『夜明けの祈り』

LES INNOCENTES
第二次大戦直後のポーランド。赤十字で医療活動に従事するフランス人医師マチルド
(ルー・ドゥ・ラージュ)の元へ、一人の修道女が助けを求めてやってくる。
ポーランドの修道女と言えば、数年前アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『イーダ』。
あれは特別に好きな映画。こちらは観るのが辛い部分もある、女性性について考えさせ
られてしまう映画だった。『イーダ』 で主人公の叔母を演じていたアガタ・クレシャが、
修道院長役で出演している。彼女、ポーランドでは重鎮なのだろうか。
危険を冒して修道女たちを支えるマチルドの献身に、胸が熱くなる。医師=お金が儲
かる職業、なんて認識を恥じる。生まれて来る命って、原題の通り何の罪もない 「無垢」
なもののはず。「まず、赤ん坊の命を救わなければ」 というマチルド。対して、修道院長
の取った行動は・・・。彼女を見ていると、信仰や神に対するスタンスは 『ウィッチ』 と
変わらないと私は思ったな。
実話に基づく物語。出産しても、全てを投げ捨てて自由と人生を取り戻そうとする者を
登場させ、そしてそのことを否定しないことに好感した。マチルドの微笑みに、救われた
気分。

( 『夜明けの祈り』 監督・共同脚本:アンヌ・フォンテーヌ/2016・仏、ポーランド/
主演:ルー・ドゥ・ラージュ、アガタ・ブゼク、アガタ・クレシャ、ヴァンサン・マケーニュ)
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第42回セザール賞で、作品賞、監督賞などにノミネートされた、実話をベースにしたドラマ。第2次世界大戦終結後のポーランドで、ソ連兵からの陵辱が原因で妊娠してしまったシスターたちの苦悩と向き合ったフランス人女性医師の姿を追う。監督は『ボヴァリー夫人とパン屋』などのアンヌ・フォンテーヌ。『待つ女たち』などのルー・ドゥ・ラージュ、『ハミングバード』などのアガタ・ブゼク、『イーダ』などのアガタ・クレシ...
2017-10-30 19:00 :
パピとママ映画のblog
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2016年フランス=ポーランド合作映画 監督アンヌ・フォンテーヌ
ネタバレあり
2018-06-25 08:31 :
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
コメントの投稿
真紅さま
私も9月にこの映画を見ました。マチルド、美しかったですね。
マチルドの微笑み、マチルドの献身と同様に美しい、真紅さんのブログを、今年も一年間楽しく読ませていただきました。私の日常の中の幸せです。ありがとうございました。
新しい年が、真紅さんにとりまして良き一年となりますように。
新しい年も良い映画、良い本とたくさん出会えますように。
心からお祈り申し上げます。
私も9月にこの映画を見ました。マチルド、美しかったですね。
マチルドの微笑み、マチルドの献身と同様に美しい、真紅さんのブログを、今年も一年間楽しく読ませていただきました。私の日常の中の幸せです。ありがとうございました。
新しい年が、真紅さんにとりまして良き一年となりますように。
新しい年も良い映画、良い本とたくさん出会えますように。
心からお祈り申し上げます。
2017-12-31 15:20 :
メグ URL :
編集
メグさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
旧年中はあまりブログ更新もできずでしたが、忘れず覗いていただき感謝です。
この映画、とても地味ですがよかったですよね^^
今年もこういったミニシアター系の映画も観て行きたいと思っています。
メグさんもよいお年を迎えられたことと思います。
今年もまったり更新かもですが、お付き合いいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いします!
旧年中はあまりブログ更新もできずでしたが、忘れず覗いていただき感謝です。
この映画、とても地味ですがよかったですよね^^
今年もこういったミニシアター系の映画も観て行きたいと思っています。
メグさんもよいお年を迎えられたことと思います。
今年もまったり更新かもですが、お付き合いいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いします!