共犯者たち〜『がらくた』
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「文章には−−書いたものであれ、訳したものであれ−−底流として性質が流れる」

 翻訳家である45歳柊子と、帰国子女高校生美海、15歳。リゾートホテルの
プライベートビーチで出会った二人の女性を語り手に、愛と性、愛と裏切り、愛と
成熟(または若さと老い)について描く長編小説。


 新刊を心待ちにし、出たら必ず読む作家は何人かいて、江國香織もその一人。
絵本や翻訳ものは未読のものもあるが、小説は全て読んでいる。大ファン、という
わけでもないけれど、常に気になる作家の一人。直木賞受賞以来、刊行ペースが
ゆっくりになって来たのかな、と思っていたので、この久々の長編は堪能した。
最初の数ページ、やや固い文体に変わったのかと感じたけれど、徐々にいつもの
「恋愛至上」江國ワールドが展開する。

 配偶者以外に複数の愛人と関係し、それが夫婦の暗黙の了解になっている柊子
と夫
。友達を作らず、年上の者としか関係を築けない美海。本を読むことだけを
して生きてきたという柊子の母、75歳の桐子ゲームのような人間関係、今この
時、目の前にいる相手の存在だけが真実であり、信じることも裏切ることも意味
のない不思議な世界『がらくた』というタイトルに込めた、作者の真意はどこに
あるのだろう。

『がらくた』江國香織・著/新潮社・2007)

テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

【2007/07/07 23:19】 | 読書 | トラックバック(1) | コメント(0)
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がらくた 江國香織
「小説新潮」2005年7月号〜2007年2月号掲載。Cover Jacket:(c)Maureen Gallace"Sandy Road,2003"(以下略)。装幀は新潮社装幀室のはず。横文字で、Design:Shinchosha Book Design Division(この... 粋な提案【2007/09/22 00:23】
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