FC2ブログ
映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅   ★劇場鑑賞した映画はインスタにアップしています@ruby_red66

『婚約者の友人』

婚約者の友人

 1919年、ドイツの田舎町。戦争で婚約者フランツを亡くしたアンナ(パウラ・ベーア)は、墓地でフランス人青年アドリアン(ピエール・ニネ)と出逢う。フランスが好きだったフランツは生前パリに留学しており、アドリアンはそこでフランツと知り合ったと言う。失意の中にいたアンナは、そんなアドリアンに心を開いてゆくのだったが・・・。

 監督・脚本はフランソワ・オゾン。私は彼の良き鑑賞者ではない。映画館で観た彼の作品は 『17歳』 だけ。というのも、そもそも彼の作品はミニシアター系と呼ばれ、関西では茶屋町の某劇場で公開されることが多い。個人的にあの劇場、苦手なのです・・・。おっと、それはまた別の話。今上映中の 『2重螺旋の恋人』 も、観逃し案件。多分。

 だからついついオゾン作品は自宅鑑賞となるのだが、 「あー、これは映画館で観たかった!」 と思うことが多い。この作品も例に漏れず。映像、ストーリーテリング、コスチュームやプロダクションデザイン、全てが間違いなく一級品。唸りました。

 オゾンにしては珍しく政治的なメッセージが込められている本作は、「嘘」 がテーマなのかなと思った。アンナの嘘、アドリアンの嘘。邦題もある意味嘘であるし、原題の 「FRANTZ」、亡くなったフランツも結果的に嘘をついている。けれど人は嘘なしには生きられない。何故なら、嘘は時に、真実よりも人を救うから。

 アンナはその嘘ゆえに傷つき、今は居場所をなくしたように映る。しかし生きてさえいれば、また新しい嘘から人生をやり直すこともできるはず。自分は死ではなく、生を選ぶ。ラストシーンの彼女の瞳には、光が宿って見えた。

    ( 『婚約者の友人』 監督・脚本:フランソワ・オゾン/
                              主演:パウラ・ベーア、ピエール・ニネ/2016・仏、独)
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : ★おすすめ映画★
ジャンル : 映画

2018-09-02 : DVD/WOWOW : コメント : 6 : トラックバック : 4
Pagetop
Keanu and River «  ホーム  » We had the stars, you and I. ~『君の名前で僕を呼んで』#11
trackback

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
「婚約者の友人」
1919年、戦争の傷跡に苦しむドイツ。 婚約者のフランツを亡くし、悲しみの日々を送っていたアンナは、ある日、フランツの墓に花を手向けて泣いている見知らぬ男に出会う。 戦前にパリでフランツと知り合ったと語る男の名はアドリアン。 アンナとフランツの両親は彼らの友情に感動し、心を癒される。 だが、            <公式サイト ストーリーより> ※↓ ネタバレ...
2018-09-09 19:19 : Slow Dream
婚約者の友人
1919年、ドイツ。 アンナは、フランスで戦死した婚約者フランツの両親と一緒に暮らしている。 ある日、フランス人男性アドリアンが、フランツの墓参りにやって来た。 最初は敵国人を拒絶したフランツの父だったが、彼はフランツのパリ留学時代の友人だという。 やがて一家はアドリアンの訪問を楽しみにするように…。 ラブ・ストーリー。 モノクロ&カラー。
2018-09-20 05:26 : 象のロケット
「婚約者の友人」
「Frantz」2016 フランス/ドイツ第一次世界大戦(1914年~1918年)が終結したドイツのとある街。ある日、戦争で婚約者フランツを亡くしたアンナは墓の前で花を手向け泣いている男性を目の当たりにする。その後アドリアンと名のる男性がフランツの家族を訪ねて来る。アンナは墓地にいた人だと認め驚きを隠せない。最初フランツの父親ハンスはフランス人のアドリアンを拒否するが、彼の妻のマグダはフラン...
2018-09-20 20:00 : ヨーロッパ映画を観よう!
「婚約者の友人」
正統派悲恋物。悲恋物という言い方は正しくないかもしれないが、ラストの汽車の発車シーンは名作「旅情」を彷彿とさせる。深い傷と淡い思慕。婚約者はあの第一次世界大戦でフランスの戦場に散っていった。生涯報われない想いを抱えて生きる女がここにも一人。そしてドイツのこの地に、婚約者の戦前からの友人であったと名乗るフランス人の男が墓参にやって来る。…本当に正統派なんだ。男の正体が判るまでと判ってからの、ど...
2018-10-02 13:40 : ここなつ映画レビュー
Pagetop
コメントの投稿
非公開コメント

オゾン監督作品は
真紅さん、こんばんは。

以前真紅さんが好きな監督は?と聞かれて即答出来ずに悩んだ・・・という記事を読みました。
実はオゾン監督、好きです♪
もしかしたら好きというのとは違うのかもしれないのですが、「絶対見逃したくない!!」という気持ちが一番強い監督さん(笑)
でも、私も劇場ではほとんど観てません・・・。わが地方はミニシアター系の映画がなかなか来なくって。
この作品は私も劇場で観たかった!!と強く思いましたよ~。

それぞれのついた嘘が胸にきますね。

そして、オゾン監督作品で、こんなに素直に?幸せになって欲しいなぁと思った登場人物、彼女が初めてかも(笑)
2018-09-09 19:18 : 瞳 URL : 編集
オゾン監督お好きなのですね
瞳さん、こんばんは。コメント&TBありがとうございます。
私はフランス語が全くわからず、ちょっとフランス映画にはコンプレックスがあるかな。
だから、「好きな映画監督は?」と聞かれてちょっとオゾンは浮かびません。
でも、いっつも気になる監督さんです。
未見の作品がまだいくつかあるので、いつかはコンプリートしたいです。
あ、『2重螺旋の恋人』もその一つです。
ネタバレになりますが、主人公も観客もすっかりフランス人の彼とのロマンスを期待したところで。。。
一気に落とすところはオゾンらしいな、とちょっと思いました。
シニカルですよね。
そうそう、主人公の女性はオゾンには珍しく「普通の」女の子でしたね。
そこも狙いでしょう。かなわねぇ~(笑)。
2018-09-10 22:05 : 真紅 URL : 編集
こんばんは
この映画先だってwowowで放送していた折再び見ました。
真紅さんがシアターでご覧にならなかった理由わかります。
私も苦手な劇場は見たい映画がかかっていても諦めますから。
なるほど「嘘」 がテーマ...確かにそうですね。
そしてモノクロが絶妙だったと思います。
ピエール・ニネはクラシックが似合う素敵な俳優です。
2018-09-20 20:13 : marot2005 URL : 編集
モノクロとカラーの配剤の妙でしたね!
margot2005さん、こんにちは。
コメント&TBありがとうございます。
私の苦手な劇場は、そこでしかやらないいい映画を上映してくださるのですが・・・。
だからどうしてもどうしても観たいときは行くのですがね。
今年はまだ行っていません。
WOWOWも解約したんですよね。。でも来月、ヒュー様とベン・ウィショーくんのドラマがあるので再加入しようか迷い中です。
またいい映画教えて下さい♪
2018-09-21 17:53 : 真紅 URL : 編集
こんにちは
こんにちは。
私、自分の記事にも書いたのですが、この作品のラストの別れのシーンはちょっと「旅情」を思い出したのですよね。
悲しい別れなのに、ある種吹っ切れた感じのヒロインの立ち位置がなんとなく似ているな…と。
TBのお返しを下さりありがとうございました。
2018-10-04 17:18 : ここなつ URL : 編集
駅での別れといえば
ここなつさん、こんにちは。こちらこそコメント&TBありがとうございます。
旅情か、、、キャサリン・ヘプバーンがベネチアに一人旅して、、って映画でしたね?
う~ん、よく覚えてないなぁ(汗)。
でも、シネフィルであろうオゾンなら、そのシーンが頭にあったのかもしれないですね。
駅での別れといえばもう、、、CMBYNでしょう!!!
2018-10-04 17:47 : 真紅 URL : 編集
Pagetop
« next  ホーム  prev »

What's New?

真紅

Author:真紅
 Cor Cordium 
★劇場鑑賞した映画の感想はインスタにアップしています@ruby_red66

Archives

Search this site

Thank You!