映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅

惨劇の追憶~『ボビー』

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 1968年6月5日、アメリカ大統領予備選挙の最中、ロバート・フランシス・
ケネディ(RFK)上院議員
が暗殺された。カリフォルニア州の民主党予備選に勝利
した直後、遊説先のアンバサダーホテルで彼=ボビーが凶弾に倒れるまでの16時間、
ホテルに居合わせた様々な人種・階層の人々の人間模様を描いた群像劇。監督・
脚本はエミリオ・エステヴェス。製作総指揮も務めたアンソニー・ホプキンスはじ
め、ハリウッドのビッグ・ネームが多数出演している。

 同じく暗殺された、ボビーの兄である第35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディ
については子どものころ伝記を読んだこともあるし、「ダラスの熱い日」の映像も何度
も見たことがある。しかし、ロバート・F・ケネディについては暗殺されたという
ことを知っていたくらいで、知識も関心もなかった。しかしこれほど若く、見映え
もよく、多くの人々に愛された人物だったとは・・。彼の死の僅か2ヶ月前、公民権
運動の指導者だったキング牧師を失ったアメリカは、最後の希望の星ともいえる
人物をまたしても凶弾により失ったのだ。

 映画は様々な階層の人物を配することで、人種問題や後に泥沼化するベトナム
戦争
について巧みに登場人物に語らせる。選挙権のない移民たち、ベトナムの戦火
を逃れるための偽装結婚。そして彼らにとって、いかにボビーが希望の星であった
かをあぶり出してゆく。

 ボビーの映像は約40年前のニュース映像が使用され、スピーチも彼の演説その
まま
を流している。暴力の連鎖の阻止、地球環境破壊への危機意識など、来年の
大統領選で全く同じスピーチをしても通じるのではないか
と思うほど、その内容
は現代とリンクしている。彼に先見性があったのか、アメリカの政治に進歩がな
いのか?いや、リンクしているからこそ、この映画が今この時期に作られた意味
があるのだろう。そして少なくとも彼が大統領になっていれば、ベトナム戦争が
あれほどアメリカという国を傷つけることはなかったのではないかと思わせるの
だ。

 もちろん、監督・脚本のエミリオ・エステヴェスはハリウッドリベラル派の代表
である俳優マーティン・シーンの息子であり、彼がボビーに対して崇拝に近い畏敬
の念
を抱いてこの映画を撮ったことは差し引いて観るべきかもしれない。しかし
それでも、S&Gの「サウンド・オブ・サイレンス」が大音量で流れ出す頃には、私も
すっかりボビーの選挙ボランティアの気分になってしまっていた。

 元々群像劇は好きだけれど、懐かしい顔(クリスチャン・スレイター、デミ・ムーア)、
新しい顔(ニック・キャノン、リンジー・ローハン)、おなじみの顔(ヘレン・ハント、
イライジャ・ウッド、ウィリアム・H・メイシーら)
が多数観られ、大満足の一本。
あまりに政治的過ぎるせいかアカデミー協会には無視されていたが、ゴールデン
グローブでは作品賞にノミネートされていた。

20070302191619.jpg

『ボビー』監督・脚本:エミリオ・エステヴェス/2006・USA
  出演:ハリー・ベラフォンテ、ニック・キャノン、エミリオ・エステヴェス、
     ローレンス・フィッシュバーン、ヘザー・グラハム、ヘレン・ハント、
     アンソニー・ホプキンス、ジョシュア・ジャクソン、デミ・ムーア、
     アシュトン・カッチャー、リンジー・ローハン、イライジャ・ウッド、
     マーティン・シーン、クリスチャン・スレイター、シャロン・ストーン、
     ブライアン・ジェラーティ、ウィリアム・H・メイシー
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ボビー
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2007-03-09 20:40 : 瓶詰めの映画地獄 ~俄仕込みの南無阿弥陀佛~
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映画館にて「ボビー」1968年6月15日のロバート・F・ケネディ暗殺事件当夜、アンバサダーホテルに集った22人に焦点を当てた群像劇。いわゆる“グランド・ホテル形式”のドラマ。日本人としてはケネディといえばJFKの方が先に思い浮かぶのだけど、その弟のロバート・F・ケネデ
2007-06-09 01:28 : ミチの雑記帳
ボビー BOBBY
ボビー BOBBY  ¥3,032 Amazon.co.jp アメリカ 2006年ウィリアム・H・メイシー、アンソニー・ホプキンス、ハリー・ベラフォンテ、ローレンス・フィッシュバーン、シャロン・ストーン、デミ・ムーア、エミリオ・エステヴェス、ニック・キャノン、イライジャ・ウッ
2007-09-04 20:27 : 映画を観よう
ボビー
 『1968年6月15日、 アメリカの希望ロバート・F・ケネディ暗殺。 世界の運命が、変わるとき――。彼らは何を見たのか。』 コチラの「ボビー」は、2/24公開になるボビーことロバート・F・ケネディが暗殺された日に、事件が起こったアンバサダーホテルに居合わせた人々...
2007-11-07 22:14 : ☆彡映画鑑賞日記☆彡
『ボビー』
ボビー BOBBY (2007/08/10)アンソニー・ホプキンス;デミ・ムーア;シャロン・ストーン;イライジャ・ウッド;リンジー・ローハン;ヘレン・ハント;クリ...
2008-02-28 16:45 : Sweet*Days**
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非公開コメント

TB&コメントありがとうございました!
真紅さん、こんばんは♪
以前もそうだったのですが・・・やっぱりTBがうまくできませんー。(泣)
ということでコメントのみで失礼します。
いい作品でしたよね。
あまり大々的に宣伝もされていなくてひっそりと公開されているのが残念なくらい。
あのボビーのスピーチをバックに描かれるラスト10分の映像はスクリーンに釘付けになりました。

ところで→おめでとうございます!
私も小学生の頃銀5枚集めておもちゃの缶詰もらった記憶はあるのですが中身がどんなものだったかは記憶の彼方・・・。
缶詰の中身をぜひ教えてくださいませ♪
2007-03-02 21:49 : sabunori URL : 編集
真紅さま、TBありがとうございます♪
私もコメントしかできなくてゴメンなさい。

この映画では人物描写が上手く、台詞に集中していたせいか、衣装は記憶に残っていないのです、残念!
でも、監督の伝えたいことは感じ取って劇場を後にしました。「それでもボクは・・」に近い印象を受けました。
2007-03-02 22:31 : パフィン URL : 編集
真紅さん、こんばんは。
『善き人~』といい、この作品といい、いい作品をごらんになってますね。
わたしはこれは是非!と思っていたのに、体調不良でまだ叶ってません(泣)。
近くで上映されてるので、何とか公開中には、と思ってます。

どうしても観たい作品のうちの1本、『サンシャイン2057』、
近くで上映がないか、ずっと探していたら、
なんと!真紅さんのお膝元で上映が決まったみたい。
もし、うちの近所で上映されなかったら、4月になったら初めて出向くかも…
明日こそ、これも待ちに待ってる作品を観に行こうと思ってます。
2007-03-03 00:34 : 悠雅 URL : 編集
sabunoriさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
TBはお手数かけてすみません。残念です~。。
そうなんです、この映画の広告を目にしたことがありません、何故?
なかなかいい作品だと思うのですが・・。
私もラストの方はほとんどアンバサダーホテルにいる感覚でした。

ありがとうございます♪ 缶詰、毎日今か今かと心待ちにしているのですが、まだ届きません~。
届いたらエントリするかも?(笑)
私もsabunoriさまの旅行記、楽しみにしていますね。お気をつけて!
ではでは、またお伺いします~。
2007-03-03 02:13 : 真紅 URL : 編集
パフィンさま、こんにちは。いえいえコメントいただくだけでも感謝です♪
衣装は、ヘレン・ハントのものが印象的でした。
リッチな奥様役だけに、ジャッキーのワンピースみたいで素敵でした。
シャロン・ストーンの髪型と衣装もある意味凄かったです。
監督の思いが痛いほど伝わってくる作品だったと思います。
逆に、その辺りに反発してしまう人もいるかも?とも感じてしまいました。
私は無茶苦茶監督に共感しましたけども(笑)
ではでは、またお伺いします~。
2007-03-03 02:30 : 真紅 URL : 編集
悠雅さま、こんにちは。コメントありがとうございます。
体調、まだ悪いのですね・・。この映画、私ものんびり構えていたら来週からはグッと上映回数が減るようなので、慌てて観に行きました。
『善き人~』は遠いので厳しいですね。この映画、お近くでしたらオススメなのですが・・。
どうぞご無理のないように。

『サンシャイン』、ええ~~マジですか~~!!知らなかった・・。
そ、それは是非いらっしゃいませ!!
明日からは『香』でしょうか。私も絶対、観たいです。
ではでは、またお話しましょう!
2007-03-03 02:37 : 真紅 URL : 編集
真紅さん おはようございます!
懐かしい顔の一人、クリスチャン・スレーターが観れたのも私には満足でした~♪
真紅さんの仰るように、この内容って今のアメリカを反映してますよねぇ。
「暴力」では何も変えられないという点では、今の日本で起きている悲惨な事件なんかも当てはまるかもしれませんね。
ロバート・F・ケネディが大統領を無事、務めていたなら・・・と惜しまれます。
2007-03-05 08:33 : なぎさ URL : 編集
なぎささま、こんにちは。コメントありがとうございます。
クリスチャン・暴れん坊・スレーター、ホントお久しぶりで私もうれしかったです。
アメリカの大統領に誰が選ばれるかということは、世界の歴史を決定付けることでもあるとつくづく感じました。
来年の大統領選、しっかり見守りたいと思います。
ジョージ・クルーニーがオバマ氏支持に回ったけど、ヒラリーさんどうでしょうね?
RFKは本当に惜しい人でした。ではでは、また伺いますね。
2007-03-05 09:26 : 真紅 URL : 編集
こんにちは。こちらにも遅れ馳せながらお邪魔します。
体調は一進一退、なかなかすっきりしない日々の連続ですが、
体調のいい日もあるので助かってます。

さて、この作品。
40年前にこの人が生きていたら、と思うと同時に、
今こそ、このわかりやすくシンプルな主張に
もっと素直に耳を傾け、自分のことだ、と感じる人たちが、
世界中に増えればいいと思います。
これって、アメリカの問題でもあるけれど、
自分の身の回りに置き換えても、相通じるものがある、
人間としての基本ですよね。
自分を愛するのと同じ価値観で、他人を理解し愛せる人間になりたい。
そうれが根底にあれば、世の中、もっとよくなると思うんですけど…
2007-03-08 13:04 : 悠雅 URL : 編集
悠雅さま、こちらにもコメントとTBをありがとうございます。
ご覧になれてよかったですよね、この映画。地味ですがいい作品でした。
RFK自体、兄のJFKに比べて知名度が低い気がします。
同じ暗殺されたにせよ、現役の「大統領」と「候補」では同列には扱えないと思いますが、RFKまでも失ってしまったアメリカの嘆きが大きすぎたのだなぁ・・と感じました。
本当に、RFKのメッセージは今こそ世界中が耳を傾けるべきですよね。
思想や信条はどうあれ、根底に流れる「愛」が必要なのは人類皆同じはずですよね。
おっしゃること、よくわかります。
この映画が大して宣伝もされず、上映終了となるのがちょっと残念です。
ではでは。
2007-03-08 14:56 : 真紅 URL : 編集
こんばんは。
選挙ボランティアの気分になりましたか(笑)。
楽しそうでしたねあの若い2人。
そういう等身大のエピソードを挟むことで、
映画が政治色の強いものにならないよう、
細心注意が払われていたように思います。
俺とてロバート・ケネディなんて言われても、
観る前は「???」てなモンでしたけど、
本作をキッカケに知ることができて、
それだけでも観た意義があったと思います。
2007-03-09 20:39 : 栗本 東樹 URL : 編集
栗本さま、こんにちは。コメントとTBをありがとうございます!
いやいや(笑)そういう意味ではなく・・。私は『猿の惑星』は見えてませんよ。
あの時代の「普通の」人々を描くことで、アメリカの抱える問題を描き出そうとしていましたね。
私もRFKについて知ることができただけでも、観る意味があった映画だと思いました。
しかし話題になってませんね。公開されただけでもマシなのかな?
またお伺いしますね、ではでは~。
2007-03-10 03:35 : 真紅 URL : 編集
話題に
こんばんは。
私は普段、マイナー映画ばっかり観ているので、自分の観ているものが宣伝されていなくて当たり前という感覚だったんですが、確かに言われてみれば、本作はこんなに有名キャストが揃っているというのに、話題になっていないですよね。もったいないです。
政治的だからイカンっていうのはわかるけど、ここにあるのは政党うんぬんじゃないこの世界に必要な普遍的なメッセージですよね。
私もとにかくその思いに共感しまくりでした。ぼびー!
多様な階層の人物が登場する群像劇だったことが味わい深かったですね。
2007-03-12 01:04 : かえる URL : 編集
かえるさま、こんにちは。コメントとTBをありがとうございます。
私もRFKが伝えようとした人類愛や非暴力の考えには打たれるものがありました。
アメリカは40年たった今でも変わらないですね・・。何がいけないのでしょうね?
もしボビーが大統領になっていたら、という思いは消えませんし、それがエミリオ・エステヴェスにこの映画を撮らせた原動力なのでしょうね。
キャストは皆ほぼノーギャラだったとか・・。それだけでも凄い!
皆さんさすがの演技でしたね。ホテルが舞台なのもよかったです。
ではでは、またお伺いします!
2007-03-12 15:45 : 真紅 URL : 編集
エミリオ監督
真紅さん、民主党と共和党、ベトナム等
いろんな要素があって、エミリオ監督の政治的な
意向もかなり入っている映画なので、自分が
なかなか公平に見れなかったのが残念です。
素直に鑑賞したらいいんですけど、こっちは
◎でしょ◎でしょ!?って言われたら△の
要素はこの人は無いのかなぁなんて
しょうもないこと考えてしまったりして・・。
とワケの判らないコメントですいません。
難しい群像劇を上手くまとめてる手腕は
スゴイと思いましたよ!
2007-05-12 15:13 : kazupon URL : 編集
kazuponさま、こんにちは。コメント&TBをありがとうございます。
いやいや、全然ワケ判らなくないですよ~、おっしゃりたいことわかりますよ!
そうなんですよね~、この映画、政治色がかなり濃いので、プロパガンダとして観てしまうと白けますよね。
当時のアメリカが100%RFK支持だったかっていうとそんなことないと思うし、左右公平に描いている映画では決してないですよね。
そこら辺りも冷静に考える視点も必要だと思います。
ただ、アメリカって当時と全然変わってないじゃん・・と思ってしまいました。
エミリオ・エステヴェス、今後も監督業は続けるのでしょうかね?
破産状態だったらしいですけど、頑張って欲しいです。
ではでは、またお伺いします~。
2007-05-12 22:06 : 真紅 URL : 編集
こんにちは♪
サウンド・オブ・サイレンスがとても効果的でした。
これが流れる辺りからすっかりボビーのボランティアの一員になった気分でしたよね。
確かにとても政治色が強いので用心しなきゃという気持ちも働きました。
それでも、ボビーの演説だけは今の時代にも当てはまる素晴らしいものだと思うんです。
公開期間は短くたった14回の上映でしたが、見ることが出来てよかったです。
2007-06-09 01:31 : ミチ URL : 編集
ミチさま、こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
大音量で流れる『サウンド~』には圧倒されましたね。
リベラル色全開の映画ですが、これはこれで一つの視点として、評価されるべき作品だと思います。
こちらでも2週間くらいでひっそりと上映が終わってしまいました。
これからDVDが出て、また多くの方に観ていただきたい作品ですよね。
ではでは、またお邪魔します~。
2007-06-09 08:33 : 真紅 URL : 編集
見事な群像劇。
私も群像劇の作品は好きです。
もっとドラマチックに作ることもできる題材でいながら、淡々と過ぎていくストーリー、豪華キャストなのに誰も個性を強烈にアピールしていない

それだからこそ、あのラストの演説がとてもインパクトを残したのだと思いました。
エミリオ・エステベス・・もっと作品を作ってくれるといいなぁ~と思いました!
2007-09-04 20:19 : D URL : 編集
Dさま、こんにちは~。コメント&TBありがとうございます。
この映画、DVDが出たのですね♪ こんなに真摯な良作なのに、ひっそりと公開されてひっそりと上映終了し、とても残念に思っていました。
ラストの演説、とってもよかったですよね。『サウンド・オブ・サイレンス』でもう、ガツ~ンと来ました。
エミリオ監督は破産状態だったそうですが、今後も活躍して欲しいですね。
ではでは、後ほどお伺いします~。
2007-09-04 22:18 : 真紅 URL : 編集
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