『ブレンダンとケルズの秘密』 【字幕版】

THE SECRET OF KELLS
9世紀のアイルランド。高い塀に囲まれた修道院で暮らす少年僧ブレンダンは、
「ケルズの書」 を完成させるため、インクの材料となる植物の実を探して森へ入
る。
「ケルズの書」 って知っていますか? 恥ずかしながら、私は全く知らなかった。
この映画のことも全くノーマークだったのだけど、尊敬するブロガーさんの 「観逃
し厳禁リスト」 に入っていたのでチェック。すると昨年観逃して悔しい思いをした
『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』 の監督のデビュー作で、アカデミー賞にもノミ
ネートされた作品らしいではないか! お盆休み後半、しつこい風邪はもう治った
ことにして、久しぶりのシネ・リーブルへ。
ちなみに、この日は 「リーブルで4本観る!」 と意気込んで行ったのだけど、1本目の 『ファウンダー』
がまさかの満席で撃沈(笑)。しかしグランフロントの紀伊国屋で 「ケルズの書」 関連展示があると知り、
気を取り直して向かいました。この世に本屋さんがあってよかった。
色彩と光のつづれ織りにクラクラする。スビログラフで描いたような、紋様のよ
うな曲線も素晴らしい! 字幕版で観たけれど、画に集中するために吹替えで観
てもよかったかも? と思ったほど。「世界で最も美しい本」 と呼ばれる書の物語
にふさわしい、美しい美しいアニメーション。
オオカミの妖精・アシュリンには 『千と千尋の神隠し』 のハクを思い出すし、高
い塀といえば進撃だし。アニメって、世界中の作家たちがそれぞれの作品を尊重
しながら影響を与え合っているのだなぁ、としばし感動。これ実写化するなら、ブレ
ンダンは赤毛のアイリッシュ、ドーナル・グリーソンに演じてほしいな、と思っていた
らお父さんのブレンダン・グリーソンがボイスキャストにいた(笑)。
この日観てるのは大人ばっかりだったけど、こういう映画こそ小さな子どもたちに
観て欲しい。ストーリーは理解できなくても、美しい色彩や曲線の印象はちゃんと
残るんじゃないかな。

( 『ブレンダンとケルズの秘密』 監督・原案:トム・ムーア/
VC:エヴァン・マクガイア、ブレンダン・グリーソン/2009・仏、ベルギー、アイルランド)
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