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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅

寡黙な人々~『ゴッズ・オウン・カントリー』#3

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 (過去記事) God's Own Country
          ゴッズ・オウン・カントリー
         ゴッズ・オウン・カントリー』#2

 ついこの間まで北イタリアの沼にいたのですが、気がつくとヨークシャーの丘にいました。ここは(人が少なくて)寂しい場所ですが、とても美しいところですよ。皆さん早く来てください。

 この映画、「セリフが少ないから英語字幕でも無問題」 と何処かで読んで海外版BDの購入を決めたのだけれど、実際に観ると 「セリフが少ない」 と言うよりは 「セリフのないシーンが多い」 という印象。英語(ヨークシャー語?)は全く聴き取れず、字幕はあっても単語がわからない(爆)。“ta” や “lad” は割とすぐにわかったのだけれど、“summat” がわからなかった・・・。最後の最後に 「・・・はっ! これは “some” では??」 と気付いたのだけど、“something” ですね多分。ゲオルゲのしゃべる言葉だけは聴き取れたよ~、ありがとうゲオ。

 そしてセリフだけでなく、登場人物もとても少ない(余計なお世話だが、予算もスタッフもとても少なかったのだろうと思う)。ジョニーとゲオルゲ、ジョニーの父と祖母(あと牛と羊)。父はとても厳しく、一人息子のジョニーに 「どうしてそこまで?」 と思うほどの冷たい視線を向ける。祖母も、確か一度も笑顔を見せない。その代わり、彼女が涙する場面はとても印象的で、胸を打つ。

 あの涙は 「息子に先立たれるかもしれない」 という恐怖や不安が流させたのだろうけれど、それだけじゃない。もう少し、いくつかの成分が含まれていたと思う。田舎での生活、農夫の妻として生きてきた自分の人生、去って行った息子の妻、母のいない孫息子。そして彼が見つけた恋。彼女は毎日毎日アイロンをかけながら、何を思っていたのだろう? 長い間蓋をしてきた様々な思いがあのとき溢れて、感極まったのだろうと思う。

 父も祖母も、ジョニーに対し決して愛情がないわけではない。ジョニーが山から戻ったとき、父は窓辺に置いた椅子に腰かけ居眠りをしていた。息子のことを案じ、ずっと外を見ながらバイクのエンジン音が聴こえるのを待っていたんだな、と思った。片やニコリともせずに、ジョニーに大切な大切なメモの切れ端を渡すおばあちゃん。きっとふたりとも人間関係に不器用で、口下手なんだろうな。そしてその性格は見事に、ジョニーにも受け継がれている。

 ジョニー、いつもはほとんどしゃべらないのに、ゲオルゲに思いを伝えようと、本当に頑張ったね。あれほど必死に、切実に言葉を探して。迷子の子どもみたいで、胸が締め付けられる。ゲオルゲも、きっと君を待っていたんだと思うよ。そうだよね、ゲオ?
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2018-07-29 : GOD’S OWN COUNTRY : コメント : 0 :
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