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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅 (言葉を探す人)   ★劇場鑑賞した映画は Instagram にアップしています @ruby_red66 ★Stay Blue

『アメリカン・フィクション』

アメリカン・フィクション








 American Fiction


大学教授で売れない小説家のモンク(ジェフリー・ライト)は学生への用語使用がコンプライアンス違反とされ休職処分が下される
母の介護で金策に悩んだ末、彼は軽蔑していた 「ブラック・エンタメ小説」 を偽名で出版、それが思わぬ大ベストセラーとなり映画化の話まで進行する事態となってしまい。。。

コード・ジェファーソン監督の長編デビュー作
トロント映画祭観客賞受賞を皮切りにアカデミー賞でも5部門(作品、主演男優、助演男優、脚色、作曲)ノミネート
めちゃくちゃ面白かった(何回か声出して笑った)ので脚色賞は固いと思いますがいかがでしょうか?
アメリカ映画の秀作だと思う
残念ながら劇場公開はなくAmazonPrimeVideoにて配信

ハーバード卒で自分以外の家族は医師という富裕層に生まれた主人公モンク
自分は黒人、だけどブラックエンタメとは無縁の世界に生きてるんだ! という心の叫びも虚しく、世間は 「アフリカ系」 として彼を扱う
本当は純文学が書きたいのに、世間に迎合してパルプ・フィクションを書いたつもりが妙に文才があるものだから 「生々しくてスゴイ!!」 と大バズリ、、、という本筋はもちろん面白いのですが、私が共感したのはモンクの家族関係

成人するといつの間にか兄弟は疎遠になり、親との関係もそれぞれに思うところがある
再会したらみな 「大人の事情」 で生きづらさを抱え、頼りにしていた妹は突然亡くなってしまう、、、(涙)
残ったのは犬猿の仲(というか向こうが勝手にモンクを毛嫌いしている感じ)の世を拗ねた弟クリフと認知症の母
(注:字幕ではクリフが 「兄」 となっていましたがどう見ても弟でしょう)
徘徊する母を探して走り回る姿は身につまされます(モンクは母のことを「マザー」って呼ぶんだよね)
世界のどこにいても、どんな家庭に生まれ天分に恵まれていてもいなくても家族の問題はついて回るのだな、、、と

もちろん悪いことばかりではございません
最終的にモンクに寄り添ってくれるのはクリフだし、メイドのロレインを 「家族」 だというモンクに心が温かくなった

ラストのメタ展開には一瞬 「???」 となりながらも、どこまでも 「ブラック」 なジョークを貫くコード・ジェファーソンの手腕はお見事! というしかない

「お父さんの不倫を知っていたの?」 「あの人は天才だった、お前もそうよクリフ」 
この会話も秀逸でしたね、面白くてほろ苦い

そして引っかかったのは白人のプロデューサーに邪険に扱われるアジア系アシスタントの存在
アメリカ国内のアジア系ってもしかしたら一番見下されている存在なのかも、、とちょっと悲しくなった
「ドールテスト」 の写真も初めて見ましたがいろいろ考えさせられる

出版エージェント氏のジョニーウォーカーの例えは上手かった! (でもこの色の区別にも実は深い意味があったりして。。)
ジョニーウォーカーの青ってあるのですね、知らなかった
呑んでみたい! (下戸なんですけど笑)

( 『アメリカン・フィクション』 原題:American Fiction/
                     監督・脚本:コード・ジェファーソン/主演:ジェフリー・ライト/2023・US)
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2024-03-05 : BD/DVD/WOWOW/Streaming : コメント : 10 : トラックバック : 1
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「アメリカン・フィクション」
売れない小説家セロニアス・エリソン(モンク)は、教員をしている大学での言動が問題視され、休暇を命じられてしまう。 長らく足が遠のいしていた故郷ボストンでのブックフェアに参加するが、会場では自分の不人気ぶりを再確認。 そんな時、実家では母の介護という現実的な問題も起こり、お金も必要になったモンクは、半ばヤケになり絶対書くまいと思っていた「ステレオタイプの」黒人小説を書きあげるが、出版されると...
2024-03-12 09:05 : Slow Dream
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こんばんは。
こんばんは。

なんと、アカデミー賞にノミネートされてるのに全然知りませんでした(疎すぎる~)
面白そうですね!!
真紅さんのレビュー読んでめちゃめちゃ観たくなりました。

>世界のどこにいても、どんな家庭に生まれ天分に恵まれていてもいなくても家族の問題はついて回るのだな、、、と

あぁ~~、身につまされます。どんな境遇であってもみんなそれぞれ家族の問題抱えてますよね。

プライムで観れるのですね!ヤッターー(*^-^*)
2024-03-05 21:01 : 瞳 URL : 編集
面白いです。
瞳さん、こんにちは~。コメントありがとうございます。
これ劇場公開されなかったので映画賞オタクの人(私とか)以外にはあまり知られていないんですかね。
でも面白いですよ~、オススメです!
若い人が観ると、家族の問題の部分はあまりピンと来ないかもですが。
そう、私たちのアマプラで観られます(笑)。是非ぜひ~。
2024-03-06 16:59 : 真紅 URL : 編集
観ました~♪
真紅さん、再びお邪魔しまーす。観ましたよ~♪

面白かったです。
なにあの逃亡中の・・・って!?(爆)
タイトル変えてもOKだったくだりに吹き出しちゃいました。
ジェフリー・ライトの苦々し気な顔も良かったですね。
メイドのロレインのパート、好きだわ。

ラストはあんな捻りが待ってるとは・・・どこまでも皮肉たっぷりでしたネ。私もアジア系の助手さんへの態度に複雑な思いがしましたよ。

全然兄っぽくないクリフ、でも最後隣にいたのが彼だったのも面白かったです。
2024-03-10 21:17 : 瞳 URL : 編集
よかった~♪
瞳さん、こんにちは~。再びありがとうございます。
面白かったですよね~、よかったです。
そして本日無事アカデミー賞脚色賞も受賞しました!拍手~
そうそう、最後にアジア系が登場することで笑ってる場合じゃない、と気づかされますね。
今日の授賞式でもアジア系が無視されるような場面があったようで、、、
帰宅したら録画で確認したいと思っています。
まぁ、昨年の授賞式ではアジア系が席巻しましたから、必ずこういうバックラッシュは起きるとは思っていましたが。。
感想記事、アップされたらコメントさせてくださいね。
2024-03-11 17:06 : 真紅 URL : 編集
脚色賞
真紅さん☆
こちら見事に脚色賞取りましたね!?予測が当たって凄いです~
字幕でも吹き替えでもクリフは兄さんって呼ばれてましたね?私もどうみても弟じゃん!って思いながら見てましたが、もしかすると医者で兄なのにマッチョでゲイっていう、こちらの勝手な「こうあるべき姿」をしてないっていうのも一つの風刺なのかなって思いました。
2024-03-12 23:24 : ノルウェーまだ~む URL : 編集
獲りましたね~
ノルウェーまだ~むさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。
吹き替え版は観ていないのですが兄って言っていたのですね。
私はクリフの「いつまでも子ども扱いすんな!」ってセリフで「ああ、弟なんだな~」と思いました。
あとモンクだけ父のお気に入りだった、みたいなセリフで、長男なのかな、と。
英語って難しいですね、みんなファーストネーム呼びだからわかりません(笑)。
2024-03-13 20:13 : 真紅 URL : 編集
No title
いつも観に来てくださってありがとう。
これ観ました。
アメリカンのブラック・ピープルに対する偏見をネタにするブラックの主人公が可笑しかったです。
多分「007」でしか観てないジェフリー・ライトって良い俳優ですね。
ラストに唖然!本作で青のジョニーウオーカーの存在知りました。
2024-04-08 22:03 : margt2005 URL : 編集
No title
margt2005さん、こんにちは!
こちらこそコメントありがとうございます。
ジェフリー・ライト、ウェスアンダーソンの作品にも出ていたと思います。
アカデミー賞にもノミネートされてよかったですよね!
ラストは一瞬わけがわからなかったのですが、最後に弟が出てきてヨシ!と思いました。
またお邪魔しますね♪
2024-04-09 11:42 : 真紅 URL : 編集
不思議な映画
不思議な映画、でした〜

2024-04-27 10:40 : onscreen URL : 編集
No title
onscreenさん、コメントありがとうございます。
確かに不思議というか、狐につままれた感のある映画でした。
でも、面白かったです!
2024-04-27 21:49 : 真紅 URL : 編集
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