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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅 (言葉を探す人)   ★劇場鑑賞した映画は Instagram にアップしています @ruby_red66 ★Stay Blue

生涯一お笑い芸人宣言~『大日本人』

20070606140810.jpg

 ダウンタウンの松本人志が満を持して完成させた初監督作品。日本をから救う
ヒーロー「大日本人」こと大佐藤大(松本人志)を主人公に、シニカルでシュールと思
いきや意外とベタでわかりやすい笑いが満載の一作

 近頃はご無沙汰しているけれど昔は「ごっつ」が大好きで、あのマラソン中継の日も
私は「とかげのおっさん」観てたよ、松っちゃん! あの松本の初監督作だ、カンヌ
招待
だ、事前に情報は一切なし、一体どんな映画なんだ・・と騒がしい中、行って
きました。劇場は意外にも(?)大入りでビックリ(土地柄?)。私の後ろの列の中学
生くらいの集団は、「お茶の間か」っていうくらい大ウケしていた。私も彼らの大
笑いが伝染してか、結構爆笑してしまった。

20070606140854.jpg

 「以下、ネタバレ」


 画面が揺れるな、と思ったら、あれはドキュメンタリーを撮影しているっていう
演出なんですね。主人公の大佐藤は、野良猫と二人暮らしの哀愁漂う中年男。別居
している子どもと会うときのうれしそうな顔や、折り畳み傘や「ふえるわかめ」に自分
自身を投影している感じがなんとも孤独で哀しい。世襲制度や死生観、「数字(視聴率)」
にこだわるテレビ界への批判なども散りばめられてはいるけれど、そこら辺りはちょ
っと中途半端な描写になっていたのは否めない。

「映画を撮る」とは言っても、それはあくまで「お笑い芸人として」映画を撮る、という
ことだったのだなと改めて感じた。まぁ、松っちゃんがいきなり芸術映画を撮るわ
けがないのかもしれないし、芸人としての彼が好きな私にとってその「志」は嬉しい。
しかし、映画としてはどうなんだろう?

 チャンネルをつけたら観ることができるテレビと違って、映画は観客がお金を払
って、劇場まで足を運んで観るもの。テレビとは違うものが求められて当然だと思
う。この作品がテレビとは違う「新しいお笑い」を見せてくれたかというと、ちょ
っと疑問。「大日本人」のキャラは大きなスクリーンでこそ映えるとは思うものの、
ラストでいきなり「実写」ときたのは面食らった。しばし呆然。しかもいきなり「おし
まい」って、後ろの中学生「ええっ、もう終わり?!」って叫んでたし(笑)。オチの
「反省会」をエンドロールに持ってきて、最後までサービス精神発揮してはくれたけど、
ちょっとテレビ的になってしまったかな、という感じは残ったかも。

「賛否両論ないと、お笑いは残らない」「たけしさんを意識していないと言ったら嘘に
なるし、だからこそ勝ちたい」
これからも叩かれたり、批判はされるだろう。けれど、
そう言い切れる松っちゃんには、それも先刻承知のはず。これからも茨の「お笑い映画
道」
を歩み続けて欲しい。応援していますよ。

『大日本人』監督・企画・脚本・主演:松本人志/2007・日本)
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テーマ : 大日本人
ジャンル : 映画

2007-06-06 : 映画 : コメント : 10 : トラックバック : 20
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真紅さん

TBありがとうございます。あのレビュー
携帯でほぼ書いてたので(苦笑)ちょっと
書きなおしました。」自分は「松本人仁」
が監督ってことを考えなかったら映画として
面白いのか?と思いながら観てたんですけど
^^多分CG部分以外は面白んじゃないかと
思うんです。
完全にダメとは思わなかったけど、有名タレントがネタみたいに出てきたところで、あぁ惜しいな
~って思ってしまった映画でした。
2007-06-07 08:54 : kazupon URL : 編集
真紅さん おはようございま~す♪
そうなのよね、TVと違って映画はお客がお金を払って劇場まで足を運んで観るものなのよね。
なのにこの内容っていうのは・・・映画として成り立ってるのか疑問が残りました。
それでも私も松ちゃんのお笑いセンスは好きなので、今後に期待を持ちたいとは思っています。

真紅さんがご覧になられた劇場はそんなに笑い声も聞こえたんですねぇ。
私の所は、昨日レディースデイだったので女性が多かったのですが、クスッとも笑い声が聞こえませんでした。
投石のシーンだけ、近くの人が「うわ、ビックリした」とつぶやく声が聞こえてきました。
2007-06-07 09:03 : なぎさ URL : 編集
kazuponさま、こんにちは~。コメント&TBありがとうございます!
ええ~、あのレビュー携帯で書かれたのですか!凄い~。。
確かに「松本人志」っていうブランドがなかったら成立しない映画かもしれないですね。
私はかなり好意的に観てるほうだと思うのですが、ついていけない・・っていう意見も当然ありだろうなぁと思いました。
有名人と素人さんみたいな役者さんとのギャップは激しかったですね。
その辺りのバランス含めて、次があるなら観てみたいと思ってます。
ではでは、またお伺いします~。
2007-06-07 09:08 : 真紅 URL : 編集
なぎささま、こんにちは~。コメントありがとうございます。
映画の印象って観るときの気分や、劇場の雰囲気に左右されることってありますよね。
クスッとも笑い声が聞こえないって、それはむちゃむちゃサブイですね~。
そういう場にいると、醒めますね、確実に(笑)
うちはなんか、若い子たちがむっちゃ受けてたんですよ。笑いって伝染するんですかね?
でも、観てから数日経ちますが、思い出したらやっぱり面白かったな、と思います。
まぁ、初監督作ですから、秋子さんの気持ちで温かく見守りましょう(笑)
ではでは、またお伺いします~。
2007-06-07 09:16 : 真紅 URL : 編集
真紅さん、こんにちはー。
コメント遅くなりまして、すみません。
(家のネットが切断中でして・・・)
おおお、大佐藤さんの名前、「大」なんですか。気がつきませんでした。
私はベタベタコテコテの関西な笑いは得意ではないんですが、
私もまっちゃんの笑いは大好きなので楽しかったですー。
まっちゃんは前から万人受けを狙っていないっていうスタイルが好きでした。
老人や子どもに受けるより、わかる人にだけわかればいいっていう・・・。
これも中学生にはその面白みは丸ごとわからないんじゃないかなと
思いながらも、私としてはツボでした。
あとはカメラや編集など技術面で有能なスタッフに恵まれることを期待。
2007-06-07 12:38 : かえる URL : 編集
かえるさま、こんにちはー。コメント&TBありがとうございます。
ネット切断、大変ですね、早く回復するといいのですが。
「大」は、公式サイトか何かで知ったと思いますよ。
この映画は、今までの「わかる奴だけにわかったらええ」っていう彼のスタイルを変えて、万人にわかる笑いっていうのを表現した、みたいなことを松っちゃんは言っていたのですが、それが具現されていたかというと「?」ですね(笑)
そもそも、万人にわかるとか、世界に受け入れられる笑いっていうのが存在するのか?みたいな話にもなってきますし・・。
優秀なスタッフは大事ですよね。いくら松本人志といえど技術的な面は素人ですもんね。
私も彼の今後に期待していたいと思います。
ではでは、またお伺いしますー。
2007-06-07 18:42 : 真紅 URL : 編集
こんばんは。
確かに「映画」としてはどーかと思いますけど、
じゃあ「映画って何?」と訊かれれば、
俺なんかは返答に窮してしまいます。
TV的笑いが大スクリーンに通用するかという、
実験映画として観てもいいんじゃないですかね。
2007-06-13 20:54 : 栗本 東樹 URL : 編集
栗本東樹さま、こんにちは。コメントありがとうございます。
「映画」の定義ですか。難しいですね。。
確かに感覚的なものでしかないのかもしれません。
松っちゃんの初監督作ですし、まさに「実験的映画」として評価されてもいいのかもしれませんね。
次回作も注目していたいと思います。
ではでは、またお伺いします。
2007-06-14 06:36 : 真紅 URL : 編集
そうですね。
なんだかんだで結構面白かったけど、
やっぱりちょっとテレビ的な感じはしましたし、
映画館でお金を払って観る作品ではないかもなぁ~
って感じはしました。
2009-12-27 17:40 : miyu URL : 編集
miyuさん、こちらにもコメント&TBありがとう!
私はこの映画はまだ許容範囲(甘アマで)だったのですが、『しんぼる』にはガッカリしました。
松っちゃんの映画は、もう観ないかも?
今は板尾さんの初監督作に興味アリです。
来月公開よ~。
2009-12-28 11:44 : 真紅 URL : 編集
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