父に捧ぐ~『国際市場で逢いましょう』
国際市場






 ODE TO MY FATHER


 韓国・釜山国際市場で、輸入雑貨店 「コップンの店」 を営むドクス(ファ
ン・ジョンミン)
。年老いても、周囲に疎まれながらも頑固に店を守り続ける
が、辿ってきた人生とは・・・。

 韓国で歴代2位の興行収入を上げたという本作、ファン・ジョンミン主演とい
うことでとても楽しみにしていた。やっと観ることができました。

 ある男の人生を、丸ごと激動の韓国現代史に重ねたドラマ。期待通りの感動
&涙、涙
ではあったが、観終わって少しも胸に重いものが残らないのだ。大作
なのに大仰ではなく、感動作にありがちな 「ここで泣け!」 と言うような涙腺
爆弾
は投下されない。韓国映画なのに、「恨」 どころか逆に、あっさりした印象
さえ受ける。

国際市場2

 主人公ドクスは、幼い頃から 「家長」 という重責を負い、家族のために自ら
犠牲にすることを厭わない。これでもか、、、と彼にだけ次々とのしかかる
に、黙って対峙する。「辛い」 と泣くのは写真の中の父(チョン・ジニョン)
対してだけ。そして彼の意固地なまでの 「コップンの店」 に対するこだわりは、
ただ老いのためだけではない。すべて彼が辿ってきた、過酷な人生理由
あることが語られてゆく。
 そう、「フランク永井か!」 と突っ込みたくなるような(我ながら古過ぎるが)
邦題にも、深い意味があることがわかるのだ。

 ファン・ジョンミンはもちろんだが、彼の傍らに常に寄り添うダルグを演じた
オ・ダルスが最高! ともすれば重くなりがちなドクスの人生=この映画その
もの
に、笑顔のスパイスをくれる。「友は人生の宝」 を、見事に体現した役柄
だったと思う。お久しぶりなキム・ユンジンも変わらない。

国際市場3

 人生は辛い。多かれ少なかれ、誰の人生も辛いのだろう叶わなかった夢、引
き裂かれた家族、傷ついた心と身体。満身創痍のドクス
待ち続けた父は、ファ
ーストシーンに現れた白い蝶なのではないだろうか? 最後に用意されたのがド
クスが憧れ続けた海の見える場所であり、彼の傍らに最愛の妻・ヨンジャがいる
ラストシーンに、安堵したのだった。

 ( 『国際市場で逢いましょう』 監督:ユン・ジェギュン
      主演:ファン・ジョンミン、キム・ユンジン、オ・ダルス/2014・韓国)
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テーマ:★おすすめ映画★ - ジャンル:映画

【2015/06/21 21:09】 | 映画 | トラックバック(12) | コメント(4)
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コメント
真紅さん、こんばんは★
ホント、おっしゃる通り堂々たる大作でありながら大仰ではなくステキな作品でしたね。
そうそう、思わず「有楽町で♪」と口ずさんでしまいそうになる邦題にも
キチンと意味があって久しぶりにうまい邦題だなーと感心しました。
オ・ダルス良かったですよね。
まさに生死をともにする一生の友ダルグをひょうひょうと演じていてさすがでした。
ちゃっかり国際結婚しちゃうし。(笑)
【2015/06/21 21:52】 URL | sabunori #JalddpaA[ 編集]
sabunoriさん、こんにちは~。コメントありがとうございます。
やっとやっと感想をアップできました。
この映画が重くない理由として、日本についての描写がほとんどない、という意見を目にしてなるほど、、と思いました。
それが理由で韓国では反発もあったようですが、超大ヒットしたんだから無問題ですよねー。
オ・ダルス、よかったですよねー。すごい芸達者な俳優さんとお見受けしました。
彼の国際結婚、、金髪がええんちゃうの? と突っ込んでしまいました(笑)。
【2015/06/22 10:36】 URL | 真紅 #V5.g6cOI[ 編集]
自然と涙が出る映画で、感動することを押し付けていないのが素晴らしかったです。
確かに戦争で必ず関わってきたはずの日本への描写は一切なかったですね。それが日本人に受け入れられる内容になったのかもしれません。
でも話はすごく良かったし、映像も迫力がありました。
【2015/11/09 11:35】 URL | ミス・マープル #-[ 編集]
ミス・マープルさん、こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
>感動することを押し付けていない
そうなんです! 「ここで泣け~」みたいな涙腺爆弾の投下がないのがよかったですよね。
でも、自然に涙は溢れるという。。。
ファン・ジョンミンの新作も間もなく劇場公開されそうで、とっても楽しみです♪
【2015/11/10 07:37】 URL | 真紅 #V5.g6cOI[ 編集]
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