『ハーフネルソン』
ハーフ・ネルソン






 HALF NELSON


 NYの荒廃した地域の中学校で歴史を教え、バスケ部のコーチを務めるダン(ライアン・ゴズリング)。サビ猫と暮らす彼は生徒に慕われるよき教師ではあったが、コカイン中毒という知られざる裏の顔があった。

 今を時めくライアン・ゴズリングが初めてアカデミー賞にノミネートされ、日本公開を待っていた本作。忘れかけていた頃、昨年ようやく(ラララ効果?)一部劇場で限定公開され、めでたくリリース。そして先日、WOWOWで初放映されての鑑賞。
 これ2006年の作品ですよ! 12年、干支が一巡している(笑)。しかし、待った甲斐がある作品だった。そして、日本で一般公開されなかったことにも納得できる作品でもあった。

 この映画の根底には、(人種)差別と貧困の連鎖への怒りと悲しみがある。ダンの秘密を共有し、共犯者のように奇妙な友情をはぐくむ生徒ドレイの瞳に宿る諦観。シングルマザーの母、刑務所にいる兄、その友人であるドラッグディーラー。どことなく 『ムーンライト』 に似ているなと思いながら観ていたら、同じシーンがある! そういえば、無口なドレイはシャロンに少し、似ている。

 その心の弱さから、クリーンになれないダン。一体何が、彼をそうさせたのか?

「俺はベトナムに行った」 と言うダンの父。彼は息子の勤務先を 「動物園」 と呼ぶような差別主義者だ。幼い頃から、酔った父に何度も何度も、繰り返しその言葉を聞かされて育ったのであろうダン。母からの留守電を聞き、いきなり片づけと筋トレを始める彼はリアルでかわいい。僅かなセリフから、登場人物たちの背景を想像せずにはいられない。脚本の勝利。

 「子どもたちだけが、俺を正気でいさせてくれる」 そう語るダンにとって、ドレイの存在は救いに成り得るのか。ラストシーン、二人の微妙な距離感がいい。少だけ希望を感じさせてくれる。

 個人的には、ダンの元カノの名前がレイチェルだったこと、ファルコンになる前のアンソニー・マッキー(美しい!)がツボだった。ちなみに 「ハーフネルソン」 とは 「羽交い締め」 という意味のレスリング用語なのだそう。絶妙ですね。

ハーフ・ネルソン2

 ( 『ハーフネルソン』 監督・共同脚本:ライアン・フレック/主演・ライアン・ゴズリング
                                            /2006・USA )
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[2018/04/26 23:30] | DVD/WOWOW | トラックバック(0) | コメント(0) |
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