銀色夏生リターンズ~『ばらとおむつ』
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 詩人である著者の、脳梗塞になった母の(著者の兄による)介護記録と、子どもたち
との日々を綴った日記風エッセイ。私は昔著者の詩写真にハマり、著書は30冊近く
持っている。特に年一回刊行される『つれづれノート』シリーズが大好きで、2005年
の14冊目で終了してしまった時は本当に寂しかった。最後のほうは読むのが辛い
内容も多かったのだけれど、毎年楽しみにしていたのだ。『つれづれ』が終わってから
の体験記やメール本などは買う気になれず、チラっと立ち読みするくらいだった。

 しかし、今年こうした形で、『つれづれ』という名前こそ付いてはいないものの、銀色
さんのエッセイが読めて、彼女の家族、カンチ、さく、せっせ、しげちゃんらに
再会できたことがとってもうれしい。特にカンチやさくは、彼らが銀色さんのお腹
の中にいるときから知っている(?)だけに、ほとんど親戚の子のような気持ちを抱い
ているから。

 作詞家だった銀色さんを見出し、世に出した編集者・見城徹氏によれば、彼女
の著書は出せば100万部は必ず売れていたのだという。全て著者の手による詩と
美しい写真、文庫という手軽な媒体であったことも功を奏したのだろうけれど、
読者の心にそのまま響く彼女の言葉は、今でも多くの人の記憶の片隅に息づいて
いると思う。

 本作でも「銀色節」全開。彼女にとっては子どもも、家も、庭に降る雨も、生活の
全てが作品なのだとつくづく思う。色々あった『つれづれ』最後の頃より、今は随分
と落ち着いた印象を受けた。ただ一つ、BBMを観て「笑った」という箇所だけは、
かなりショックを受けてしまったが。


 来年以降もこの「銀色夏生と愉快な仲間」シリーズは続きそうなので、やっぱり
読み続けてしまいそうな私なのだった。

『ばらとおむつ』銀色夏生・著/角川書店・2007)
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[2007/05/11 14:38] | 読書 | トラックバック(0) | コメント(8) |
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コメント
はじめまして。牧場主と申します。
私は、銀色さんのつれづれノートシリーズをかかさず読んでいましたが、同じように、最後の方で、何というか、本人がこのノートを書くことを必要としてないことが伝わってもう読みたくないと思ったら、丁度終わってしまったのです。
そうですか、しげちゃんが脳梗塞ですか・・・うーん・・・読もうかな・・・私もさくやカンチやせっせがどうなったのか気になるし。
[2007/07/25 18:30] URL | 牧場主 #- [ 編集 ]
牧場主さま、初めまして!拙ブログへようこそ♪ コメントありがとうございます。
『つれづれ』お好きだったのですね。初期の頃(むーちゃんとラブラブだった頃)は面白かったですよねー。
私も毎年楽しみに読んでいましたので、この本は喜び勇んで買い求めました。
銀色さんの家族に対しては、もう親戚っぽい気持ちです。
今回写真が多くて、しげちゃんのおばあちゃんっぷりも見られますよ。せっせの写真だけはないのですが・・。
一度書店でチェックしてみて下さいませ!

どこかでお見かけしたお名前だな、と思ったのですが、latifaさまのお友達でいらっしゃるのですね?
今後ともよろしくお願いいたします。ではでは~。
[2007/07/25 19:23] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
そうですか、私もカンチとさくぼうは、写真で成長を見てるから、二人とも可愛いし、親戚の子って言う感じしますわ。
今度見てみますね。

そうです、latifaさんのところからやって参りました。
こんなにたくさんのお友達がいらっしゃるのに、よく覚えていらっしゃいましたね。
私は今の時代にパソコンなる物を買ってまだ3ヶ月のビギナーです。
「カラマーゾフの兄弟」にチャレンジと書いてあったんで、興味を持ってお邪魔しました。
またお邪魔しますね~♪
[2007/07/26 09:01] URL | 牧場主 #- [ 編集 ]
牧場主さま、こんにちは!再びのコメントありがとうございます。
さくちゃんは男の子だけど、すっごくかわいいですよね・・。銀さんに似てない(笑)

なんと、PC歴三ヶ月で、こんなにも華麗(?)に活動してらっしゃるのですか!
凄いですよ~、じゃあブログもまだ始められたばかりなのですね。
もう『カラ兄』は読了されているのでしょうか? 私は海外文学に疎くて・・(日本文学もですが)。
読了したらまた感想をアップしたいと思っています。
またお話できるとうれしいです!ではでは~。
[2007/07/26 17:15] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
「カラ兄」って可愛いかんじ・・・いや、多分私は十代の頃に「罪と罰」等と共に挫折したくちです・・・ハイ・・・尊敬します・・・
ブログは・・・始めて一ヶ月にも満たないんです・・・お客様もlatifaさんに来ていただいているのみで・・・
ブログは今、続けようか迷っているんですよ。
latifaさんがもう少し続けてみたらと言ってくれたんですが・・・うーん・・・
[2007/07/27 17:42] URL | 牧場主 #- [ 編集 ]
牧場主さま、こんにちは。コメントありがとうございます!
『カラ兄』(かわいい?)、未読なのですか~、新訳が出たこの機会にいかがですか。
私もブログを始めた当初はやる気ゼロでした。やる気になるきっかけに出逢えたらからここまで続けてこられましたが・・。
いろいろあっていまだに試行錯誤です。
閉鎖までいかなくても、しばらく様子見でもいいのではないでしょうか。
自分のために、書きたいことを好きなように書けるといいですね。
私もお伺いしますね、ではでは!
[2007/07/27 19:31] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
これ、昨日、やっと見つけて読みました。
私、勝手に、文庫ではなく、ハードカバーの単行本だと・・・
正直に言うと、う~ん、というかんじでした。
最初のつれづれの頃は、うろこが何枚もおちて、なるほど~、って思ったり、考え方を変えると結構楽だな、とか、すごく実用的な生き方として、参考になったんです。
でも、カンチの悪口とか、いかちんの悪口(に見える)とか、すごくしんどくなってきて、今度は、って期待していたんです。
しげちゃんやせっせにはすごく勇気を貰ったけど、銀色さんには、う~ん・・・とにかく、一方的に親戚のこととか、カンチの遅刻のこととか、フェアなのか? って思ってしまいました。
テレビとかにさえ渡った的確なことをいうのは面白かったですけど・・・あと、死に対して、お、先に行ったな、くらいに考えていらっしゃるのは、なるほど、と思いました。
[2007/10/23 22:37] URL | 牧場主 #- [ 編集 ]
牧場主さま、こんにちは、お久しぶりです。コメントありがとうございます。
確かに、最初のつれづれの頃は銀色さんもまだ結婚もしてなければお子さんもいなくて、とっても自由な感じがしましたね。
最後のほうのつれづれは、↑にも書きましたが私も辛い内容が多かったです。
最近、また文庫で銀色さんのエッセイ風読み物をみつけたのですが、チラっと立ち読みしただけで買う気、読む気は起こりませんでした。
とにかく「枠」っていうものに、徹底的に拒絶反応が出てしまう人なのだな、、という印象です。
今は子育て中で、学校っていう究極の枠の中にどうしても居なきゃいけないことが、すっごくストレスになっているのでは?と感じます。
でも、『ばらとおむつ2』が出たら買ってしまうかもしれません(笑)
ではでは、またです~。
[2007/10/23 23:45] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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