永遠を切り撮る~『アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶』
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 HENRI CARTIER-BRESSON:
 THE IMPASSIONED EYE



 2004年に亡くなった「20世紀最大の写真家」アンリ・カルティエ=ブレッソン
ドキュメンタリー。死の前年、当時93歳だったブレッソンが、自らの作品と人生
ついて語ったインタビューと、被写体であり友人であった作家、女優、写真家たち
のコメントで綴られる72分間。モノクロの写真、パリの街並み、老いてなお盛んな
創作意欲。生きることの歓びと芸術への尊厳が溢れ、その青い瞳はキラキラ輝いて
いる、眩しいほどに。
「決定的瞬間」といえば、最近では梅佳代さんの写真集『うめめ』なども注目され受賞
し話題になったけれど、こちらは本家本元。世界を旅し、激動の時代を記録し続け
た写真家が捉えた「歴史的瞬間」の一端を垣間見ることができる。

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 一年前、天保山サントリーミュージアムで行われた写真展に出向かなかったこと
が、返す返すも悔やまれる・・。万難を排してでも駆けつけるべきだった、と改め
て思う。このドキュメンタリーも劇場鑑賞は叶わなかったわけで、大きなスクリー
ンで観たかった。 

「自分の内面が写し出されている」と語るイザベル・ユペール被写体との関係性
写真の写し取る「真」ならば、彼女は写真家に自らを委ねていたのだろう。最も印象的
『荒馬と女』撮影直前のマリリン・モンローのポートレイトには、時代のセックス・
シンボルだった彼女ではなく、知的で物憂げな、ひとりの思慮深い女優が写し取ら
れている。

 報道写真が芸術に高められたとき、写真は被写体の向こう側にあるものについて
の想像力を見るものに喚起させる。天才によって切り撮られた「一瞬」「永遠」の
記憶
として拡がり、写真として見られることで日々、新しいを授かっているかの
ようだ。

『アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶』
     監督:ハインツ・バトラー/2003・フランス、スイス)
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[2007/06/04 16:08] | DVD/WOWOW | トラックバック(3) | コメント(8) |
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コメント
こんばんは、真紅さん。

私もプレッソンの作品解説は「美の巨人たち」で
見ただけなのですが、、被写体を探し、パリの街中を歩き回る姿は、背筋がピンと伸びて、後ろ手にカメラを持ち、颯爽としていました。
そして、写す瞬間が一瞬なんです、、驚きました。
それで、このような完璧な構図が出来上がるとは、、、凄いことです。

写真作品の醍醐味は、真紅さんのいう「一瞬」が「永遠」になるところですよね、、(溜息)

この作品、もうレンタルされているのですか??
[2007/06/04 21:58] URL | sumisu #RuBj8cxQ [ 編集 ]
sumisuさま、こんにちは!コメントありがとうございます。
おお、そういうテレビ番組があったのですね?
このドキュメンタリーでは、ブレッソンがカメラを構える場面はなかったんです・・。
写真だけを見て回顧する、という趣向だったので。
そうそう、構図が完璧なんですよね~。すごいです。
はい、レンタルされていますよ!私ももちろんレンタルで観ました。
是非ご覧になってみて下さい。72分ですからお忙しくても負担になりにくいと思いますよ。
写真集、図書館で借りようと思っています。買いたいですけどね、本当はね・・。
ではでは、またお伺いしますね!
[2007/06/05 00:00] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さま、こんばんは~♪
おお、今夜はなんとかTBが飛べたような気がします!!
コメントをいただき、ありがとうございました。
このドキュメンタリー、とても面白いですよね。
ブレッソン本人が、こんな魅力的で厳しくて素敵な人というのがわかっただけでも嬉しかったです。
すごい才能ですよねえ・・・この嗅覚・・(私も溜息)
また見たくなってきました♪
[2007/06/05 23:07] URL | 武田 #4ARdecsc [ 編集 ]
武田さま、こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
私もソッコーでTBしてみましたら反映されました♪ いつもこうであって欲しいワ~。
劇場で見逃したのですが、武田さまがご覧になって記事にされなかったら、忘却の彼方だったかもしれません。
あの記事で「私も観たい!」と更に強く思いましたので・・。ありがとうございました。
またいろいろ教えて下さいね。
ではでは、またお伺いします~。
[2007/06/05 23:37] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん、

たしかに、あのマリリン・モンローはよかった。とても魅力的でした。先日の「アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌」ではポートレイトの展示が少なかったんで、そこが残念でしたよ。BSで放送されたこの作品を録画したんで、時間を見つけてまた観てみたいと思います。
[2007/08/18 19:11] URL | Ken-U #- [ 編集 ]
Ken-Uさま、こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
マリリンの写真はとても印象的でしたね、初めて見る表情だと思いました。
私は写真の展覧会ってなかなか行く機会がないので(東京ほどは開催されませんし)、もう少しアンテナを張り巡らしてチャンスを逃さないようにしたいです。
録画されたのですね、私も写真集が手元に欲しいと思っています。
ではでは、また。
[2007/08/18 22:24] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さんTBとメッセージありがとう。
私の我が儘な記事TBさせていただきますね。
写真家は、写真家がとった写真そのものが雄弁に語っているんだ。黙って見せて!ってスクリーン観ながら思ってましたね。ただピアノのメロディは最高でした。
[2008/02/14 17:06] URL | シュエット #- [ 編集 ]
シュエットさま、こんにちは。こちらこそコメント&TBをありがとうございます。
写真を映画作品として成立させるために、監督もいかに写真以外のものを取り込むか悩んだでしょうね。
私は、イザベル・ユーペルの語りなど興味深かったです。
ピアノ曲もよかったですね。
ではでは、またお伺いします~。
[2008/02/15 09:22] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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