女たちよ~『20センチュリー・ウーマン』
20センチュリー・ウーマン





 20TH CENTURY WOMEN


 1979年、カリフォルニア州サンタバーバラ。55歳のシングルマザー、ドロシア
(アネット・ベニング)は、思春期を迎えた15歳の一人息子ジェイミー(ルーカス・
ジェイド・ズマン)と向き合うことに限界を感じていた。

 初日にシネコンで鑑賞。昼の回だったのに、観客が5人だったことに衝撃(?)
を受けた。しかも全員おひとり様。確かにこの作品、ミニシアター案件ではある
と思うのだがあまりに寂しい。アカデミー賞で脚本賞にもノミネートされていたの
にね。セリフがいいし、登場人物それぞれの人生を俯瞰する構成もいい。マイク
・ミルズのフェミニズム講座、そしてTシャツ映画でもある。


 母は何故、かくも息子を愛するのか? 或いは息子は何故、かくも母を想うのか。


 才人マイク・ミルズの前作 『人生はビギナーズ』 はとても素敵な映画だった。
確かその年のマイベスト10にも入れたと思う。前作では父が、本作では母が描か
れている。そしてもちろん、本作も今年のベスト作の一本になりそう。

 正直、、、身につまされる。私はドロシアほど(精神的にも経済的にも)自立した
女性ではない。しかし、一人息子の思春期に戸惑い、悩み、心配が尽きないと嘆
く姿は、自らを鏡で見ているようだった。

 アネット・ベニング、年とったなぁ。そしてそれを全く隠さないところが潔い。売れっ
子エルちゃん。すっかり脇役界の大御所(?)となった感のビリー・クラダップ兄貴。
そして正直、あまり好きな女優ではなかったグレタ・ガーウィグが今回、赤毛でいい
感じ。キャストがいい味。

 実は初めて知ったけど、マイク・ミルズってミランダ・ジュライと結婚しているんです
ね! ビックリ・・・。すごいアート系カップル。

 近頃は、反抗期のない子どもが増えているらしい。ずーーーっと可愛く、聞き分け
のいいままでいてくれたら、子育ても楽だろうなぁ。息子に嫌われているんです、と
悲しがっていたら、「今はそう見えても二十歳過ぎたら、男の子は母親のことが愛お
しくなるものだよ」 と言ってもらったことがある(慰めてくれただけかもしれないけど)。
自分が死んでから、息子にこの映画のように回想してもらえたら・・・。最高だよね。

20センチュリー・ウーマン2

 ( 『20センチュリー・ウーマン』 監督・脚本:マイク・ミルズ/
     主演:アネット・ベニング、ルーカス・ジェイド・ズマン/2016・USA)
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[2017/06/06 22:24] | 映画 | トラックバック(3) | コメント(2) |
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コメント
真紅さんへ。
おはようございます。
これ、教えてくださってありがとう。
僕の家の近隣(気軽に行ける感じ)に4つのシネコンがあって、
そこ+お気に入りの映画館2つの合わせて6館で、
日々の作品を観ていますが、真紅さんに教えて貰わなかったら、
見事に見逃すところでした(笑)まだ始まったばかりですね?
アネット・ベニングは好きな女優です。
「グリフターズ」の時に衝撃を受けた覚えがあります。
こう、小股の切れ上がったね……メリルのライバル?って。
結婚してチョッと仕事をセーブしましたね。
コンスタントに出演しているけれど、ひっちゃきではない……。
僕は結婚でキャリアを棒に振ったと思っているんですが、
元々、欲の少ない人なのかもしれません。
もうすぐ還暦ですもん……でも、本当に潔い。

ブノワ。
[2017/06/09 08:32] URL | ブノワ。 #kZkdgmoI [ 編集 ]
ブノワ。さん、こちらにもありがとうございます。
すご~い、近くにシネコンが4館もあるんですね!
そのどこかで上映しているといいのですが・・・。
私はとても好きな映画でした。
始まったばかりですけどそんなに長くは上映しないかもですね。
(ちょっとお客さんが少なかったので・・・)
アネット・ベニング、私も久しぶりに観たような気がしました。
彼女にとっては、女優のキャリアより妻、だったのかなぁ?
彼女もオスカーに縁のない女優ですね。ちょっと気の毒です。
でもね、、、本作を観ると、シミジミいい女優さんだなぁ、と思いました。
そんな彼女の主演映画、是非ブノワ。さんに観ていただきたいですね。
[2017/06/10 00:05] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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20センチュリー・ウーマン ★★★・5
『人生はビギナーズ』などのマイク・ミルズ監督が、自身の母親をテーマに撮ったヒューマンドラマ。1970年代末の南カリフォルニアを舞台に、3人の女性とのさまざまな経験を経て大人へと成長していく少年のひと夏を描く。思春期を迎えた息子を持つシングルマザーを『キッズ...
[2017/06/19 18:47] パピとママ映画のblog
20センチュリー・ウーマン
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[2017/06/20 06:58] 映画好きパパの鑑賞日記
映画:20センチュリー・ウーマン 20th Century Women 1979年、ニューウェーブ、アネット・ベニング。
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[2017/06/21 00:10] 日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
真紅のthinkingdays


いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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