牧場主 #- [ 編集 ]
「インタビュー・ウイズ・」バンパイア」ね、これはキャスティングが決まっていたんではなかったかしら。他のは企画段階だったと思うわ。どっちにしろ惜しいですよね。いまはホアキンが頑張ってる、ホアキンは好きよ。案外、大きくなってからはホアキンの方が役者としては伸びるかも。「モスキート~」も良かったけどマーサ・プリンプトンと再共演の「旅立ちの時」もよかったわ。子供の時ラルフ・ローレンのモデルもしていたマーサがすっかり中年おばちゃんになっているのはちょっとショックだったわ。
[2007/09/22 22:41] URL | シュエット #- [ 編集 ]
sabunoriさま、こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
お返事、ちょっと遅れてすみません!
生涯ベスト1作品。。愛ゆえに言葉がまとまらないってわかりますわ。。
いつか是非、感想をUPして下さいませ、楽しみにしております~。
あと、『旅立ちの時』は皆さんオススメで、私もずっと観たい観たいと思っています。
近々是非観て感想を書きたいと思います!
ではでは、またお伺いします!

P.S.私が観たのは三番街シネマではないんですよ。紛らわしい書き方して、すみません!
[2007/09/23 17:06] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
悠雅さま、こんにちは。コメント&TBありがとうございます!
お返事、ちょっと遅くなりましてごめんなさい。
この映画をまた劇場で観られるとは、感慨無量でした。

私はこの映画を観た当時は女でよかったと思っていたのですが、今観ると彼らが羨ましくて・・・。
寝袋だけかついで冒険旅行、なんて憧れます。
女にはわからない男同士の絆、みたいなものも感じます。
是非また観たい作品です。と言うか、DVD欲しいです~。
ではでは、またお伺いしますね!
[2007/09/23 17:11] URL | 真紅 #odFRYwbM [ 編集 ]
牧場主さま、こんにちは。コメントありがとうございます!
この映画お好きなのですね♪ 本当に、素晴らしい作品だと思います。
で、『カラ兄』ですが・・・・。
・・・・・。
・・・・・・・・・。
まだ1ページも読んでません・・・・。
でも、年内には必ず!読みますから!!
ではでは。。(トホホ)
[2007/09/23 17:18] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
シュエットさま、こんにちは。再びのコメントありがとうございます!
ホアキンは、リヴァーとは全く顔が似てないですよね。
でも、ヴァイパー・ルームには一緒にいて、救急通報したのもホアキンなのですよね(泣)
彼もいい役者さんだと思うので、これからもいい作品で演じてもらいたいです。
で、『旅立ちの時』ですが、皆さんホントにいいとおっしゃるので、是非近々観ます!
感想も是非書きたいと思っていますので、またお話できるとうれしいです。
ではでは、またお伺いします~。
[2007/09/23 17:23] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
またまた おじゃまします 何時までたっても想い出も 名作も色あせないものです。私もこの作品でリヴァー・フェニックスに魅せられましたが この頃 キーファー・サザーランドも好きでした。彼は有名俳優の息子だったり 無名に近かったジュリア・ロバーツの恋人だったり その後 24 で人気を博したり と変遷の多い人でしたね。クリスが消えながら 去って行く姿は永遠にリヴァー・Fの姿と重なって この映画のファンの心に残ります
[2007/10/14 23:55] URL | Maria #MlY0asYk [ 編集 ]
Mariaさま、こちらにもコメント、ありがとうございます。
キーファーは、最近飲酒運転で逮捕されて実刑判決が下されるのでは・・と話題になりましたね。
私は、この間再見するまで彼が出演していたことすら知りませんでした。
ジュリアは、結婚式をドタキャンしたのですよね? いろいろありますね。。
つい先日『旅立ちの時』を観ました。こちらのリヴァーも素晴らしかったです。
また感想をアップしたいと思いますので、是非お立ち寄り下さいませ。
ではでは!
[2007/10/15 09:01] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
『旅立ちの時』お~!スッカリ忘れていましたが地味だけどいい映画でしたね^^ジュリアードですよね 大分以前に観たので細かい部分は忘れてしまっているかも…でも骨組みは憶えています up期待しております
[2007/10/16 07:39] URL | Maria #ClH8hgRs [ 編集 ]
Mariaさま、再びコメントありがとうございます。
『旅立ちの時』は前からずっと観たかったのです。いいとおっしゃる方も多かったのですが、本当にいい映画でした。
後日アップいたしますのでまたお立ち寄り下さいね。
ではでは~。
[2007/10/16 08:54] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
まず、お載せになっている、四人で映った写真がいいですね^^何か良い感じにざらついていて。
どうでもいいことですが、この作品が公開されたのは、’86年ですよね。僕の生まれた年です。何かそれがちょっと嬉しかったりします。
本当にこの作品には、えもいわれぬノスタルジーをすごく感じます。やっぱり自分は「少年」だったんだなぁ、と。そして、彼らの頃、僕にもああゆう楽しい友達がいたことが嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいになります^^
やはり、これを語る上で欠かせないのは、リヴァーの存在ですよね。この頃からやはり天才ぶりを見せつけていて、でもまだアドケナサがあるあたりが良いですね^^その後、「旅立ちの時」?、「マイ・プライベート・アイダホ」などでその端正で、美しすぎるマスクと、演技力、圧倒的なカリスマ性で、観る者を魅了、熱狂させてくれましたよね^^彼は若くして亡くなったんですよね。ジェームス・ディーン、リヴァー・フェニックス、ヒース・レジャー、、。なぜ類稀なる才能は早くも散ってしまうのか。才能がありすぎるからこその運命、宿命なのでしょうか。つくづく、「すごい」人は早死にするなぁと思ってしまいます。
そしてテーマ曲がいいですよねぇ。これを聞くだけで、ノスタルジーに浸れます。メロディー、素晴らしいですが、歌詞はどんなのだろう。気になるw
青春を生きた人、感じた人はこれを観て感動するのは必至でしょう。そして、そう考えられること、つまり僕が青春を感じれた、そこに生きれたことに感謝したいと思います^^
子供の頃の気持ち、大切にしなきゃなぁ。でも大人にならなくちゃいけない。はてさて難しい問題です。
[2009/04/16 20:04] URL | マキシ #- [ 編集 ]
マキシさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
自分が生まれた年にあった出来事とか、映画とか、なんか勝手に運命感じますよね(笑)。
私は公開当時スクリーンで観たんですが、久しぶりに再見して、やっぱりいい映画だなあ・・・、と。
私は「少女」でしたが、女の子もそれなりに友情を育んでいるんですよ。
死体捜しの小旅行には行きませんけどね(笑)。
リヴァーの死は本当に残念でした。
菜食主義で節制した生活を送っていたはずの彼がODで亡くなったというのも、ショックに輪をかけましたね。
早過ぎた死が伝説を生む、ということもあるのかも知れませんが、才能のきらめきを我々に焼き付けた彼らは本当に稀有な俳優たちだと思います。
マキシさんはまだまだ若いんですから、「青春」現在進行形ですよ!
私も、30歳くらいまでは学生気分が抜け切れてなかったかも・・・。
子どもの気持ちを忘れずに大人になる、というのは案外難しいですね。
しかし親になって子育てをする過程で、自分の成長期を追体験することになるんですよ。
そのとき、また新しく発見する感情や真実もたくさんあります。
マキシさんは「今」を大切にね。人生長いんだから。
と、最後は「おばさん発言」になってしまいました(汗)。
ではでは、また遊びにいらして下さい。
[2009/04/17 20:47] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
リヴァーはODをして亡くなったんですね。悲しいなぁ。相当追い込まれてたんでしょうか。やっぱりすごく繊細なのかな。
そういえば、昨日リヴァーの出演作、「殺したいほどアイ・ラブ・ユー」を観たんです。これ、あまり評価されてないらしいですが、かなり面白い!駄作か、傑作か、でいったら断然傑作だと思います。もうめっちゃ笑えるしw何かお腹の底から笑ってしまうっていうか。でも失笑なんですよね。今までに感じたことのない、不思議な面白さです^^ここではリヴァーはコミカルに若者を演じていて良かったですよ。この作品大好きだなぁ。真紅さんはご覧になりましたか?
[2009/04/17 22:05] URL | マキシ #- [ 編集 ]
マキシさま、こんにちは。再びのコメントありがとうございます。
リヴァーは繊細な人だったような気がしますね。人一倍。
残念ながらその映画は観ていません。題名は知っていますが、コメディなのですね。
ここのところ新作を追いかけるのに精一杯で、旧作DVDが全く観られない状態です。
どんなお話なんだろう・・・。いつか観てみたいと思います。
ではでは、またです~。
[2009/04/18 01:53] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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