映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅

夢現武侠~『黒衣の刺客』

黒衣の刺客




 刺客聶隱娘



 THE ASSASSINS


 唐代の中国。女道士の元で修業を積んでいた隠娘(舒淇)が、13年ぶりに両親
の元へ帰る。彼女は黒衣を纏い、感情を表に出さない刺客となっていた。

 侯孝賢が初めて撮った武侠映画は、アート映画と言ってしまいたいほどの映像
と、静謐さに満ちている。これは、西洋人がイメージするであろう神秘的で謎め
いた 「オリエンタリズム」 そのもの
ではないか? カンヌでの絶賛も、むべなる
かな。2015年カンヌ国際映画祭監督賞受賞作

黒衣の刺客2

 全国で公開劇場が10館にも満たないことは非常に残念でもあるし(そのせい
満席続出らしいが)、仕方ないとも思う。セリフは極端に少なく(そもそも隱娘
がほとんどしゃべらない)、武侠映画とは言うものの、アクションが主題にはとて
も見えない
。粗筋はわかるが細かいストーリーや人間関係など、一見では理解
し難い
「観る人を選ぶ映画」 だと言えるだろう。

 侯孝賢がカメラマン李屏賓と組んで描き出そうとしたものは、美しさ=自然
中に人間を置き、風や光や木々、雲や川の流れの中で、夢現のように浮かび
上がる陰影なのだろう。侯孝賢が 「心の女優」 と呼ぶ舒淇は強く気高く、孤高
を生きる隠娘そのもの
。その隠娘が命を狙う暴君・田季安を演じた張震は、どこ
俗者になり切れない青臭さを残して魅力全開(大ファンです)。スクリーン映え
するこの二人の相性は抜群で、中華圏最高の異性コンビだと思う。

黒衣の刺客3

 日本からは妻夫木聡忽那汐里が出演。いかにも現代っ子のこの二人が、
孝賢の作品世界
にどう映るのか若干不安だったが、意外にもしっとりと馴染んで
いた(セリフがほぼ無いというのも幸いだっただろう)。

 しかし侯孝賢は相変わらず 「催眠術師」 としての剛腕を振るってくれてもいる。
早々に劇場へ駆け付けた人々の 「寝落ちした」 というつぶやきを、どれだけ目
にしたことか(笑)。しかしそのうたた寝すらも映画体験の一部として許されてしま
ような、稀有なる別品と言えるのではないだろうか。

 ( 『黒衣の刺客』 監督:侯孝賢/2015・台湾/
                 主演:舒淇スー・チー、張震チャン・チェン、妻夫木聡
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2015-10-14 : 映画 : コメント : 8 : トラックバック : 11
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「黒衣の刺客」
第68回カンヌ国際映画祭監督員賞受賞作。ホウ・シャオシェン監督作品。映像の美しいこと!こんなに美しい映像の作品は、近年ドキュメンタリー以外では観た事がない。きっと本当に8世紀の魏では人々も風景もこんな風であったのだろうと確信する。冒頭は、インニャン(スー・チー)が道士の所で修行をしているシーンで、ここはモノクロ画面の演出である。そしてインニャンが故郷に帰され、タイトルバックが中国の水辺の夕焼...
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2016-01-26 14:12 : パピとママ映画のblog
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黒衣の刺客
映画はイマイチだけど、映像美は素晴らしい。
2016-04-22 23:25 : だらだら無気力ブログ!
映画評「黒衣の刺客」
☆☆★(5点/10点満点中) 2015年台湾=中国=香港=フランス合作映画 監督ホー・シャオシェン ネタバレあり
2016-07-27 13:24 : プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
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こんにちは!
ご訪問&TBをありがとうございました。
侯孝賢=「催眠術師」だったのですね~(笑)。それにしても、何という美しい「術」だったことでしょう!
この作品のストーリーや登場人物の来し方行く末は、「考えるな、感じろ!」ということだったのだと勝手に解釈しております。
しかし、底力、恐るべし、でした。
2015-10-14 13:25 : ここなつ URL : 編集
冒頭のモノクロの映像も美しかったです。
真紅さん、こんにちは。
張震と舒淇はまさに台湾を代表するゴールデンコンビですよね。
私も途中で記憶をなくした1人ですが(笑)、それでもなお
素晴らしいと思えてしまうことが素晴らしい。
映像の美しさのみならずほとんどBGMのない中、自然の音が印象に残る作品でした。
2015-10-14 23:01 : sabunori URL : 編集
ここなつさん、こんにちは。こちらこそコメント&TBありがとうございます。
学生時代、いましたよね。「催眠術師」ってあだ名の先生(笑)。
昼休み明け午後イチの授業が一番危険という。
候孝賢の映画って絶対ウトウトしてしまいますから。。
勝手に命名させていただいてます。
しかしこの映画素晴らしかったですね。
ホント、彼にしか撮れない武侠映画だと思います。
2015-10-15 11:42 : 真紅 URL : 編集
sabunoriさん、こちらにもありがとうございます!
張震くんの結婚式のとき、舒淇も出席していたのです。
その時、ああー、ホントに仲いいんだな、とうれしくなった記憶があります。
もちろん張震くんと奥様もお似合いでしたが、、、舒淇とのツーショットはホント、絵になりますよね!
この映画、記憶をなくすことがむしろ正しい鑑賞姿勢のような気もします。
そうそう、音がねー。なんかドキドキしましたよね。
2015-10-15 12:33 : 真紅 URL : 編集
侯孝賢電影
真紅さん。こんばんは。

私も、気合を入れて行ったのですが、時々夢か現か状態になってしまいました。

でも。ラストのあの鎮まった水面。まるで太古のままのような。

侯孝賢は私の中では特別な監督です。

またひとつ、忘れられない侯孝賢電影ができました。
2015-10-17 20:34 : テヒ URL : 編集
テヒさん、おはようございます~。コメントありがとうございます。
おお、テヒさんも寝落ち組みですね。
大丈夫、それが正しい鑑賞姿勢ですから!注:候孝賢作品に限り
私は彼の作品コンプリしてるわけではないのですが、凄い監督だというのはわかります。
まさに尊敬に値する監督ですよね。
今年のカンヌでのフォトコールで、皆が正装の中一人だけ普段着だったのには爆笑しましたが。。
2015-10-19 07:52 : 真紅 URL : 編集
真紅さーん、こんにちは!
やっと見たよ!
去年の裏ベストに入っているんだね?^^

私は、ちょっとこの映画の良さが解らなかったみたい・・
残念。大好きなチャンチェン君と、かつて好きだった妻夫木君(今も好きではあるけれど)が出演するって事で期待したんだけど・・・。
ホウ・シャオシェン監督の映画は、アートな映像が特徴だよね。衣装とか風景とか素敵だったけど、いかんせん、内容が・・・うーーん・・・
2016-04-11 18:33 : latifa URL : 編集
latifaさん、おはようございます。コメント&TBありがとうございます。
そう、これ昨年のベスト20に入ってるよ。
みなさん「寝た」っておっしゃってて、自分が寝なかったのがびっくりだった←どんな感想やねん

これはね、映像と音響とで感じる映画だったから・・・。
仕方ないよね。。
でも、みんながいい、いいって絶賛してても自分がいいと思わなかったら褒めなくていいと思うよ。
当たり前のことだけど(笑)。
でも、ちょっと損した気分にはなるよね~。わかる。
張震くんは変わらず素敵よね♪ ブッキーも、童顔のままずっと第一線で活躍してて、うれしいな。
2016-04-12 07:41 : 真紅 URL : 編集
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