![]() 島本理生の小説に登場する男性は、「ダメな奴」である印象が強い。『ナラタージュ』 の葉山先生のように、繊細でどこか大人になり切れない男と、そんな男に惹かれて しまう主人公。しかし、少なくとも葉山先生に悪意はなかった。最新作『あなたの呼吸 が止まるまで』では、やさしい顔をして近付いてくる「悪い奴」によって思春期の少女 がさらされる残酷な暴力を描き、苦く辛い読後感を残す。 主人公・野宮朔は、両親の離婚後舞踏家の父と二人で暮らしている。音信不通の 母への思いを抱えつつ、「物語を書く人になりたい」という密かな夢を持ち、退屈な 日々をなんとかやり過ごしている。同級生への淡い恋心や嫉妬、父の帰りを独りき りで待つ寂しい生活の中で、朔は父の仕事仲間である佐倉と出会う。 朔は12歳の小学生でありながら、『ノルウェイの森』を学校に持って行って読むよう な、大人びたところのある少女。当然クラスでは浮いた存在であり、同級生たちと は馴染まない。15歳で作家デビューした島本理生も、朔のような少女だったのだろ うかと思わせる人物造形だ。そして、静かで丁寧な主人公の語り口は、カズオ・イシ グロの『わたしを離さないで』を意識したものなのだろうかと感じる。 女性ならば、誰しも成長過程で一度は遭遇しているかもしれない理不尽で残酷な 暴力。決して消せない過去を「書く」ことで、「復讐」という力に変えようとする朔が 痛ましく、大人の無責任さを嘆かずにはいられない。 (『あなたの呼吸が止まるまで』島本理生・著/新潮社・2007) ![]() |
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はじめまして。
こちらの記事にトラバさせていただきました。 朔を襲う突然の暴力。 大人の身勝手さ、無責任さに怒りの気持ちでいっぱいになりました。 痛々しい朔が言葉で戦うことを決意するラストに、感動しました。 コメントやトラバ返しなどいただけたらうれしいです。 お気軽にどうぞ。 藍色さま、初めまして!拙ブログへようこそ。コメント&TBありがとうございます。
守られるべき子ども時代に放り出されている朔が痛々しかったです。 お父さんもいい人なんだけど、無責任さに怒りがこみ上げました。 親には言えませんよね・・・。 ここ最近、読書カテゴリも頑張って記事を増やそうと考えていたところです。 今後ともどうぞよろしくお願いします♪ ではでは、後ほどお伺いします〜。 お邪魔します〜
感想だけはチェックしていたのですが さすがに、こちらにコメントできる 状況でなく今頃ですみません。 嫌な〜〜話でしたね。 島本さんも映画好きなのかしら。 色々でてきますよね。 クローバー予約入れました♪ あ・・余談ですが シルクの感想楽しみにしています。
【2008/01/25 09:31】
URL | みみこ #-[ 編集]
みみこさま、こんにちは。コメント&TBをありがとうございます。
いえいえ、お気遣いありがとうございます。 本当に、もう、嫌な話でしたね、女性としては・・・。 島本さんは「インドア派」という感じで、親近感をもっております。 『ナラタージュ』の主人公、自分かと思いました(笑)。 『クローバー』は明るくていいですよ。 『シルク』、火曜に観たのですがもうず〜〜〜っと前のことのようです・・・。 感想は書いていたので、近々アップいたしますね。 ではでは、またお伺いします。 ![]() |
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| 真紅のthinkingdays |
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