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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅   ★劇場鑑賞した映画はインスタにアップしています@ruby_red66

『COLD WAR あの歌、2つの心』

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 ZIMNA WOJNA

 COLD WAR





 1949年、ポーランド。民族舞踏団を結成した音楽家ヴィクトル(トマシュ・コット)は、オーディションで歌手志望のズーラ(ヨアンナ・クーリグ)と出逢う。

 第87回アカデミー賞授賞式での立ち姿とスピーチにノックアウトされて以来、我が最愛の映画監督であるパヴェウ・パヴリコフスキの最新作。前作 イーダ が大好き過ぎて、傑作の誉れ高いこの映画は物凄く楽しみだった反面、観るのが怖くもあった。期待外れだったらどうしよう、と。

 しかしそんな心配は全くの杞憂だった。カンヌやヨーロッパ映画賞で受賞多数、アカデミー賞も三部門ノミネートは伊達じゃなかった。肩が震え、嗚咽を堪えるほど涙・涙。「観客が映画を見て涙を流すとすれば、それはスクリーンの中に観客自身の人生を映し出しているから」 という言葉を思い出しながら。正確には 「観客自身の【そうでありたかった】人生」 だけれど。

 鑑賞後、世界が変わって見えるような映画とでも言えばいいのか・・・。映像--カメラワーク、ショットの一つひとつ、光と影、モノクロ・スタンダードのスクリーンサイズ--、音楽、ストーリー、キャストの演技、クレジットの最後の献辞に至るまで。90分足らずの尺の中、15年に及ぶ男女の生き様をこれほど濃密に描き出せるなんて・・・。超絶技巧としか言いようがない。当然、無駄と思えるショットもセリフも皆無。「傑作」 という言葉では足りないし、少し違う。極私的な感情の坩堝と、イデオロギーに支配される芸術が放つ至高の光。愛と言うよりも 「情念」 と宿命に身を委ね、時に身勝手に、時に献身的に生き壁を越えようとするズーラとヴィクトル。彼らは共感も同調も拒み、唯一無二の磁石のように互いだけを求め、反発する。

 ポーランド、ベルリン、パリ、ユーゴスラビアからまたパリ。セーヌ川からふたりが望むノートルダム大聖堂が夢幻のよう。そしてふたたび最果ての地ポーランドへ。舞台は円環を成し、ふたりを 「あちら側」 へと誘う。

 グレゴリー・ペックに似ていたというお父様似なのか、監督は超ダンディ。ヴィクトルは一瞬、監督が演じているのかと錯覚する。レア・セドゥ(またはジェシカ・チャステイン)に安藤玉恵を足したような(?)容姿のヨアンナ・クーリグは時に下卑た眼差しで世界を挑発し、その歌声とダンスでスクリーンを支配する。

 今年の(暫定)ベストワン。もう一度観たい。この映画の全てを、この目と耳に焼き付けるために。

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 ( 『COLD WAR あの歌、2つの心』  監督・原案・共同脚本:パヴェウ・パヴリコフスキ/
                        主演:トマシュ・コット、ヨアンナ・クーリグ/2018・ポーランド、英、仏)
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2019-07-10 : 映画 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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2019-07-27 09:16 : : 編集
No title
鍵コメ様、コメント(というかレス)ありがとうございます。
こちらこそややこしい鍵コメ入れてしまって、すみません。。

その展示会は行ったことないのです(もちろん知ってはいますが)。
北欧製のもの、いいですよね! あちらは先進国ですよね。。
北欧にも行ったことないので、行きたいな~、といつも思っています。

また面白いドラマ(映画)あったら教えてくださいね!
記事更新楽しみにしています。

真紅拝
2019-07-29 16:15 : 真紅 URL : 編集
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