『アンダーグラウンド』

「昔、ある所に国があった」
エミール・クストリッツァの代表作
やっと観た! 遂に! スクリーンで観たぞ!
そしてマイオールタイムベスト作入り
布施ラインシネマラストショーにて
数年前の 「ウンザ!ウンザ!クストリッツァ」 特集上映で時間が合わず観られなかった本作
残念がる私に 「アンダーグラウンドはまたいつか必ず映画館で観られる機会はあるから」 と言ってくださったシネマート心斎橋の支配人様、やっとその日が来ました(涙)
1941年4月6日、旧ユーゴスラビア
ナチスの侵攻とともに空爆は激しさを増し、、、と書くと悲惨な戦争映画をイメージするけれど、そこはクストリッツァ
音楽と動物たちとヘンテコな人間たちが繰り広げる、混沌とした祝祭感溢れるマジカルな悲喜劇
171分の長尺ながら、三部構成でさほど長さは感じない
それはあまりのパワーとエネルギーに圧倒されて、時間の感覚が麻痺してしまうせいかも知れないけれど
「映画の神様の化身」 ことクストリッツァも登場、若い!
彼が登場人物たちに託した祖国への思い、大国とイデオロギーに翻弄された失われた祖国への熱い思いが溢れかえり、息が苦しいほど
愚かで弱い人間
罪深く過ちを繰り返す人間
哀しいけれど、それが私たちなのです
「許そう、でも忘れない」 この言葉の重みよ。。
それでいて、クストリッツァは生きとし生けるもの全ての生命を肯定していると感じた
この感覚はホドロフスキーの 『エンドレス・ポエトリー』 を観たときと似ている
ラストシーンではわけのわからない感動で胸がいっぱい
わけがわからないのに感動させられている、いや感動以上の何かで頭が爆発しそうになる
こんな体験、滅多にできない
次元が違う傑作だと思う
「またいつか必ず映画館で観られる機会はあるから」
またいつか必ず観たい、何度でも
そして後世に、子どもたちにこの映画を残して欲しい
永遠に語り継ぐべき物語がある
真実、もしくは奇跡と言う名の
(2020年1月31日、Instagramへの投稿より)
( 『アンダーグラウンド』 原題:UNDERGROUND/監督・共同脚本:エミール・クストリッツァ/1995)
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