映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅

『南瓜とマヨネーズ』

南瓜とマヨネーズ

 ライブハウスで働くツチダ(臼田あさ美)は、売れないミュージシャンで無職のせいいち(太賀)と同棲中。ある日、彼女は昔の恋人ハギオ(オダギリジョー)と再会する。

 年に一度くらい、全くノーマークだったのに劇場予告で  「これ、観たい! 絶対!」 と思う映画がある。何故かいつも邦画なのだけれど、今年はこの作品だった。冨永昌敬監督の作品は初見。初日に鑑賞。スチールが川島小鳥、っていうのがいいよね。特別感がある。そして原作を読んでみたいと思う。

 音楽の夢に破れかけてくすぶる男と女。陳腐で小さい話で。男も女もどうしようもないんだけど、「女は過去の恋を引きずらない、なんてウソ。」 っていう惹句には共感できる。好き、っていう感情は、たったひとつじゃない。誰でも心の中に、無自覚にだけどたくさん持っているものだと思う。

 臼田あさ美は好きな女優さん。オダジョーは言わずもがな、ほとんど悪魔。そして最後に、全部持っていく太賀。音楽を生業とする話なのに、劇伴がほとんどなく、とても静かな映画だったことも憶えておきたい。音楽は静寂から始まる、ってこと、監督はわかっているんだね。

 ツチダは一度も音楽を聴かない。イヤホンを耳に差しもせず、彼女はずっと待っている。音楽が生まれるその時を。待って、待って、待ち続けて・・・。結局待てずに、恋は終わる。静寂の中にあるはずの音楽のカケラを、彼女は探し当てられなかった。

 ツチダは泣いた。アタシも、泣いた。泣くしかなかった。

 ( 『南瓜とマヨネーズ』 監督・脚本:冨永昌敬/2017・日本/
                  主演:臼田あさ美、太賀、オダギリジョー)
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2017-11-14 : 映画 : コメント : 0 : トラックバック : 3
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南瓜とマヨネーズ★★★
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